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Report  作者: キスツス
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5. 静寂のハーブ Nymphaea caerulea ブルーロータス

名    :Nymphaea nouchali var caerulea


別称   :Blue Lotus (ブルーロータス)、sacred blue lily(神聖な青き蓮)、frog's pulpit(蛙達の教壇)


作用分類 :鎮静


化合物分類:-


危険度  :Cessabit


●概要


 Nymphaea caerulea(以下Blue Lotus)は東アフリカのナイル川流域に起源をもつと考えられている睡蓮の一種です。最大約10~15cmにもなる甘い香りの大きくて美しい青色の花を咲かせます。Blue Lotusは古代エジプト文明においてその美しい見た目と向精神作用が神聖視されており、宗教的および文化的に重要な役割を果たしてきました。Blue Lotusには精神活性を有する有機化合物がいくつか含有されており、古来より喫煙、お茶、ハーブ酒といった形で広く用いられてきました。その効果は鎮静作用が主であり、軽度の陶酔やリラックス、意識を高めるといった効果が広く報告されています。また、多量の摂取により軽度の催淫効果や幸福感を主張する報告もあります。


●薬理


 Blue Lotusが精神活性(Blue Lotus効果)を発現する機構は完全には解明されていません。現在Blue Lotus効果の中心的な役割を果たしている化合物として以下に示すアルカロイドが考えられています。


Nuciferineヌシフィリン

 Nuciferineはキノリンアルカロイドの一種です。Nuciferineは摂取後体内に急速に吸収され、血液脳関門を通過し中枢神経活性を示します。その詳細はまだ研究段階ですが、人体においてはDopamine受容体に対する部分アゴニストとして機能していると考えられています。Nuciferineは特にDopamine受容体の遮断に関連する独特な機能を有していると考えられており、鎮静や抗不安、リラックスといった効果をもたらします。


Aporphineアポルフィン

 Aporphineはキノリンアルカロイドの一種です。AporphineはDopamine D1/D2受容体のアンタゴニストとして作用すると考えられており、使用者に鎮静等の抗精神効果をもたらすとされています。また、Aporphineは体内でヒドロキシル化されることでApomorphineアポモルフィンへと変化すると考えられています。ApomorphineはAporphineとは異なりDopamine D1/D2受容体のアゴニストとして機能し、催吐や勃起を誘発させる効果を持つと考えられている化合物です。


これらアルカロイドによりDopamine作動系が影響を受けることで、独特なBlue Lotus効果が生じるとされています。


●摂取方法


◆お茶 (Blue Lotus tea)として


Blue Lotusの摂取法としては最も一般的です。


[用意するもの]

・Blue Lotus花弁 (生、乾燥品どちらでも可)

・小さな鍋

・ドリッパー (コーヒー用のものでよい)

・フィルター(コーヒー用のものでよい)

・水

・砂糖、蜂蜜等(好みで)


[オーソドックスな入れ方]

①鍋に水250ml入れ沸騰させます。

②火を止め少し待ちお湯を落ち着かせます。

③Blue Lotus花弁をお湯に入れます。(量の目安は下記参照)

④鍋に蓋をし、ときどきかき混ぜながら20~30分蒸らします。

 この際10分程度ごとに弱火で加熱して冷めないようにしてください。

 なお、加熱の際は沸騰状態にならないように注意してください。

⑤カップにドリッパーとフィルターをセットし内容物を濾別してください。

 なお、この濾別には時間がかかる場合があるのでカップはあらかじめお湯などであっためておくとよいです。

⑥濾別後の溶液に好みで砂糖や蜂蜜を加え完成です。(そのままでも美味しくいただけます。)


●使用量目安(お茶)

・軽度   1.0g~

・中度   3.0g~

・重度   5.0g~

・深度   7.0g~


●効果時間(お茶)

・知覚     20~40 min

・ピーク    1~2 h

・作用時間合計 3~4 h


◆喫煙


Blue Lotusを喫煙で使用する場合、方法は以下の二つあります。


〇乾燥Blue Lotusの喫煙


1)手巻きたばこ用装備一式を用意し手巻きたばことして摂取する。

2)Vaporizerを用いて摂取する。


やり方、使用量は各製品の使用方法に準拠してください。


〇Blue Lotus VAPEリキッドの吸引


Blue LotusのVAPEリキッドを入手し吸引機を用いて摂取する方法です。Blue Lotus VAPEリキッドを自作するか購入する必要があります。


●効果時間(喫煙)

・知覚     即時~5 min

・ピーク    30 min~1 h

・作用時間合計 1~2 h


◆Blue Lotus酒として


[用意するもの]

