第十八話 遂に3
係員の女性が扉を開けると巨大なタンクが目の前にでかでかと現れた。激しい爆発音が聞こえ、耳が痛い。慎太郎は女性を引っ張って中へと入る。
『おい、お前、オレのバッグからペットボトルとライターを出せ。指示以外の行動をとったらすぐにこいつを殺す』
女性の首にナイフは触れていた。殺そうと思えばいつでも殺せるだろう。女性は従うしかなかった。バッグの中からペットボトルとライターを出した。
『よし、あと2分でこの飛行機はビルへと突っ込む。ペットボトルの蓋を取れ。』
キュキュっと鳴って蓋が開いた。
『よし、ライターに火を着けろ。』
これには女性はためらった。しかし、慎太郎は一瞬の迷いを許さない。
女性の悲鳴が上がった。慎太郎が女性の綺麗な腕を切り裂いたのだ。血がポタポタと落ちる。
『わ、分かりました。やります!だから女性には手を出さないで下さい。』
残り時間が1分を切った。高度は70メートル。
『これで、終わりだ!』
女性がライターに火を着けた。その瞬間にペットボトルが大爆発を起こす。辺り一面に火が散った。そしてその火は飛行機のジェット燃料を爆発させた。慎太郎の目に火が映る。
そして慎太郎の記憶はそこで終わった。
『こちら、戦闘機第一号、飛行機がビルに突っ込んだ。至急、都心に消防車を』
『了解、すぐに動く』
東京都の全消防が動いた。消防車の数、632台、消防士の数、2028人
パトカー、485台と警察官が2657人
死者829人
生存者6人
被害総額3700000000円……
過去最大級の事件となった