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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
5章・魔王誕生、その二。

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レクターレ動乱。凶。

 城の外周に沿って作られた外堀、この城と都市をつなぐ二本の跳ね橋の内の一つで。【第二王位継承者】黒い髪に青い瞳を持つミリアン・アウグストス、そして彼を掲げた【太陽神ネファーの大司教】ブール・ベル側に就いた。この国の【宮廷魔術師】バン・アーレの弟子の一人、細長い手足を持つスターク・ロンと。

 レクターレ王国の王女にして王子。二つの性を持つプラチナブロンドのストレートヘアと、黄色い瞳を持つ。【第一王位継承者】アルテア・アトラウス・アウグストス、そして国王ロスコー・アウグストスに仕える。スターク・ロンと同じく、【宮廷魔術師】バン・アーレの弟子である。頭髪を剃りあげて額に第三の目を持つハル・ラムズ。


 短い沈黙を破ったのは、ハル・ラムズからだった。

「もう一度言いましょう、貴方は本物の【精霊術師】ではありませんね?」その問いにスターク・ロンは答えず。指輪を三つ中指から引き抜くとこう命令した。

【あの三つ目の出来損ないを八つ裂きにして骨も残さず焼きはらえ】三体に減った【狂った精霊達】は、その命令を叶える事のみにハル・ラムズに向かって、突っ込んで行く。

 スターク・ロンはその光景を見つめて考える。

『ハル・ラムズの盾は両手で支える二つのみ、俺の放った【精霊達】の数は三体。二体は消滅出来たとしても、残りの一体でもあいつは殺せる』スターク・ロンがチラリと、自分の後ろにいる【太陽神ネファー】の信者達を見る。

『俺の後ろで見聞きしていたこいつらは、ハル・ラムズを殺した後で殺せば良い。ここでの話が俺の周りにまで響かない内に』

 三体の【狂った精霊達】がハル・ラムズに襲いかかる! ハル・ラムズは最初に突撃して来た【風の精霊】を、素早いステップでかわすと二体の【火の精霊】に盾を押し当てる。

 その瞬間、明々と燃えていた【二体の火の精霊】が消えてしまった。【火】を維持するには最低でも【燃える物】と【空気】が必要だ。この二つの内一つでも無くなれば、【火】は維持させる事は出来ない。

 スターク・ロンは思う。これで俺の勝ちだ! 今のお前には【風の精霊】を消し去る方法が無い。

 ハル・ラムズが後ろを振り返ると、【風の凶精霊】の顎が目の前に迫っていた。助かる距離では無い──そのはずだった。

【風の凶精霊】が消えた。

 まるでシャボン玉のように音も無く消え去ってしまった。

「私の勝利です」ハル・ラムズはそう言うと、スターク・ロンへ振り返る。

「ハル・ラムズ、貴様、貴様は【凶眼持ち】だったのか!!」

 ハル・ラムズの右目が開かれていた、その瞳はいびつに歪み紋様のようだった。


次回、お楽しみに。

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