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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
5章・魔王誕生、その二。

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レクターレ動乱。あと二日。

 ──八日後──

「あと二日で食料が無くなる、そう言いう事なのだな?」

 パトリック・アース中将は、八人の【参謀官】の回りくどい説明を。たった一行でまとめて見せた。

「……はい。端的な説明に我々、感服しております」

【参謀官】の一人がパトリック・アース中将に、頭を下げる。

「…………そして私のところへ来る、という事は。ミリアン様はまだその事を知らない、と言う訳だな!」

「──いえ、そうでは無いのです……」

【参謀官】の一人が言いにくそうに、物わかりの良い【中将】に伝える。

「……まさか、ミリアン・アウグストス司令官はその事を知りつつ。未だに態度を保留しておいでなのか⁈」

 パトリック・アース中将は『信じられない!』と言った顔で、八人の【参謀官達】の顔を見る。

「……【司令官様】には何か“別の事”を、お考えのご様子でして。我々の話をお聞きくださりません」

一人の【参謀官】がそう述べると、後の七人が困ったようにうなずいた。

「わかった、この話は今日の夜にでも私がご説明する!」

 パトリック・アース中将の顔には、苦い物でも噛んだような表情が浮かんでいた。


「貴公も私にそのような事を言いたいがために、この席を設けたのですか⁉」

 ミリアン・アウグストスの顔には、侮蔑。と、取られてもおかしくない表情が浮かぶ。

「とにかく、我が【ミリアン軍】には後二日でまともな食料が無くなります! これは間違いの無い事実です‼」

 そう言ってパトリック・アース中将は、グラスに残っていたワインを飲みほした。

「それは【アルテア軍】にも言えるのではないか?」

 ミリアンはワイングラスの縁を右手中指でなぞる。

「……アルテア【第一王位継承者】には【第三軍】が付いております」

 ミリアン・アウグストスは、ワイングラスの縁をなぞるのを止めて。パトリック・アースを睨みつける。

「アルテア【第一王位継承者】はもしかしたら、この様な時のために『大した武器を持たない【第三軍】を』作って居たのかもしれません」

「では明日、【アルテア軍】といかに戦うか考えようではないか」

 そう言ってミリアン・アウグストスは、ワインをあおった。


わぁ! 20時4分! では、またお会いしましょう。

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