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適当ノーベル賞

リケジョのフリーレン

作者: 聖
掲載日:2026/08/11

葬送のフリーレンという漫画が好きなので、その考察をしてみようと思います。優れた(広い意味での)文学というのは虚構を通してかえって現実を鋭く描き出すものですが、フリーレンはまさにそういう作品だと思いますので。


まず、フリーレンは世界観としてはファンタジーの王道、中世ヨーロッパがベースですが。あの世界の魔法はこの世界の科学技術に相当するものとして描かれていると思います。術式の解析によって再現性のある技術を実現する、というのはまさに数学や物理などのそれですね。つまり、フリーレンやフェルンはこの世界でいうところの理系女子だったのだ!


科学というのは論理を厳しく突き詰めて明確な結論を導くという極めて父性的な営みだと思いますが、そういう父性と豊満な体型などによる圧巻の母性が同居しているところがフェルンというキャラクターが特に魅力的になっている理由なんじゃないでしょうか。フリーレンは幼女体型の魔法オタクといった感じで、現実の理系女子の平均像にはこちらの方が近いかもしれませんが。


それと、あの世界には女神の聖典というのがありますね。未解読の暗号を学者たちが長い時間をかけて解読することで僧侶が使う特別で聖なる魔法を発見していく仕組みなんですけど。この世界でもニュートンやエジソンなど科学技術の天才たちが熱心なクリスチャンだったことを考えると、まさに聖書と科学の関係を描き出したものだと言ってもいいんじゃないでしょうか。


ここまでだとまだ科学っぽいノリの魔法使いファンタジーで面白いね、くらいの話なんですけど、さらにもう一つの重要な要素としては、勇者ヒンメルの存在があると思います。そもそも勇者とはなんなんでしょうか。単に戦いに強い英雄というだけなら、戦士や武闘家などでもいいわけですよね。それでは他の職業類型にはない勇者の本質とは、なんなのか。


剣も魔法も使える万能性というのも特徴だと思います。でもそれだけだとまだ弱い感じがする。能力が優れているというだけで、勇者というカリスマ性を発揮できるものなんでしょうか。ここで私が思い浮かべるのは、フリーレンがヒンメルの幻と対峙したとき、ヒンメルが迷わず自分を撃て、と言った場面ですね。つまり、勇者の本質とは、自己犠牲を厭わない精神、これである。


そして、人類史において自己を犠牲にして世界を救った(と言われている)のは誰でしょうか。キリストですね。あの世界のヒンメルとは、この世界のキリストのことだったのだ、というわけですね。そうだとすると、フリーレンの舞台が、勇者が魔王を討伐した後の、静かな世界だというのも意味深な構図に見えてきます。


要するに、葬送のフリーレンというのは、かつて世界を救ったキリストを理系女子が思い出して、再会する物語だったのだ!いやー、これはすごいね。めでたしめでたし。まあほとんどの人にはこじつけにしか思えない解釈でしょうけど、とにかく構造としてはそう読める話だし、少なくとも私にとってはそう読めるから面白い話なんですね。作者が何をどこまで意図してるのかとかは知りませんしどうでもよろしい。


こういう神学的な構造理解によって解像度が上がる解釈って、あたかも数学の問題で適切に補助線を引いてただ一つの正解を導くような快感があるんですよね。まあそういう読み方もあるんだねふーん、くらいに思っていただけたら幸いですね。むふー

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