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「にしても最近多いよね、野獣退治」


フィオネがポツリとこぼす。


「...確かにな、ここ最近妙に増えたな」

「だよね、僕らはこの周辺しか行ったことないけど他の所も増えてるって言ってたし......」

「でも、前みたいな雑用ばっかりに戻るのはごめんだぜ」


そういえばと考える俺達に嫌そうに続くジンフィードは指を折って数えるように


「どこそこから書類取ってこいだの、倉庫の整理しろだの、広場の掃除をしろだのうんざりだっつーの」

「そりゃ事件のない平和の方がいいだろうけど、俺はそんなもんのために騎士団に入ったんじゃねーし」


と不満をこぼす

心なしか歩く速度の速くなった背中を見て苦笑する

まあ、確かに少々ガサツが目立つこいつには書類の仕事より体を動かす方がいいと思う


「ジンフィードにとっては今の方がいいもんね、この間の報告書適当過ぎてやり直しさせられていたし、それも3回もね」

「う、うせぇーな……あれは、そう、一々細かすぎるんだよ!」

「”倒した”一言で終わらせる方が大雑把過ぎるだろ…」


二人相手に分が悪そうに目をそらすジンフィード

するとそのそらした先に見つけたものにをパッと見開くと


「おら、さっさと報告しに行くぞ」


と駆け足で向かって行ってしまった

どうやら揶揄うのもここまでらしい


俺もフィオネも続くように後を駆けて行く

都市より少し遠いここまで響く鐘の音が聞こえる


空の日は高くこの鐘の音はどうやら昼の鐘のようだ








_____________________________________





ここは"ファグリールの都市"


地の神が多く存在している地区の主要都市だ

"地の地区"と呼ばれるこの地区は地の神達のおかげで自然の恵みが多い

この地区では農業が盛んで各地の農産物が多くある

そんな地の地区の多くの農村物がこの都市に集められる

この都市の"ファグリールの大市場"は集められたたくさんの農産物が売られている

それは有名で他の地区の商人も多く集まりとても賑わっている

都市の中央には大きな教会があり恵みを与えてくれる地の神に祈る場所となっている

教会には大きな鐘楼が隣接して建てられておりその鐘の音は都市全体に響き渡る

先程聞こえた鐘の音がこれだ

その教会から道を挟んで隣に建てられた建物が俺達の向かう場所

"聖天守護騎士団ファグリール支部"だ

騎士団の本部とは別で各地区に支部が建てられている

各支部にある騎士団は各支部ごとにその地区を対応する形でできている

俺達はこのファグリール支部の騎士として日々任務にあたっている





「はい、任務完了ね。報告書も…うん、今回は大丈夫ね」


目の前に座って報告書を確認しているメガネをかけた真面目な印象を受けるこの女性は”シリス”

俺達の先輩だ


「今回は、ってアンタもいうのかよ…」

「せ・ん・ぱ・いって言いなさい。いつもの貴方の行動ゆえよ、少しはカラトやフィオネを見習いなさい」


とジンフィードを小突くとふぅと息をつく彼女

さっき確認した報告書をもう一度眺めるように目を滑らすと


「”野獣”被害ね…」

「そうですね、やっぱり多いんですか?」

「ええ、まだ四半の月も来ていないのに昨年の倍以上よ」


と悩まし気に手を唇に当て考え込む

数秒の思案のあとやがて振り払うように首を振ると厳しい表情へと変えた


「帰ってきて早々で悪いけど、次の任務よ」


と机の端に置かれていた書類を俺達に渡してくる

俺はそれを受け取ると


「”不明の野獣の声”?」


隣から覗き込んでいたフィオネが読み上げる


「その村、”チャオドー”の村っていうんだけど」

「あ、聞いたことある!ここの果物とかがおいしいって!」

「そう、その村であってるわ。そこの村の近くに大きな森があるんだけどそこから今までに聞いたことのない野獣の鳴き声が聞こえてくるらしいの」



書類には他にも書かれていて、とても大きな鳴き声がしていて森に住んでいるはずの他の野獣の姿が無く森が日に日に鬱蒼と感じる。影を見た人がいうにはとても大きく村の近くに潜んでいると思うととても恐ろしく思う。などと書かれていた



「不明で大きい影から野獣のサイズも大きい…新人に任せるには不安だけど、生憎この支部の騎士はほとんどで払っていてあなた達しかいないのよ」

「危険なのはわかってるけど、他の騎士を待っているわけにはいかないの」


真剣な眼差しを向ける先輩

俺は両隣にいるこいつらに視線を向けると同じくこちらを見ていたようで目が合う

大きく頷くと



「「「了解しました!!!」」」


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