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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
2章。ローサーク王国王女誘拐事件
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王女誘拐

 ローサーク王国の城でおこなわれていた、ログナールとアーグの『勇者』コンビが成し遂げた。王国の西方で暴れていたドラゴンを退治した偉業を称えるパーティーは、アニシア王女が化粧を直すために自室に戻った直後に起こった破壊音によって、阿鼻叫喚の渦へと変わった。

「何事だ!」国王グレイバル・ローサークの威厳ある言葉によって、パニックはすぐに収まったが。王女付きの衛士がほこりまみれでパーティー会場に飛び込んできて。

「アニシア王女が誘拐されました!」と叫んだ事で辺りはまた、騒然となった。

 国王グレイバル・ローサークと『勇者』ログナールとアーグの三人は、すぐさまアニシア王女の部屋へと走り出す。慌ててつづく衛士達。

 二階にあるアニシア王女の部屋のとびらを蹴破る国王。王女の部屋の窓には大きな穴が開き、その穴の外には、ドレス姿で気を失っている王女を抱きかかえる灰色のローブを着た何者かが空中に浮き、低い声で笑っていた。

「何者か!」国王グレイバルが、王女をさらおうとしているおそらく魔法使いに叫ぶと。

「我が名はアトラス、魔王アトラスである」と灰色のローブを着た何者かが低い声で自らの名前を口にする。

「魔王アトラスじゃと?」後からやって来た低い身長に、長いひげをたくわえた初老の宮廷魔術師のドーグラが叫ぶ。

「貴様が最近、東の古城に住み着いたという悪の魔王か!」

 その言葉に「ククク、そうだとしたらどうする?」そう言って魔王アトラスは楽しそうに宮廷魔術師のドーグラを挑発する。

 ドーグラは怒って指で印を組もうとするが、すぐに断念する。

「だめだ…、今わしが使える呪文では姫様をも傷づけてしまう…」悔しそうにドーグラはそうつぶやく。

「クハハハ、だが安心するが良いアニシア王女はすぐには殺さん。期限は一週間後、次の満月の日まであるのだからな」魔王アトラスはそう言って空高くへと飛んで行く。

 月も出ていない夜空に消える魔王アトラスと、アニシア王女。

 それを見ている事しか出来なかった国王グレイバルは「魔王アトラスだと? ふざけた名前を名乗りおって!!」と、大いに怒り。口ひげを震わせて二人の勇者にむかってこう言った。

「勅命である! 勇者達よ、魔王アトラスを打ち倒してわが娘アニシア王女を救い出せ。報酬は好きなだけくれてやる!!」

 二人の勇者は片膝をつき、こう言った。

「ハハッこの命をかけて、かならずアニシア姫様を救い出して見せましょう!」

 ──こうして『ローサーク王国、王女誘拐事件』は始まった。


 ごめん、我慢できずに投稿してしまいました。

 章の分離が出来るのかがわかりづらくてつい。

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