第44話 良いんじゃない?
ここまでお読み下さり有難うございます。
紅白が始まる時間に合わせてみました。
今年も後残り僅かですねぇ...
色々あった一年ですが何とか乗り切れました。
皆様、良いお年をお迎え下さい。
改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。
あくまでもなるべくです。
内容は変えておりません。(21年2月18日)
「晩御飯食べ終わったら早速試してみよ?
(エイレーネ様も神様ですから何とかなりますよね?)」
『(今まで神託とかで人の体は借りた事有ったけど、抜けられないとか魂が融合するとかは無かったから安心して)』
『『『『『
(治神だからといって調子に乗るな(ナ)‼)
』』』』』
『さて、行きますか‼』
これ以上の話合いは無用‼とばかりに分身体エイレーネ様が立ち上がる。
仲悪そうだし仕方無いか...
「皆さん、どうします?」
五姫は来るとして他の人はゆっくり食べたいよね?
まだ、残ってるし...
因みに分身体エイレーネ様は超速で食べ終わってる...
どんだけ海鮮に飢えてたんだろう...
「「「「「
是非ご一緒させて下さい‼
」」」」」
...でしょうね。
泉嬢は一生懸命食べてる。
育ち盛りだからね、きっと。
そのまま食べさせておいてあげよう。
という訳で皆でゾロゾロと外に移動する。
日没後の宵の口。
薄っすら暗くなった道を歩いてるとふと思う。
学校帰りとか友達とかと一緒に帰った記憶が無いなぁ。
いつも妹と一緒に帰ってたな...今頃何してるだろ?
比較的開けた場所となっている門の所で立ち止まる。
皆が立ち止まり、分身体エイレーネ様が一歩出る。
何かドキドキしてきた。
皆の見てる前で初テストって緊張するんだが...
でも、自分と向き合うってのも中々に良いもんだ。
元の世界では自分の分身はドッペルゲンガーとか魂の分離とか言われてて、あまり良いイメージは無いからね。
しかし、イメージが難しいな。
エイレーネ様の魂と融合、同化しない様にしなくちゃいけないし。
この世界に来て無茶振りの激しさを感じる。
ん〜、一つの細胞に二つの核が有る...
そんなイメージか?
そんなの理科の時の細胞分裂前のイメージでしか見た事ないけど...
ん?その方が良いのか?
エイレーネ様も元に戻りやすそうな感じになるよな...
ではいってみますか‼
『分身魂重』
分身体エイレーネ様が神々しくも輝き半透明となって俺の身体と重なっていく。
まさしく光の速さで結合した‼っ凄いぞ‼
しかも、これはっ⁉
知覚能力が向上された⁉
いや、エイレーネ様の能力が使えている⁉
これは...本当に知覚だけ?
『(サトシさん?「だけ」とは結構失礼ですよ?
しょうがないじゃないですか‼
直接干渉してはだめなんですから‼)』
「(あっ、すみません‼
良かった‼エイレーネ様‼
無事ですね?)」
『(凄いわ。
神生何が起こるか分からないものね。
こんな感覚初めて...
私の身体にサトシ様が入ってるみたいな...
寄り添ってる抱きしめられてる様な?
何て言えば良いの?幸福感?
私が幸福感を得られるってどう思う?
おかしいわよね、私は与える方なのよ?
しかも珊瑚を使わなくても王城の身体に戻れそうよ?
割とフレキシブルな感じね)』
エイレーネ様も興奮してるのか、心の声が上擦っている。
良かった。
融合しなくて良かった〜‼
『『『『『
おいっ‼二人の世界に入るな‼
』』』』』
「「「「「
御召物と主に頭部が大変?な事に...
」」」」」
ん?服の事?頭?
おろ?白のロングコートだった筈がローブに変わってる。
フード付いてるな。昔やったゲームの白魔導士っぽいか?
頭は、と。おおぅ?月桂冠が飾られてる...
俺、何人になった?
「皆...俺、顔変わってる?」
「「「「「
金髪になってるだけです...それはそれで有りです
」」」」」
有りなんだ...
「(これ、エイレーネ様の格好ですよね?)」
『(かなり高級化されてますけど、こちらの世界での服装と、本来の姿が混ざってます...)』
つまりは、外見と能力が反映されるのか?
使える神威に変化は有るだろうか?
エイレーネ様とは対極と思われる獄炎を...
出ない...
