レクターレ動乱。あと二日。
──八日後──
「あと二日で食料が無くなる、そう言いう事なのだな?」
パトリック・アース中将は、八人の【参謀官】の回りくどい説明を。たった一行でまとめて見せた。
「……はい。端的な説明に我々、感服しております」
【参謀官】の一人がパトリック・アース中将に、頭を下げる。
「…………そして私のところへ来る、という事は。ミリアン様はまだその事を知らない、と言う訳だな!」
「──いえ、そうでは無いのです……」
【参謀官】の一人が言いにくそうに、物わかりの良い【中将】に伝える。
「……まさか、ミリアン・アウグストス司令官はその事を知りつつ。未だに態度を保留しておいでなのか⁈」
パトリック・アース中将は『信じられない!』と言った顔で、八人の【参謀官達】の顔を見る。
「……【司令官様】には何か“別の事”を、お考えのご様子でして。我々の話をお聞きくださりません」
一人の【参謀官】がそう述べると、後の七人が困ったようにうなずいた。
「わかった、この話は今日の夜にでも私がご説明する!」
パトリック・アース中将の顔には、苦い物でも噛んだような表情が浮かんでいた。
「貴公も私にそのような事を言いたいがために、この席を設けたのですか⁉」
ミリアン・アウグストスの顔には、侮蔑。と、取られてもおかしくない表情が浮かぶ。
「とにかく、我が【ミリアン軍】には後二日でまともな食料が無くなります! これは間違いの無い事実です‼」
そう言ってパトリック・アース中将は、グラスに残っていたワインを飲みほした。
「それは【アルテア軍】にも言えるのではないか?」
ミリアンはワイングラスの縁を右手中指でなぞる。
「……アルテア【第一王位継承者】には【第三軍】が付いております」
ミリアン・アウグストスは、ワイングラスの縁をなぞるのを止めて。パトリック・アースを睨みつける。
「アルテア【第一王位継承者】はもしかしたら、この様な時のために『大した武器を持たない【第三軍】を』作って居たのかもしれません」
「では明日、【アルテア軍】といかに戦うか考えようではないか」
そう言ってミリアン・アウグストスは、ワインをあおった。
わぁ! 20時4分! では、またお会いしましょう。




