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癒しの神と破壊の神

破壊の神の居場所。それは荒れ果てた荒野の中にあった。わたしはごつごつとした岩を避けながら進み、恐らく彼女の家と思われるところにたどり着いた。


その外観はなんといいますか、レンガ造りの家だった。家の屋根は赤色でところ、どころに穴があいており、とても機能的には思えない。


ここは天界と言うところであり、雨が降ってきたり、雪もふる、しまいには槍が降ってきたり、食べものが降ってきたり、なんでもありだ、あれは一体何を守っているのだろうか?


屋根さんかわいそうに、自分の存在意義も果たせないなんて、私は屋根に向かってそっと祈った。


などとしている場合ではない。早く彼女に会わなければ、私はレンガ造りの家の扉をノックした。


「すいません。誰かいますか?」


家の中から、バタバタと音がして扉が開く


「ん、新聞配達の方?内はいりませんよ?」


「違います。私は癒しの神としてあなたにご用があり来ました。新聞配達の神ではありません」


「あ、そうなの?まあ上がりなよ。」



私は内心肩透かしをくらった気持ちになりながら彼女の家に入りました。



なんということでしょう?そこはとてもきれいな部屋でした。机にいす。テレビ、そしてベッドにいたるまでものすごく綺麗に整頓されていました。


「汚い部屋でごめんね。いまお茶だすから」


「いえ、お構いなく、すぐにおいとまするので」

とりあえず近くにあった椅子に彼女の許可をもらってすわり、彼女もベッドに腰かけて座った。


こほん。では本題に移りましょうか


「破壊の神さんあなたにはクレームがたくさん来ています。その数一万件。何か思いあたる事はありますか?」


彼女はくびをかしげながら、考えていた。



「特に思い当たりません。人違いじゃないかな?」


「いえ、それはありません。もう一度よーく思い出してください。あなたの頭では難しいかもしれませんが」


「あれ?私軽くディスられてない?癒しの神ちゃん酷くない?」


「いえ、いえ、そんな事はありません。私は破壊の神さんの事をとても尊敬していますよ」


「本当?いやー照れるな。今度私と一緒にデートする?」


「お断りします。あなたといると魂が汚れます。冗談は夢の中だけでにしてください。あと無駄に顔が可愛くて、無駄にスタイルがいいのが気にいりません。」


「えー。酷いな。癒しちゃん。本当に私の事尊敬してるの?」


「それはともかく、早くあなたの罪を思い返して下さい。私もあなたにかまっているほど暇ではありません。このだめ破壊神が」


「何故か罵倒された!わかったよ。思い返すからちょっと考えさせて、あと150年ぐらい」


てへぺろと彼女は可愛く舌を出して言った。


私ははらわたがにくりがえる思いを我慢しながら言う


「いいですか?あなたは破壊の神といいながら他の神々に迷惑をかけ、あまつこの私。神々の中で最高の神。いえ。トップオブトップの中の癒しの女神と言われる私に迷惑をかけているのですよ?その自覚をして下さい。あなたのような破壊しか脳のない子供みたいな性格を早く直して下さい。一円あげますから、早く天界裁判所に入って下さい。」



「癒しちゃん。自分の評価高過ぎない?それと本当は私の事尊敬してないよね?みじんも?」


「いえ、いえ、そんな事はありませんよ?とてもかわいい虫だと思っています。ペットして飼ってもいいぐらいには尊敬しています。」


「酷いな。なんで癒しちゃんそれで癒しの女神だと自称できるの?今のところ魔王みたいだよ?」


「あなたみたいな馬鹿に私のような一流の女神の魅力がわかるはずがありません。もう一度赤ちゃんから転生しなおしなさい。」


「自分で言うのもなんだけどまだ私の方がましな気がする。私は破壊しかしてないし、」



「黙りなさい。それが駄目なんです。あなた何件破壊してるの?一万件破壊してるのよ?それは神々の方がお怒りになって当然です。私があなたに言いたいのは破壊行動を止めなさい。そして他の神々に謝りなさい。そしてわたしに全力で土下座してあやまり、慰謝料を払って、そして私の時間を無駄にしてすいませんでしたと命乞いしながら謝りなさい。それで話は解決です」


「わぁー。言ってる事は分かるけど絶対に分かりたくない発言だね。わかったよ。謝りに行くよ。みんなに」


「わかればよろしい。それから私の事は癒しちゃんではなく、癒しの女神様と言いなさい。わかりましたか?破壊の神様?」


「呼ばないよ?じゃあ一緒に謝りに言ってくれる?」


彼女は上目遣いに私を見上げてお願いする。


く、顔だけはかわいいな。くそ仕方がないその顔に免じて許す。


「わかったわ。これは私に任された任務だから仕方なく、本当に仕方なく、付き合ってあげる。勘違いしないでよね。プンプン」


「何故?ツンデレに?まあ、ありがとう。あとプンプンはいらないんじゃない?」


私は破壊の神様の手を無理やり掴み歩きだす。


「いや、ちょっと力強いんですけど?あなた本当に癒しの神様なの?」


と言う破壊の神(罪人)をひきずりながら私は彼女の家を出る。


「さあ、ここからが大変よ。色々な神々に謝りながら、私に一生使えるのよ?無論。拒否権はありません。あぁ。これからが楽しみだわ。どうやって楽しみましょうかね。あなたで」


彼女はひきずられながら叫ぶ。


「いやだー。一生は勘弁して、私にはすべてのものを破壊するという任務があるの。お願いだから、この手を放して」


ずりずりとひきずられ泣き声になりながらに彼女は言う。


「絶対にこの手は放しませんわ。あとその泣き声かわいいわね。後でいっぱい聞かせてもらいましょう。うふふ」


いやだー。助けてと彼女が叫ぶ声を聞きながらわたしは他の神々がいる場所に向かうのでした。


めでたし、めでたし。


「いや、これ?そんなにハッピーな終わりじゃないよね?なんなら破壊の神の私の方がかわいい性格してるよね?」


「黙りなさい。私は主人公だから何しても許されるのよ。おわかり?」


「なんだそのメタ発言!あんまりだー」





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