神威とかどうとかの前に、まず地獄の業火がイメージ出来ない。
これは逆に凄いことだ。
一昨日の晩御飯何食べた?と聞かれてなかなか思い出せないあの感覚に似てる。
水は?
人差し指を立てて、その先に水流の渦巻を発生させる。
大きさのコントロールが格段に上手くなってる。
氷は?
サッと渦巻を消し、人差し指の太さの氷を海面まで。
これもオッケーだ。
水の中で火は危ないけどどうだろう?
門からかなり遠くで火を発生させるイメージ。
小さく小さく。
ボムッと爆ぜる。
やっぱり、制御がしやすい。
じゃあ、聖光は?
そのまま、真上に...おぉ、光量と強度が上がった感じだ。
豆電球からLEDに光源を変えた、そんな感じか...
『おおぅっ‼その大きさでも妾にはキツいぞ?』
『キィーッ‼、それは私の役目よ‼』
「あっ‼ゴメン‼」
慌てて、聖光を消す。
...これが、神様の力か。
悪魔には致命傷になるんじゃないだろうか?
『(いや、それはサトシさんだからですよ?
どうやら、聖属性の神威は増幅、他は緻密な制御といった感じですね。
省エネにはなるんじゃないかしら?)』
「(エイレーネ様は何か特別な事してます?)」
『(全然何もしてないし、今は揺蕩う感じでとても気持良いわ。
海の中を力を抜いて漂っている感じ。
何も考えずに身を任せてる。
あぁ、安心感が半端ないわ。
ずっとこうしてたい...)』
『『『『『こらっ(ッ)‼』』』』』
神威が空気を吸う様に当り前にできる事と感じれる。
コンピューターに例えるならシングルコアからダブルコアにして特定のタスクの演算能力を上げた感じか?
その分、効率を落とすとか実行不可のタスクが有る、と。
『(もしもし?エイレーネさん?)』
あっ...
『(あら?アリエルさん?ごきげんよう。
声音が少し硬い様な気がするのですが?)』
『(それはそうでしょうね...
今の現状を慮れば...ね。
治神としてその行動はよろしくないのでは?)』
これまで聞いたことの無いような、ものすっごい怖い声だ...
魂の操作って何かの制約が有ったとか?
『(いえいえ、制約はないですし、世界に対して直接的な介入ができないだけで今回はセーフかと)』
うん、普通に心の中の会話な...
『(セーフな訳ないでしょう‼
貴女とサトシさんが協力関係になっているのよ?
既に直接的な関与と見做されても仕方ない事よ?
しかも問題はそこではないのではなくて?)』
『『『『『
(もっと言ってやれ(レ)‼)
』』』』』
『(召喚された龍神様ならともかく、貴方は不味いでしょう?
しかも計画的と思われる所が更に悪印象よ?
そこの世界の身体だって、他人の身体を借りてるんでしょう?
緊急事態でもない今、貴女のしている事が許されるとしたら、他の神も殺到するわよ?)』
最後サラッと恐ろしい事言いませんでしたか?
『『『『『
(そうだそうだ‼)
』』』』』
いや、俺の頭の中で喧嘩しないで下さい...
『(そうよ。喧嘩は駄目よ。平和的にね。
神が神の魂を迎え入れる...
その気持ち良さの伝導師に私はなるの...)』
なんかトンデモナイこと言ってる...
『(あなた...その世界の治神でしょう?)』
『(サトシさんに代わって頂く方法も有るのでは?)』
何故にソウナル?
『(貴方っていう人は...お母様が見たら嘆かれるわよ?
今はサトシさんの優しさに触れるのは百歩譲って良しとして、後がトンデモナイ事になるわよ?
)』
『(はぁ、分かりました。
でも後もう少しだけ居させて下さい。
この世界異変の諸悪の根源が一つ解消されると思いますので)』
『(その様ですね...
それまでは目を瞑りましょう。
くれぐれも、事が済んだら離れるのよ?
忙しくなりそうだから、今回はここまでにしておくわ)』
ん?凄く意味深な終わり方をした様な...
『(もしも〜し、ヒジリさん?
お取り込み中の様ですが、聞こえますか〜?)』
俺の頭の中は何人まで話ができるんだろう...
「(はいはい、聞こえますよ〜、死神様)」
『(アンデッド化の原因、捕まえました。
これから尋問しますが、見に来ますか?)』
さっきの話はこれか...
