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極楽推断恋して絶佳(1)

少し歩いてくる

枯れ落ちた葉の上を

音を鳴らしながら歩いた

気がつけば二つ音がした

二つ並んだ自販機の前に

立っていた僕の横を

手を繋いで通り過ぎて行く


あたたかいボタン

誰かが押し込んでいた所為か

落ちて来たつめたいブラックコーヒー

仕方ないから

隣の自販機で

温かいミルクティーを買った

落ち葉がポツリと落ちて

取り出した腕の横を通過した


冷たい風の隙間に

温かいものがあるなら

背中を丸める必要なんか無い

だけど

なかなか見つからない

魔法の空間らしいから

手探りで探して

傷ついていくのだろう

少し歩いてくる


生まれ育った町の中を

靴を鳴らしながら歩いた

気がつけば一つ消えていた

二つ並んだ民家の隣に

立っていたポストが

穴の形だけを残して

埋められていた


四角い穴へと

手紙を押し込んでいた記憶が

ポケットの中に落ちてきた

仕方ないから

片方のポケットで

温かい缶を握り絞めた

雨空がポツリと落ちて

取り出した手の上に座っている


冷たい波の記憶に

温かいものがあるなら

胸を張って生きていけば良い

だけど

なかなか縋れない

現実の空間らしいから

手探りで探して

傷ついていくのだろう

少し歩いてくる




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