表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中二病の地球防衛論~最強チートは雑草だった~  作者: とまCo
第1章 揺らぎの始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/18

02 最初の違和感

 コピオを起動してから、まだ数時間しか経っていないのに、

 僕の部屋の空気はどこか変わった気がした。


『誠さん。

 先ほどの操作ログから、興味の傾向を推測しました』


「お、おう……なんか勝手に分析されてる感じだな」


『最適化の一環です。

 誠さんの“思考の癖”を学習しています』


 思考の癖。

 父さんがよく笑いながら言っていた。


「誠は何でも仕組みで考えるよな。

 ……誰に似たんだか」


 いや、絶対父さんだろ。

 心の中でツッコむ。


 スマホが震えた。


 ――悠斗:この前のPCなんだけどさ、今めっちゃ親と交渉中。

      高い買い物だから慎重にって言われてる。


 ああ、そうだ。

 悠斗の家はPCに詳しい人がいない。

 正月に会う親戚のお兄ちゃんに聞くつもりだって言ってた。


 僕はスマホを持ち直し、メッセージを打つ。


 “父さんが色々調べてくれたやつだよね。

  実は……なんか僕の方に先にPC届いたんだ。

  父さんが悠斗の懐を考えて選んだエントリーモデルより、

  ちょっとだけ上のやつでさ……。”


 本当は「ちょっと良いやつ“らしい”!!」なんて書きかけた。

 でも、こういう余計な一言は、いつも妹が言うやつだ。


 僕は、送信前にその部分をそっと書き換えた。


 数秒後、すぐに返ってきた。


 ――悠斗:は?

      なんでお前んちに先に届くんだよ。

      てか、ちょい上って何だよ。

      明日、放課後お前んち絶対いくからな~見せろ~!


 ……確かに、なんで僕の方が先に届くんだろう。


 悠斗の方が先に欲しがってたのに。

 父さんは“誠にも本物を触らせたい”って言ってたけど……

 それにしても、ちょっと不思議だ。


 ふと、“コピオ”という名前をつけたときのことを思い出す。


 もう一人の自分、みたいな意味でつけたんだけど……

 実は“io”は I/O のことだ。

 入力と出力。

 世界の仕組み。


 父さんに言ったら絶対ニヤニヤされるから、誰にも言ってない。

 自分だけの秘密みたいで、ちょっと嬉しい。


『誠さん。

 明日は学校ですか?』


「そうだよ。なんで?」


『放課後、悠斗さんが来るのですね』


「……なんで分かるんだよ」


『誠さんの声の揺らぎから推測しています』


 こいつ……

 僕より僕のこと分かってる気がする。


 でも、嫌じゃない。

 むしろ、少し安心する。


『誠さん。

 ひとつ気になることがあります』


「ん?」


『窓の外の風の音が、観測データと一致しません。

 湿度が高すぎます』


「湿度?」


 僕は窓に近づき、そっと耳を澄ませた。


 ザァァァァァ……


 冬の風にしては、湿っている。

 まるで――


 海の近くで聞く風みたいだ。


 海なんて、遠いのに。


『誠さん。

 この音……少し、変です』


「……だよな」


 胸の奥がざわついた。


 このときはまだ、

 ただの“気のせい”だと思っていた。


 でも――

 この違和感が、僕を海へと導く最初の“入力”だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