第三十二話 全てを知る者
『室長、大阪刑務所で1人の女性が死亡。自殺などではなく眉間を銃で撃ち抜かれていました。検査結果、殺されたのは加々井夏希さんと判明。殺人者については只今行方を追っています。』
室長の額から一筋の汗が流れた。Bの声が頭のなかにガンガン響く。
くそっ!!
あいつは何者なんだ?
『し、室長?』
『もう、刑務所から被害者は出すな。更正に成功する者もいるんだ。そいつらの人生を狂わしてはいけない。警備体制を強化。必ず二人以上で行動させるんだ。』
二人以上で行動。つまり、夏希は警備員に殺された。だからお互いがお互いを見守ることでなくそうと考えた。
フハハハハ!!
検査結果を持った男は心の中で笑った。
夏希を殺したのはオレだよ、バーカ!!
心の中でそう叫んだ。しかし、男はそれを口に出すことは無論ない。そして、いかにも残念そうな顔をして
『分かりました。今後はこのようなことがないようにします。』
と、だけ口にして室長室を去ったのである。しかし、これから刑務所内で起こる悲劇など全く知らなかった。
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10月7日金曜日。
皇居に住む天皇と元総理大臣(最初の復讐の被害者が出たため土曜日に稲垣内閣は退陣を発表したため)の稲垣が密談をし、裏で莫大な金額を動かしていることが発覚。
しかし、天皇は『何でもない』と主張。警察は相手が天皇なだけに無理に手出しできない
10月8日月曜日。
アメリカのメンデル大統領も裏で莫大な金額を動かしていると発覚。日米で何か関係があるのかは不明。
ただし、メンデル大統領は任期があと3日となり、そんなに派手な動きは出来ない。
10月21日日曜日
中国政府で大規模なデモ。遜源角退陣へと追い込まれるか。
10月30日火曜日
遜源角、退陣。この10月に日米中の3か国の大統領及び、総理大臣などが辞めるのは過去例にない。
そして、物語は大きく飛躍する……。