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ヒマな魔王様はヒマが欲しい  作者: さんごく
ネズミとネコ
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インタビュー・ウィズ・…。

「まあ、わたしも最初に『魔王』と名乗れと言われた時は“おとぎ話の魔王”を思い浮かべました。だけどしょうがないと思ったものです、あの時はそれしか方法がありませんでしたから」

 アルテアはちょっと遠い目をしたが、直ぐに明るさを取り戻してこう続けた。

「さて、何から聞きたいですか?」

 “何から聞きたいか”と言われて途方に暮れるのは、トルクゥの方だった。何せ『魔王』が普段何をしているかなんて誰が考えるというのか。『魔王』は”悪“そう信じ込んでいた自分には、『魔王』の普段の生活さえ分からない。──ふむ、では『魔王』の普段の生活から聞いてみるかな。

「普段の生活ですか? そうですねぇまず朝起きて今日の予定を聞いたりして、今日の内に済ませなければならない事を最初に行ないます。普通は書類の整理からですね、あ、食事は取った後ですもちろん、朝の食事を取るそこから初めませんとお昼まで持ちません」

 トルクゥは意表をつかれた、そんな誰でも行う事を『魔王』もしているという事に。『魔王』の普段の生活なんて朝から晩まで一般人には想像もつかない、不可思議な魔法の実験をしているとばかり思っていたからだ。そうアルテアに言うと。

「確かにそういうのも魔術師の一般的なイメージですね。ですがそんな事にうつつを抜かす魔王はすぐに消えてしまうモノです。それに、そのイメージに当てはまるのは魔王ではなく、宮廷魔術師ですね、彼らの生活は魔術を志す者にはまさに極楽です」そうアルテアはウットリとした顔でつぶやく。

「ですがさっきも言った様に、魔術実験に散財する魔王は早々に部下からの反乱に合う物です。魔術師にとっては理想的ですが趣味に没頭して国の事を疎かにする王は、誰からの信用もされません。王という職業は常に部下の手本とならなければならないのです」そうアルテアは顔を引き締めて言う。

 …魔王と言うのも大変ですね。とトルクゥは言うと。

「いえいえ、これが魔王となった…、いえ、全ての王様にとっての役割りですから」そう言ってアルテアは笑う。

「えっと話がそれましたね、書類整理の後はちょっとしたお休みがもらえます。そのまま何もなければお昼ご飯が食べられますが、そんなこと何てまずありません。誰かが何かの騒ぎを起こします、ええ、これは間違いなく。そういう時わたしは裁判官として騒ぎの仲裁をしなければなりません」そうアルテアは言うと両手を“ぐっ”と握りしめる。

「大抵の場合は『衛士』が騒ぎを押さえた後ですが、中には『衛士』では押さえられない、暴れん坊もいます。小さな国ですから大抵の者は軍人も兼ねています、肉屋の店主が腕利きの戦士だったり、野菜売りのおっさんが将軍様だったりするのは当たり前です。そういう事があるため『衛士』では勝てない相手も多いのです」アルテアはため息を付くとこう言った。

「そんな時に呼ばれるのが、魔王様と言う訳です」


これがしたくて今回の話を作ったんです!

さてさてどんな感じに話が続くか、お楽しみに。

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