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トモダチ  作者: tomo
第3章 分岐点
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第二十九話 更に深まるBの謎

この日は晴れだった。昨日の雨が嘘のように空は青く、ただ青かった。彩那は目覚まし時計のアラームで姿を起こす。休日ゆに時計なんかセットするはず無いんだけどな……。なんでか分からないまま目をこすった。徐々に視界が明るくなっていく。と、同時に人らしき者も写り始めた。彩那はただ寝ぼけているだけと勘違いしてベッドから出る。その時、不意に



『おはよう』



と声をかけられたため彩那は一気に現実へと戻された。目の前に映っているのは間違いなく男性だった。


なんで?


彩那はなるべく気にしないように部屋を出ようとした。しかし、それは出来なかった。どうしてもこいつに目がいってしまう。だから、その前に……



『あなた誰ですかー!!』


と、普通に叫んでしまった。男はうるせぇと顔で言わんばかりの表情をする。それを見て


いやいやいや…


ちょっと待ってくださいな~


嫌な顔するの普通私とちゃいまんねんか?


もう叫んだろうかな?


警察呼んだろうかな?


とか、頭の中でギャグマンガ風に突っ込んだりしているとようやく男が口を開いた。



『黙って聞けよな。1から説明してやっからよ』



『ちょ、その前にどうしてここにいるの?』



『ったく、うるせぇな。今から説明してやるよ。だから黙って聞いとけ。』



彩那は困惑の表情を隠しきれなかった。



『なぁ、その前に1つ、いや2つ願っとく。まず1つ目だ。今から話すことは最高機密(トップシークレット)だ。誰にも言うなよ。メモは誰にも見られない場所でこの家の中に置いとけ。』



彩那はいまいちよく分からないがとりあえず頷いた。そして、2つ目を聞いた。



『あん?2つ目?2つ目はな、コーヒーくれってことだ』



彩那はさすがにブチリと来た。そして、毒でもいれてやろうかと思いながらキッチンに向かった。





@ @ @


大阪都立大阪警察署


『室長、携帯の電話推定場所、測定出来ました。』


そう言いながら資料を持った警察が近付いてきた。室長は資料を受け取ると『ご苦労』とだけ言って、資料に目を通す。そこには信じられない場所が記されていた。



『フランスのパリだと?』



携帯はどこからかけてきたか、メールがどこから送られてきたか分かるようになっている。そして、それは警察が調査と言う形ならば携帯会社は渡さなければならない。しかし、それにはたくさんの書類に目を通し、判子を押さなければならないので今回は許可なしで携帯の逆探知を行って調べた。それがおかしいにも程がある。なぜならばあの警察の位置が正確に分かっていて、さらに誰を確保したかまで分かっているのだから警察の内部の者ではないかと思っていたのにだ。しかし、それが根本から引っくり返された。



『とにかく警察の逆探知はそこそこ信用出来るものなのだが、一応さらに詳しく調べてくれ。』


『はい。』


その時に室長の携帯にメールが届いた。非通知だった。そこには、



『こんにちは。Bです。今、あなた方の捕まえた、奈実と言う少女殺しました。じゃあね』


は?ふざけるな!!


ずっと刑務所にいるんだぞ!?



室長はただ



『大阪刑務所の奈実と言う女の子について調べてくれ』


と言うことしか出来なかったのである。


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