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トモダチ  作者: tomo
第3章 分岐点
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第二十四話 不良集団

彩那は警察から質問を受けていた。雨で外が暗いこともあり、電気がついている。イスは古いパイプイスで、動く度にギイギイとうるさい。



『では、佐藤慎太郎さんとは恋人関係だったと言うことですか?』



『はい……』



いつまで、この調査は続くのだろうか。先の見えない調査であった。



『佐藤慎太郎さんと事件の前日の夜に話していた。しかし、それは鍵を無くし、スペアキーを取りにいくついでだった。』



『はい、そうです。』



あぁ、本当に嫌だ。何回も確認してくる。実際に調査が始まってから1時間以上も経過している。今、こうしている間にも多分、屍の数は増えているだろう。こんなことするくらいならパトロールでもした方が100倍、1000倍マシだと彩那は思った。しかし、そんな願いは叶わず、調査はさらに続くことになるのだった。





大阪市、山奥の倉庫


土曜日と言うこともあって倉庫は賑わっていた。不良達で。酎ハイなどが地面に転がり、さらにタバコ、麻薬の類まである。シンナーを吸ってハイになりはしゃぎまくる。もう抑制はとっくに取れている。今、裸になれと言われてもなれる勢いである。現に、狂った男女はキスも繰り返しているのだ。


これはまだ数人の集団だが後に世界の大集団となる。そう、いじめを受けていた人たちの集まりなのである。彼らは、辛さから逃れるために麻薬、その他の犯罪行為に走った。その先が暗闇に続いていることは知っている。しかし、どうしても現実から逃げたかった。辛く、苦しい現実から。


しかし、やはり先は地獄だった。麻薬を始めたのはグループのリーダー格、水野奈実(みずのなみ)だった。彼女は一番早く麻薬に辿り着いたために今、一番苦しんでいる。



『水……水をくれ……』


さっきから麻薬を吸ってはこんなことばかり言っている。心配して相川健司が声をかけた。



『ナミ、大丈夫か?』



それに乗るように加々井夏希も声をかける。



『ナミ、最近麻薬やりすぎだよ……』



しかし、ナミは既に麻薬に染まっていた。



『うるせぇよ!別に心配なんていらねぇんだよ!いるのは水だ!』



これには誰もが動きを止めた。そして、まだ止められるナミ以外の彼らは麻薬は止めようと決意したのだった……


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