「じゃあ、これから伺います」
エイレーネ様の能力って凄いな。
話しながら相手の位置が分かる。
...あぁ、治神だった。
『最後の酷くありません?』
「で、やっぱり皆で行くよね?少し危ないかもだけど?」
『『『『『
二人だけは駄目っ(ッ)‼
』』』』』
「「「「「
私達もお供させて下さいっ‼
」」」」」
そんなに必死にならなくても良いと思うんだ...
仕方無い、皆で行きますか...
皆を引き連れて死神様の所に転移する。
知覚に優れたエイレーネ様って凄いな。
「死神様、お疲れ様です」
『おっ、ヒジリさん?モテモテだねぇ。羨ますぃ〜‼』
「最初の挨拶がそれですか...」
見れば、彼女の前には彼女と同じ様なローブを着た人?が変な鎖で縛られて座らされている。
何か凄い禍々しい鎖なんですけど?
『罪人を縛り上げる地獄の鎖、罪過縛鎖。
罪状が重い程魂を締め上げ、絞り切る鎖。
高次元体でも有効な鎖で逸品ですよ。
能力も使えない様にしちゃいますから』
だから、凄い食い込んでるのか...
逆に罪が無かったら縛られないっぽいね。
今後の戦いに使えそうだな...
それは、さておき...
「この人、死神ですよね?」
『残念ながら。
おいコラ、もうダンマリは通用しないと思え。
この人は私程優しくないぞ?
同族の好みなんて無いからな』
俺は優しいつもりなんだが...
でも、まぁ話してもらわなきゃ何も分からないしね?
脅しのつもりで両手に聖光を纏う。
やっぱり聖光の扱いが上手くなってるな。
俺の両手を見やり、観念したかの様に苦しげに話し出す。
『俺は、ここの世界を担当していた死神。
あれは、調度一年位前か...』
やっぱりその時期か...
『悪魔の使いがやってきて、ある方が俺と話がしたいと言ってきたんだ。
悪魔となんて、と最初は断っていたんだが...
あまりに何回も訪ねてくるので話だけ聞いてみようと...』
どこの世界にでも三顧の礼とかあるんだな...
『そこで会ったのは...』
そこまで言い終わった瞬間、首が切断され彼の足元に転がる。
数瞬後、彼の身体が掻き消え、ドサッと捕らえていた形そのままに鎖が落ちる。
はぁ?慌てて死神さんを見る。
『魂の誓約...正体をバラそうとすると死ぬ特化型?
魂も回収されてますね...
確かに、高位でもない死神なら可能ですがね...
私が見破れない程巧妙とは...
同族だからと目が曇ったか...
いや、こいつ自身にも気付かせていなかった事からするとかなり上位の悪魔が絡んでるな
死神の魂を掠めとるとか、どうしてこうも喧嘩売る奴が多いのか...』
「罠が張ってあったんですね...
今もこちらを伺っている悪魔のボスなら納得ですか?」
『やはり、見えてましたか。
サトシさん、やっぱりやりますねぇ。
素質バッチリですよ。
と、はい、納得ですね』
「んじゃ、そっちから聞いてみますか?」
『そうしたいのはやまやまなんですがね...
この世界でこの格好だと奴には少し力不足で相手するには厳しい感じで...』
「そんなそんな、ここまでやって貰ったんですから感謝感激雨霰ですよ‼
ほら、ここに良い道具もある事ですし、悪魔ならこれで捕まえられるでしょ?」
『(あぁっ‼駄目‼...)』
何気にずっしり重い鎖を持つ。
ジャラジャラッて音がしない...
物って感じがしない。凄いなコレ。
そこに在る、断罪する概念で創られた?
ん?エイレーネ様何か言った?
『(いえ、何でもありません...)』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あっぶな‼何考えてるの、あの子は‼
ついこの間まで人間だったのよ‼
罪を犯してない訳ないでしょう‼
黒龍から呼び出された死神が行ってなかったら、私でもノーマークよ‼
人間の時の罪は「神の判断」とかって言い逃れできないんだから‼』
『しかし、宜しかったので?
地獄に永住するか、一部の上級職務資格者にしか許されてない特権能力ですが...』
『...まぁ、良いんじゃない?
どうせいつかは自分で創って覚えちゃうでしょ...』
ヒジリさん、フットワークが本当に良いですよねぇ...
しかも怖いもの知らずですし。
見習える所は見習いたいです...