・Blue Lotus花弁

・ワイン(銘柄、味はお好みで。慣れないうちは甘いワインがよい。)

・果実酒用容器(ガラス製が良)


[Blue Lotus酒の作り方]

①果実酒用容器を洗浄、殺菌します。

②果実酒用容器にBlue Lotus花弁を入れます。

 使用量はワインボトル1本(750ml)につきBlue Lotus花弁10gが目安です。

 使用量は好みで調整してください。

③果実酒用容器にワインを加えます。

④混合物が入っている容器を冷暗所にて静置保管します。

 3時間~6時間程度経てば効果を体験できるようになります。

 最大限に効果を発揮させるためには1週間程度の仕込みが必要です。

 なお、長期間の仕込みをする際は1日1回以上軽く容器を振り内容物を攪拌してください。



●正の知覚的効果

・抗不安

・鎮静

・軽度の陶酔

・軽度の睡眠誘導

・軽度の多幸感

・軽度の性欲亢進


●負の知覚的効果

・頭痛、頭の締め付け感

・軽度の吐き気 (高用量~)


●毒性

 Blue Lotusの毒性について詳細な研究は行われていません。ただし、古代エジプトの時代より使用され続けていることから、常識的な量を常識的な方法で摂取する限り致命的な人体毒性は示さないと考えられています。


●依存性

 Blue Lotusは強い精神依存および身体依存を生じないと考えられています。ただし、Dopamine作動系に影響を与えるため、長期間の慢性的な摂取は軽度~中程度の依存を形成する可能性があります。


●耐性

 Blue Lotusの耐性構築について詳細な研究は報告されていませんが、Dopamine作動性のアルカロイドは高頻度の使用によって徐々に耐性が構築される可能性があります。


●効果終了後、離脱症状

 Blue Lotusは適量の使用なら不快な離脱や後効果は生じないと考えられています。しかし、非常に高用量の摂取後に、落ち着きのなさ、ほてり、緊張等が生じたことが一部ユーザーによって報告されています。


●禁忌

・鎮静作用をもつもの全般

 -効果の相乗、増強により過鎮静のリスクがあります。

・糖尿病薬等の血糖値を下げる薬

 -Blue Lotusの活性アルカロイドの一つであるNuciferineにはinsulinの分泌を促進する効果があることを示唆する研究が報告されています。そのため、Blue Lotusと血糖値を下げる薬の併用は血糖値低下が増強され低血糖に陥る可能性があります。


●その他特筆事項

・Blue Lotusは単体で摂取する限り基本的には安全なハーブです。ですが、アレルギーを持っている人、妊婦、病気の人は予期せぬ副作用の恐れがあるため使用は推奨されません。


[効果レビュー]


実験日時  :20〇〇年×月▲日


レビュー者 :■■ ■■博士 [Aクラス実験協力者] 管理No.A-00874


乾燥Blue Lotus花弁3gを用いて所定の方法でティーカップ1杯のBlue Lotus teaを作成した。


0:50 Blue Lotus teaを摂取。Blue Lotusの粘っこい甘い香りが快い。味はハーブティーらしくややえぐみがあるので蜂蜜を適量入れる。


1:12 効果が出始めた。気分が落ち着き軽い微睡のような感覚。


1:26 軽い陶酔を感じる。


1:34 頭のてっぺんに締め付けのような違和感。ただ不快に感じるほどでもない。


1:35 お気に入りの歌のマイリストをスピーカーから流す。目を閉じると思わず惚ける。時折背中がぞくっとする。それが心地よい。


1:41 酒を飲んでいないのに軽く酔っているようだ。実に不思議な気分。


1:47 なんとなく体が軽い。呼吸が自然とゆっくりになっている。


2:00 陶酔は抜けた。今は心が落ち着いている。ピークを抜けた後に訪れるこの平和の時間がBlue Lotus効果の中で一番好きだったりする。


2:19 ただただ、静かだ。


●入手方法

・Blue Lotusは乾燥ハーブ、濃縮パウダー、チンキなどの形で購入可能です。ただし、信頼できるベンダーから入手するようにしてください。

・Blue Lotusは栽培することが可能です。


●法規制

〇日本

・Blue Lotusは規制されていません。違法ではありません。

〇日本以外

・アメリカ合衆国のルイジアナ州では生産と売買が規制されています。

・ラトビアでは所持と売買が禁止されています。

・ポーランドでは所持と売買が禁止されています。

・ロシアでは違法植物に指定されおり、所持と売買が規制されています。

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