レクターレ動乱。【第二王位継承者軍】
一方のミリアン・アウグストス【第二王位継承者軍】は、基礎工事のすでに終わっていたかつての【要塞跡】を蘇らせていた。
アルテア・アトラウス・アウグストス曰く『好色な肥ったハゲ』事、パトリック・アース中将は。
今回も、マカロス・リクター中将との戦いの勝敗は【要塞戦】になる。と、踏んでいて。
マカロス・リクター中将も、そして遺憾ながらアルテア・アトラウスもそれには『同意』であった。
もっとも、パトリック・アース中将が【要塞戦】に固執しているのは。彼が指揮している軍隊の【練度】が、あまりにも低い事にもあった。
【第二王位継承者軍】の構成は。【正規の陸軍兵】二千人、そして【民兵】が一万三千人で構成されていたのだ〔実にミリアン・アウグストス軍の六倍以上が【非正規の民兵】なのだ〕。
「これでどうやってアッガス・マルド少佐や、レイガス・サロー千人隊長と戦えと言うのか⁉」至極もっともな意見だった。
パトリック・アース中将は【城塞戦】が得意なのでは無く、【城塞戦以外】の選択肢が無いので、それをしているのに過ぎない。
そして今回もパトリック・アース中将は【城塞戦】をおこなう。
仕方が無かった、彼ら【民兵達】にいきなり【重騎士】になれ。と命令しても、いきなりアッガス・マルドにはなれないのだから。
急ピッチで建設の進められる【要塞】の中で、彼、スターク・ロンは。自分に与えられた個室の中に、鉄製の四角い箱を運び入れている男性から聞かれた。
「スターク・ロン様この四角い箱や、筒は何なのでしょうか? 鉄で出来ているようですが」純朴そうなその男性は、何の疑いもなくその長い手足を持つ長身の【精霊術師】にそう聞く。
「もちろん私の【魔法のもと】である存在ですよ」そう言ってスターク・ロンは微笑んだ。
その【魔法】と言えば【司祭達】の使う【神聖魔法】位しか知らない、【魔法に疎い】男性は。
「そうなんですかぁ。俺【魔法】の事はさっぱり分からなくって、ロン様はいいなぁ【精霊】に愛されているのですね?」
「勿論です。私ほどの【精霊術師】になれば、【精霊の愛し方】など知っていて当然です」そう言ってスターク・ロンは、白い歯を見せて笑う。
男性は、尊敬の目でスターク・ロンを見る。
『──そうとも、俺ほどの【精霊つかい】ならば【精霊達】がどうすれば『泣き叫ぶ』のか良く知っているとも』スターク・ロンはさわやかな笑顔で明日。どの【精霊】をいたぶろうかを考える、それを考えるだけで彼の心臓は高鳴った。
どうでもいいけど、ミリアン側の人材って『変態ばかり』
ここまでついていないと、ミリアンを応援したくなる!
さぁてと、どうしたものか。
次回、お楽しみに。




