表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
5章・魔王誕生、その二。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

187/242

レクターレ動乱。越権行為。

『どうする、どうすればいい⁉』

 ダストン・ロイド少将はあきらかに動揺していた。そしてそれは、仕方のない事だった。

【下士官】として過ごし続けた彼には。アッガス・マルド少佐の突進力も、レイガス・サロー千人隊長の持つ発想力も、持ち合わせてなどいない。

 よく言っても平凡な男。悪く言えば、面白みのない人生を送るのが精々な奴だった。

 そんな男が、アッガス・マルドの相手をさせられる。──悪い冗談のような現実だった。


「司令官【槍兵】で、アッガス・マルド少佐の突撃を逸らして【弓兵】で、レイガス・サロー千人隊長を攻撃します、よろしいですか⁉」

【第六偵察中隊指揮官】クック・ハル大佐は、明らかな越権行為で【軍】を動かして。最終確認をダストン・ロイド少将に迫った。


「あ…」

 ダストン・ロイド少将は自分の手から、今までの人生で自分に与えられた【最大の兵力】が。かすめ取られてゆくのを感じたが、だからと言って『代替案』が在る訳でも無く。思わずクック・ハル大佐にうなずいてしまった。


「………よろしく頼む」

 ちから無くそうつぶやいたダストン・ロイドから、【槍兵部隊】と【弓兵部隊】の指揮権を、半ば強引に奪い取ったクック・ハル大佐は。【槍兵部隊隊長】イダム・ウィロー少佐に向かってこう言った。

「ウィロー! そう言う事だ‼ 存分に暴れて来い‼」

 少佐はここぞとばかりに大声で笑うと。クック・ハル大佐にこう言った。

「お任せください、大佐殿! このイダム・ウィロー必ずご期待にお答え致します‼」

 クック・ハル大佐が、まだ伍長の時からの【仕事仲間】であったイダム少佐は。その日にやけた赤茶色の顔に、白い歯を見せて笑うと。【槍兵部隊】全員に聞き間違いの出来ない命令を伝える。

「【全槍兵部隊】突撃せよ‼」

 未だ強力な『興奮剤』で、恐れを知らない【槍兵達】は。両手でスピアを構えて丘の上に突撃していく。

「【弓兵部隊】は丘の上に陣取っている。レイガス・サロー千人隊長率いる【弓騎兵隊】を狙え! 丘の下へは、絶対に降ろすな‼」

【弓兵部隊】は【槍兵部隊】を掩護させる為に存在するが、『野犬とイノシシの共闘』などと言う冗談にもならない事を避けるためには、『軍の分散』は仕方が無い事だった。


”部隊の逐次投入”と、”兵力の分散”は、行ってはいけません。

──でも、この場合は?

では、次回にお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