レクターレ動乱。【騎士達】
【ミリアン軍】側に就いたひとりの【重騎士】が、先端に毒が塗られたランスを捨てた。
それを見ていたほかの【騎士達】も、馬上からランスを放り投げる。そして、腰又は馬の鞍に下げていたサブウェポン。ウォーハンマーやメイス、フレイルなどを利き手で持って、アッガス・マルド少佐率いる【重騎士団】に、拍車で馬の横っ腹を突いて突撃していった。
「オオッ【ミリアン軍】に就いた連中にも、『騎士の誇り』を忘れていない者達が、あれ程残っていたか! だが手加減はせんぞ‼」
アッガス・マルド少佐は胸が熱くなるのを感じながら、ランスを構え直して【ミリアン軍】に突撃して行く。
『よくぞ騎士の道に戻ってくれた。これで心置きなくお前達と『殺し合い』が出来る!』
アッガス・マルドはそう思うと軍馬を更に加速させてゆく。相手は隊列も組めないまでに消耗し疲れているようだったが、それでも数は【ミリアン軍】の方がまさっている。油断したらこちらがやられる!
【アッガス・マルド少佐! 速やかにその場から“逃げろ”!】
その【念話】がレイガス・サロー千人隊長のモノだった事、その瞬間【ミリアン軍】に矢の雨が降りかかるのを見て。慌てて手綱を引いたアッガス・マルドは、一瞬先で待っていた『死』から何とか逃げられた。
軍馬の鼻をかすめかねない前方で、【炎の壁】が吹き上がったからだ!
「な⁉」
一瞬、何が起こったのかわからなかったアッガス・マルドだったが。レイガス・サローの次の【念話】で、とんでもない敵が現れたのを知った。──そしてこう言った。
「そうだった【ミリアン軍】には、『アノ人』も参加していたのを忘れていた…」
その軍馬に乗った【騎兵隊】の手には、おかしなカタチをした杖が握られていた。
百八十セチ・メール(約百八十センチメートル)のその杖には、先端に【魔石】とスピアの穂先のようなナイフが取り付けられており。杖というより、弓の無いクロスボウの様だった。
「【魔法騎士団団長】スラス・コクトー少将ここに参上。訳あって【ミリアン軍】に席を置かせてもらっている身ゆえ、この戦いに参加させてもらう。アッガス・マルド少佐に、レイガス・サロー千人隊長、いざ二人まとめて勝負‼」
そう言ってスラス・コクトー少将は、右手に持った“杖”を高々と空に掲げる。
アッガス・マルド少佐と合流した、レイガス・サロー千人隊長は思う。
『厄介な人物が前線に出て来たなぁ、この人と戦うのは疲れるんだ。──精神的に』
これで大体の『設定持ち』のキャラクターは出せたかな?
しかし、スラス・コクトーは本来ならばもっと落ち着いた人物だったのに。
すっかり変わってしまったモノだ!
さて、どういう順番で書こうかな。
では、次回にお会いしましょう。




