第十三話 実行
慎太郎が部屋に戻った。
『電話でなに話してたの?聞かれたくないことでもあった?』
と、彩那が聞く。慎太郎は即答した。
『いや、何でもない』
しかし、彩那は食い下がらなかった。
『何でもないことないよ!!!!私に話せないことなの!?何してたの?』
慎太郎に聞いた。慎太郎は冷酷な目を向けた。
『関係ないだろ?それともオレはお前に電話の相手から何まで教えなければいけないのか?』
彩那はゾッとした。
何なの、この目?
慎太郎をこんな風にしたのは誰?
許せない!!!!!!!!!!!!
彩那の中で怒りが泉のように湧いてきた。
『それより早く帰れ。スペアキーは渡すから。』
『えっ?』
やはりさっきとは様子が違う。泊まる気でいたのに…
また家で1人?
慎太郎が気にするなと言ってもやはり迷惑だったのだろう…
彩那はガクリと肩を落とした。
『分かった…』
と、スペアキーを受け取る。そして階段を一気にかけ降りて慎太郎の親にありがとうございますと言うとすぐに出ていってしまった。
『すまない、彩那…許してくれ。彩那の笑顔を見ると気持ちが揺らぐ。計画に支障が出るかもしれない…』
そう呟きながら最後の涙を流したのだった。
時計が3時を回った頃、慎太郎は彩那に最後のメッセージを送った。
オレは今まで彩那と付き合えて本当に幸せだった。しかし、その幸せも今日で最後だ。最初にあった時を覚えているか?桜が舞う中で初めて会ったのを…初デートは公園だったよね…あのベンチに座ってお互い笑ってたのを…彩那はすごく苦しんでいた。助けたら高校になってからいじめられたよ。でも、助けたのを後悔した時は一瞬たりともなかったよ。彩那の笑顔が見られたから。彩那がいてくれたからいじめられても生きられた。だから、次は彩那のために死のう。全国のいじめられている人のために死のう。悲しくなんかはないんだ。彩那が、全国のいじめられている人が笑えるようになるなら。今までありがとう…そしてさようなら
送信…
そしてアナウンサーのアナウンスで、歩き出したのだった…




