第4話 さて、入りましょうか?
お読み下さりありがとうございます。
改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。
あくまでもなるべくです。
内容は変えておりません。(21年1月26日)
(ほえ!?それは、ちょっとまずいんじゃあ?)
自慢じゃないが、1LDK、トイレ風呂付きの至ってベーシックな間取りだよ?
独り暮らし用だよ?
『このサイズですから全然平気ですわよ?』
あっ...そっかぁ...納得。
...良いのか?良いんだろう、きっと。
ドアを閉めたところで、部屋のスイッチに手を伸ばそうとする。
『部屋の電気を点けますか?』
...まぁ、暗がりではよく見えないしねぇ。
...待てよ。
...普通じゃない選択をしたらどうなるんだろう?
いや、ここは奇を衒わずいくべきか?
「やっぱり、点けるよね...」
言い終わると同時に部屋という部屋の照明が灯る...
スイッチ入れてないのにさ...
(スイッチの音がしないと言う事は念力でスイッチ操作...
とかじゃない?)
『はい、雷系統の能力の応用となりますわ』
て、ことは?
外に有る電力量計を確認。
メーターが全く回っていない‼
家電製品の待機電力とかも無しなの?
「雷って確かに電流流すけど、絶えず点けていられるの?」
『そこは聖さんの神力が尽きる迄ですわ』
おっと、新しいワードが出てきた..
「神力が尽きると?」
『昏倒して寝込んでしまいますわね』
(急いで解除しなきゃっ‼)
『ご安心を。
この程度で聖さんが倒れる事はありませんわ』
それは一安心...なのか?
神力が何なのか訊ねてみる。
『分かりやすい言葉にすると魔力の上位存在となりますね。
魔力は凡庸な存在に対して宿るのに対し、神力は特殊な存在にしか宿りませんわ』
...分かった様な分からない様な。
...魔力を宿す凡庸な存在は凡庸と表現して良いのか?
...ともかく部屋に入ろう...
ご近所さんに玄関先で独り言言ってると噂されても嫌だし...
にしても、全部電気点くとか...落ち着かないよねぇ...
『範囲調整をしますか?』
...うん、取り敢えずはキッチンとリビングだけで良いよね...
おっ、キッチンとリビングだけになった...
『空間認識の能力が向上しましたわ』
...範囲指定みたいなモノなんだろうか?
...ゲームで言うところのフレンドリーファイヤーを無くす〜みたいな?
思っただけで範囲指定ってのも凄いな...
うん、大分慣れてきた...
キッチン上の照明を見つつ、リビングへ向かう。
4人が座れるサイズの食卓にレジ袋を出し、中身をガサゴソ物色し、弁当とチョコを取り出す。
ん?弁当がまだ温かい?
いや、温めてもらった直後の様な感じがする...
『次元収納内は時間概念が無いので状態はそのまま維持されますわ』
...はい、冷蔵庫も要らなくなりました。
...牛乳も腐らないって便利だよね?
「それじゃ、晩ご飯食べましょ」
『ハイ』
嬉しそうにチョコを手に取るティアさん。
板チョコが巨大だ。
サイズ的には俺がベッドをかじる感じか〜。
想像してると可愛くてニヤけてくる。
『あら、大きくもなれましてよ』
言い終わると、光の粒がティアさんに集まっていき...
向かいの椅子には大人の女性が座っていた...
ほわ?!...
声にならない驚きを今日は何度したことか...
惚けてじっと見つめてしまった...
綺麗な蝶の羽は見えない様になっており、輝く緑のドレスを身に纏う。
流れるような金髪が腰元まで真っ直ぐ伸びており、碧い瞳に整った顔立ち。
多分、黄金比...小さい時は目立たなかったが...女性としての膨らみも過分にある...凶器攻撃は反則です...嬉しいけども...
『お気に召しましたか?
人化してみましたわ。
今の姿は普通の人にも見えますから、必要が有ればこの姿で補佐する事となりますわ』
(金髪、碧眼は目立ちすぎますねぇ...
それ以前に美人だからどっちにしても目立つのか...
こうやって向かい合って食事するのはあの時以来かな?
落ち着かない、緊張する...
どうなってるオレの顔?)
『フフッ、私をよく見てくださいまし』
...誤解をしちゃう様な表現は控えてください...
ティアさんを見つめてみると...ん?妖精の時の姿がダブって見える?
『存在看破が解放されましたわ。
これで、変身している存在、憑依している存在の本当の姿を把握できますわ』
...今度はエクソシスト路線ですか。
...四肢が変な方向に折れ曲がって四足でケタケタ笑いながら向かってくる光景が...
ゴメンナサイ、そういうの苦手です...
頭の中に浮かぶ映像を掻き消し、
「タ、タベマショッ‼」
温かい弁当をがっつく様に食べる。本当に苦手なんですよ...
『そうですわね、その内に...』
わ〜、その先は聞きたくありませんっ!!!!
パキッと音が鳴って、ハッと顔を上げると小割りにしたチョコを上品に口に運んでいる。
綺麗すぎる...再び、弁当だけを見る様にしてかき込む様に食べる。
味がよく分からん‼
弁当を早々に食べ終わって、ホッと一息つく。
夕方以降、緊張しっぱなしで変な汗をかいてる気が...
汗臭さは無いけど...風呂入れてこよ...
「ごちそうさまでした。お風呂入れてくるよ」
チョコを食べ終わってるのを見て席を立つ。
『ご馳走様でした。お供しますわ』
...お供が要る程の事でも
...と、思いつつ風呂場へ向かう。
風呂場の照明は消えているものの、照明を点けようと思った途端、明るくなる。
...普通は恐怖したくなる、そんな状況だわ〜...
