第三話 地獄
この日を境に彩那の人生は大きく変わっていく。苦しいいじめがついに幕を開ける。
数日後の放課後、彩那は女子に囲まれた。
『ねぇ、あんた最近成績いいからって調子乗ってない?うざいんだけど』
えー!!!!!!最近なんも話してないじゃん!!!!
『調子乗んなっての!!』
まずは、田村佳奈子が彩那の腹を思いっきり蹴った。彩那は少し飛んで机の上に落下する。
『ぎゃー!!』
ガラガラと机が崩れて倒れる。
田村佳奈子は大阪第一高校では、珍しいがり勉派である。体型は肥満。そんな日常のストレスによりいじめている。
『うぅ…痛い…。』
彩那は逃げようと頑張るが田村のヘビーな一撃は大きな打撃を与えた。ろくに立てない…。
『そうそう、ホントうざいわ!!両親と一緒に死ねば良かったのに…』
そう口にするのは、お嬢様キャラの高柳つぐみ。大のおしゃれ好きで、髪は茶髪のカール。かなりモテる方だ。
つぐみはうつ伏せに倒れている彩那の腹を蹴った。
『ぐわっ…ゴホゴホ…』
彩那は激しく咳き込んだ。そのままつぐみは彩那の髪を掴ん。そして思いっきり引っ張る。
『止めてぇ…。ホント痛い…。』
彩那は叫んだ。叫び声といじめるがわ側の笑い声が重なる。
彩那の目から涙が溢れだした。
『うぅ…なんで私だけこんな目に…』
涙が溢れて止まらなかった。しかし、更にいじめはヒートアップしていく。つぐみがスカートをめくったのだ!!
彩那の下着が丸見えだ。
『きゃは!!』
つぐみがかわいい声を出した。
『かわいいパンツ~!!ねぇ、みんなで脱がしてやろうよ!!』
……。
嫌な過去を思い出した彩那はいつの間にか家に着いていた…。鍵をカバンから取り出す。
ガチャリと重い扉を開ける。家にはもちろん誰もいない。
ホントはお母さんにおかえりっていってもらっていじめのこと相談したいのに
ねぇ、お母さん…会いたいよ…
彩那は玄関で泣き崩れた。
『うぅ…、辛いよ、お母さん…お父さん…』
涙が頬を濡らす。
そしてその時だった。なぜか分からないが勝手に体が動く気がした。そのまま取り付かれたようにパソコンの元へと向かった。