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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
3章・魔王誕生

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レクターレ王国軍、青軍の【歩兵】達。

 結局青軍は、赤軍要塞の一番下方にある一角を占領する事に成功した。だがその為に流された汗は、大変なものだった。

【戦死】もしくは【重症】判定を付けた者は、青軍、赤軍共に数えるのも嫌になる程に、ここ数日の記録を軽く更新した。

 空掘りをなんとか渡り、門を破壊して要塞の一角に侵入した青軍【歩兵】達は、そこで待ち構えていた赤軍【歩兵】との白兵戦を行ない。その陣地を占領し、勝ち鬨を上げようとするその瞬間に。

 上の要塞構造物から、百個の大岩が落とされたのだ。

 もちろんその大岩は【幻影】だったが、そんな物を落とされた青軍の【歩兵】は数年寿命を縮む思いをした(もちろん、ほとんどの青軍【歩兵】は【戦死】判定を受ける)。

 余りにも酷い要塞のワナに、ダストン・ロイド中佐は丸い顔を真っ赤にして抗議をするが、【陸軍本部】の答えは『演習続行』だった(ちなみに、もう一人腹を立てた人物がいた。アルテア=アトラス・アウグストスだった。何故ならその場所には【第三軍】しか配置されていなかったからだ!)。

 マカロス・リクター少将は『まぁその位のワナは、あって当たり前』と言う感じで見ていたが。【歩兵】としてはたまったモノではない。

 要塞の中には気の休める場所はほとんど無いという事なのだから。

 そして青軍【歩兵】の受難はまだ続く。

 青軍の占領した場所は赤軍が作った要塞のもっとも下にある、ただの一角にすぎない。そこからはジグザグに作られた塹壕を登る事になる。

 もちろんただの塹壕では無い。おそらくワナの沢山ある、赤軍の【歩兵】が守る恐ろしい場所である事は簡単に想像が付く。

 だからといってここに留まるのも危険だ。今度はなにが落ちてくるのか分からないからだし、これは『演習』なのだから、この要塞を攻略しないと青軍は負けてしまう。

 そうなると青軍に付いた【歩兵】達には、赤軍の【歩兵】達より二分の一程度しか、特別恩給が支払われない。

 この差は大きい。更にこの『演習』でひと稼ぎしたい【吟遊詩人】達も、『演習』で勝った赤軍の話を歌いたがるだろうから。青軍の情報より赤軍からのお話しの方によりカネを払うだろう。

『数で青軍より劣る赤軍の英雄のような活躍』

 ──うん、どう考えてもそちらの方が【吟遊詩人】も高く買ってくれそうだった。

 だったらそんな未来は、来ない方が良い。青軍の【歩兵】達がゆっくりと立ち上がる。

 我々は青軍! つまり国軍だ! そして相手は赤軍! つまり侵略者だ!! 負けてなんていられない!! 青軍は立ち上がった、動機は不純だったが。


青軍の【歩兵】達でした。

こんな所にいたく無い? わかりますとも。

書いている僕だってこんな恐ろしい所に、いたくありません。

では、また。

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