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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
5章・魔王誕生、その二。

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レクターレ動乱。『エセ』

「クククク、ハハハハハ!」

 林の中を笑い声が響く。前? それとも右、いや左か⁇

「お下がりください、ハル・ラムズ様!」

 ハル・ラムズの後ろから、四人の【魔闘士】が現れて。ハル・ラムズを中心にして放射状に回りに武器をむける。


【魔闘士】とは潜在的に何らかの、【魔術的潜在能力】を持った戦士である。彼らは【魔法戦士】程多芸では無いが、ある一つの【魔法的な何か】では【魔法戦士】以上のチカラを発揮出来る〔例えば【炎の潜在特性】を持つ【魔闘士】は、普通の【魔法戦士】では出せない【火力】で武器を【炎で包み】。【筋力増強の潜在特性】を持つ【魔闘士】は、大きな岩さえも素手で砕く〕。


「ハアアアアア!」

 一人の【魔闘士】が、青銅製のバデレールに【オド】を流す。次の瞬間バデレールは【炎】で包まれた!

 ほかの三人も、それぞれが持つ武器や防具。あるいはおのれの体に【チカラ】を流す。

 一人の【魔闘士】が持つスピアの穂先が輝き出して【風】が渦を巻き出す。

 もう一人の【魔闘士】は、青銅のシールドに【オド】を流すとその瞬間。硬い青銅製のシールドがまるで、不定形の生き物のようにグネグネと動き始める。

 そして最後の一人は、この世界に存在する【マナ】を吸い込むと。そのまま強制的に【オド】へと変えて筋力と骨格を強化した。


「【魔闘士】四人だけで俺を探すとは、『命知らず』も甚だしいなハル・ラムズ」

 そう言って男はゆっくりと姿を現す。細長い手足を持つ背の高い、黒いローブを着た男。スターク・ロンの顔には、ニヤニヤとした笑みが張り付いていた。

「こうすればお前の方から出て来ると思っていたのでね、『エセ』【精霊使い】のスターク・ロン」

 ハル・ラムズは『エセ』を強調して、スターク・ロンを挑発する。

 スターク・ロンの顔に一瞬“怒り”の表情が現れるが、ソレはすぐに元のニヤニヤ笑いに変わる。

「そんな挑発には乗らないぜ。俺には『かわいい』こいつらが付いているのだから‼」

 そう言ってスターク・ロンは、黒いローブを破りさった。

 青白い素肌にズボン姿の体には、ベルトで肩から鉄製の管が十六本垂れ下がっていた。

 ハル・ラムズは顔をしかめる。管の中から【精霊】の悲鳴が聞こえたからだ。


おお、狂人キャラクター!

うん、設定通り!

では、次回にお会いしましょう。

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