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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
5章・魔王誕生、その二。

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レクターレ動乱。王都。

 この夜、王都レクターレは大混乱となっていた。

 普段穏やかな顔をしていた、門番や衛士達が。老若男女上司や部下を問わずに、襲い掛かって来たのだ。

 最初こそ何かの薬物か、【まじない】を疑っていた、襲われている人々だったが。彼らの胸に“黒い布に白いマル”をあしらった。【太陽神ネファー】の信徒が付ける『信者の証』をみつけた人々は、『無差別テロリズム』を疑い。

 普段通りの衛士達によって、行動不能にされた者達が。『ブール・ベル様に栄光あれ』の捨て言葉を残して毒をあおるのを見て、その考えは“確信”に変わった。


 宮殿から城への大通りは阿鼻叫喚と化していた。特に宮殿から城への馬車は、【太陽神ネファー】の信者には。

『あのどれかに王と、妃が乗り込んでいる標的』にしか見えていなかった! だから普段の馬車だけでは無く、荷馬車までその攻撃の的と化していた。


「ひと足早く動いて正解でしたな、王よ」マカロス・リクター中将は、城の中にも存在する大広間で、国王ロスコー・アウグストスとそう会話する。

「だがあれではこの城に、逃げ込めなかった者達が不憫過ぎる」ロスコー・アウグストス王は、アウグストスの中では温和な性格をしており。その為この混乱にこころを痛めていた。

「それでは私が向かいましょう」そう言うのは【宮廷魔術師】バン・アーレの弟子にして、アルテア・アトラウスが【真の使い魔】としてデーモンを創り出して。意気消沈した折に。

「私の【宮廷魔術師】としての後継者はこの者」と推薦した、ハル・ラムズだった。

「お主一人であの混乱を鎮められるのか? ラムズよ」あの後いろいろとあって。いまだ【宮廷魔術師】の座にいる、バン・アーレはそうハル・ラムズに問う。

「お師匠様、私もいつまでも『【宮廷魔術師】の弟子』では、居られません。自分の居場所、この手で手に入れたいのです」両目を閉じて、ひたいに在る第三の目を使うハル・ラムズは、そう言って微笑む。

「それに、あちらには『アノ男』が就いたようですし」そう言うと。混乱の中【火の精霊】や、【風の精霊】が飛びまわっているのを、第三の目でハル・ラムズは視る。

「うむ」バン・アーレも【精霊達の悲鳴】を感じ取って、その丸まったからだを伸ばすように、背中で手を組む。

「では行って来い、お前の雄姿この老いぼれに見せよ」モノクルを光らせ、腹まである長い髭をさすりながら。バン・アーレはハル・ラムズを送り出す。

「ハ、一命にかけても!」ハル・ラムズはそう言って出かけようとするが。

「無駄な人材の消費はあの子に怒られてしまう!」そう言って国王ロスコーは頭を抱えた。


次回、お待ちください。

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