風呂場は給湯器で自動でお湯が出てくるタイプだ。
給湯ボタンを押せばお湯が出てくる。
ボタンを押そうとすると...
『水を入れますか?』
...やっぱり?...
「入れるよ」
と答えると同時に風呂にはいつもの水位まで水が入ってる。
水に手を入れてみると、普通に水だ。
水につけた手の匂いを嗅いでみるが、やっぱり水だ。
『水元素の能力ですわ。
空間認識の能力と相まって思った通りの効果範囲となっていますわね』
...何処から出てきたとか聞いてみたいのだが。
...まぁ、今更か...
『温めますか?』
「うん、そうする」
手を入れてみると...風呂温度だわぁ。
200リットル程度の水を20℃温度を上げるのに必要な熱量は?
なんて計算もしたくなってくる。
『これは火元素ですわ』
...火は出てないけど、火なんだろうなぁ。
...それにしても、説明が簡単になってきたなぁ
...分子運動での加熱は有るのかなぁ?
レンジみたいに...
『有りますけど、それは追々』
あるのか〜いっ‼
何でも有りだな...
にしても、風呂水入れるのも一瞬ですか...
とうとう水道代と光熱費も要らなくなったよ...
お金を使わない無人島生活でもトップだな...
『魔力で同じ事をしようとすると、慣れない内は疲れきって大変ですのよ?
聖さんならではです』
有ったら良いなを形にしました...
何処かで聞いたフレーズが浮かんでくるようだ...
『まだ、生活レベルの解放ではありますけどね。
強度を上げるのは、聖さんの意志で決まりますわ』
何か怖い事を言ってる気が?
「...限度は?」
『...この世界の常識レベルには留まらない、とだけ』
...常識をもって生きていく事を誓います...
...さて、風呂に入りますか...
「ティアさんも入るのかな?」
『はい、ご一緒に』
・
・
・
いや、妖精さんも風呂に入る習慣が有るのか聞こうとしただけなんですが...
俺の勘違いか?
「えっと、もう一度...
お風呂に入る習慣とかあって、このお風呂に入ります?」
『はい、ご一緒に』
...聞き間違いではなかった。
一言一句変わらなかったよ...
「一緒に入る事に意味がある?」
『とても』
...少々顔を赤らめてらっしゃる気も。
有るのか⁉
補佐的な要因が風呂に入ってる最中に有るのか⁉
...男なら、男ならっ、夢見るシチュエーションでは有るけどもっ‼
「一人で入った方が寛げるとか有りません?
狭いですし」
何かの間違いではないかと再度確認。
これ、重要だ。
『広さは何も問題有りませんよ?
空間操作しますか?』
平静を装っていたが、内心バクバクものだった所にまたしても...
「ハイ」
広さは2平方メートル有れば良い方だっんだが...
答えた瞬間...広さは温泉並に...10倍は拡がったか?
どうなってる?
自分の体が小さくなった?
それにしてはドアや風呂の高さは同じだ。
試しに風呂場を出てみる。
外は普通の広さだ。
風呂が広くなった事でリビングが狭くなったとかキッチンが無くなったとかそんな事は無い。
どうなってる?
『空間操作により、範囲指定した空間のみを自在に操れますの』
(これは、凄いことなんじゃあ?)
『この世界の常識から比べるとそうなりますわね』
...もう何も言うまい...
風呂を見るとお湯は有るか無いか程度の水位に。
なる程、空間だけ広げた訳ですね。
お湯を張ってみよう。
肩が浸かる位の高さまでをイメージして水を張る。
今度は水を適温まで上げる...
手を入れると、丁度良い位の温度になってる。
やっぱり覚えた事はすんなり出来るんだなぁ...
ついでにちょっと気になった事をやってみる。
温めるのは火元素と言っていたけど...
試しに手の平に炎をイメージすると...出た...炎。
手の平は熱くない。
炎を消すイメージで消えた...
水をイメージする...
球状の水がユラユラと現れる...
同じ様に水を消すイメージで水球は消えた...
『流石、お見事ですわね』
その時、サングラスを掛けたマジシャンが成功して、名文句を言った後のBGMが聞こえてきた...気がする...
...フロ、ハイリマス、テキオンデスノデ...
『では、ご一緒に』
「水着とか有るなら着てもらえると、とっても有難いんですが...
このままではちょっと...」
純情な方ではないが、女性と一緒に裸で入って平然としていられる程の神経も持ち合わせてはいない。
少々残念ではあるけども...
『有りますわ。
そちらの方が良いならそうしますわね』
ドレスが一瞬で水着に変わる。
水色のベーシックな?ビキニタイプ。
ベーシックなのか?一部ベーシックでは無いほどボリュームが有るが、ベーシックとしておこう...
『聖さんにも出来ますわよ?』
ん?出来るのか?
えっと、水着は確かに持ってるなぁ。
タンスの中に有ったっけ?
頭の中で水着の記憶を辿っていると、何段目の何処に有るのかがイメージされていく。
ひょっとして...
服を次元収納に入れつつ、水着を着るイメージをしてみると...
出来た...一瞬にして着替えられた‼
...どうして?
『感知範囲内であれば、空間認識による探査と異次元操作を介して物質転移が可能となりますの。
知覚と操作の多重行使ですわ』
感知範囲は20メートルから30メートル程。
あれ?リモコン何処やった?なんて事も無くなるのか...
それは嬉しい。
そういうの多かったんだよね、整理下手で。
そして、女性とお風呂に入るのに真っ裸は流石に無いから安心したよ...
「さて、入りましょうか?」
読み易い改行の仕方とかで四苦八苦しております。




