第39話 良かったわね
ここまでお読み下さり有難うございます。
コロナが過去最大を記録継続していますが、体調には留意して乗り切って行きましょう‼
改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。
あくまでもなるべくです。
内容は変えておりません。(21年2月18日)
「次は何処に行ったら効率的かな?うん、あそこだな‼」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うず高く積もる灰化した悪魔の山。
その山を乗り越えて、飛び交わし尚も大量の悪魔は攻めてくる。
『数が多すぎルー‼押し切られちゃうヨ?格好悪いヨ?』
身体に炎を纏い、敵陣まで転移。
四方八方燃やし尽くし、辺り一面噴火中の活火山の様相。
『うひょォッ‼ノッテキターーーーッ‼』
『こら、地上は妾に任せいっ‼
炎龍がやると大地が焼ける‼
気持ちは分かるがのう‼』
黒竜も近くに転移して来て、四方八方燃やしてル。
どうかと思うな、その炎ハ...
大体、卑怯臭いんだヨ。魂ごと燃やす炎なんてのハ。
しかも、なんか保護者面してるシ。
任されたとか思ってるんじゃなイ?
トンデモナイ‼
私がリードしてやってるんだヨ?
熱量なら絶対に負けないヨ?
それでも量が多すぎル。
若干炎が効きにくい奴も居るシ...
クソっ‼マグマの何が悪イ‼
早くしなきャ、彼、来ちゃうシ...焦るなァ...
『主様が妾の炎を使いよった。
簡単に使える様になるなと言いたいが...
もうすぐ終わるぞ?
我ら二人で攻撃していても効率が上がらん』
『まさか、眷属呼んじゃウ?』
『このペースでは、ここに来るやもしれん...
いや、来ても良いんじゃけど、嬉しいんじゃけど、
でも、来てしもうたら龍神としての面目がな...
神力もヒジリ任せというのはまぁ、今更じゃしな』
確かに黒竜の言う通り格好悪イ...
一応神様だシ...
『仕方無いネ...やろっカ‼』
『眷属召喚...炎龍族』
『眷属召喚...死龍族』
炎に身を包んだ龍族のみを背後に呼んだ。その数五千。
どうダ、多いだロ...っテ。
黒龍の眷属って気持ち悪いナ...
骨の龍はまぁ、何となく分かるし炎で倒せそうだけど、半実態のゴースト龍ってどうヨ?
どう見ても反則だロ?そレ?
そんなの三千も呼びやがっテ...
この世界を死の世界にするつもりカ?
サトシの事言えないじゃン‼
あぁ、自分の炎真似されて気張らないと不味いって思ってル?
『さあ、殲滅ダ(じゃ)‼』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遠方では漂う悪魔の潰れた大量の死骸。
掻き分けては攻めてくる悪魔。
手前では氷漬けにされた悪魔が後から来た悪魔に砕かれている。
『流石に切りがないです』
『そうね、数だけは揃えてますねぇ』
そう、数だけなんです。
そして主の結界は破られる筈も無い。
ここで、こうして倒していけば何れ終わる。
...我等、龍神がそれで良いのか?
『あら?黒竜?いいえ、違うわね。
ほんと、器用な主様だこと』
『水龍...
我等はこのままここで倒し続けるだけで良いのだろうか?』
先程、思った事を問い掛けてみる。
水龍はどう思っているのか?
『そうね...
これが一番堅実な勝ち方ではあるのだけれど...
主様はあんな性格じゃない?
きっと敵の残量が多い所に転移してくるわよ?
そうなると...』
『やっぱり面白くない?』
『雑魚しかいない相手に時間が掛かっては暫く嫌悪する事になるわね...』
『この状況からするともう一つしか手は無い』
『そうね、賛成するわ。
やりましょう。
黒竜達も動き出すでしょうし』
同意が得られたなら話は早い。
『眷属召喚...氷龍族』
『眷属召喚...水龍族』
結界内右側に氷龍のみを四千。
即応してくれて良かった。
待機してくれてたんだろう。
あまり得意ではないフィールドだが私の名を汚さない様に集まってくれた。
水龍族は結界内左側に集結している。
その数は...一万...
いや、呼び過ぎでしょうに。
結局、神力の負担は主様だし、遠慮ってもの無いのかしら?
あぁ、ここで眷属数アピールしとこうという魂胆ね。
主様はまだ涼しそうな顔してそうだけど。
『では、殲滅で(よ)‼』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結界に群がる悪魔を白光の槍で貫き次々と撃墜していく。
落下途中で上がる白煙と共に塵となって消えていく。
『こいつら、切りがない‼無能の癖に‼』
早く援護に行きたいのに、次から次へと押し寄せてくる。
あっ、何か凄い神力を感じる。
遠目ながらも太陽の様な凄まじい聖光を感じる。
流れ弾?時折飛んでくる聖光が悪魔に当たって消滅していく。
いやいやいやいや、どんだけ出鱈目なのよ‼
ヤバい、ボス戦に入っちゃう‼
焦る気持ちを抑えつつ、絶えず白光の槍を展開し、悪魔目掛けて解き放つ。
その時、ヒジリの所から獄炎の気配を感じる。
『あっ、黒竜に先越された?
ううん、違う。
まさかサトシが使ったの?
聖炎じゃなくて獄炎⁉』
ちょっと待とう...
聖光を発動できるのに、獄炎も発動できる?
おかしくない?
普通に考えて属性真逆よ?
神の加護って言っても限度ってのが有るって‼
確実に邪神や冥界の守護神も何柱か加護、否、加護なんかより重いレベルね。
やっぱり神々の節操無しは気に入らない...
ふんっ、気に入らない‼
サトシが獄炎を使ったのを切っ掛けに他の龍神は眷属召喚して殲滅し始めているのが分かる。
『どうしよう?
出遅れた...多分、ここに来ちゃうよね?』
「お待たせ‼」
来ちゃった...ここに。
『何しに来たの?
サトシの結界のお陰で楽勝だよ?』
サトシの異常さを肌で感じ、ついつい強がってしまう。
いや、まぁ、ほら私も一応は龍神としてプライドが有るし?
サトシの結界って言ってる時点でもう終わってる感が有るけどね...
「皆、二人で攻略して貰ってるけど聖姫と俺は一人ずつだったから、寂しいなって思って」
助けに来たとか言わないんだ...
変な所で優しいわね。
私だけにして欲しいものだわ。
「ところで、皆眷属を召喚してペース上げてるけど、サトシの神力は凄いよね、あれだけの数を喚ばれても平気なんて」
サトシは底無しか?
皆があれだけの数の龍族を召喚できるって事は、それだけの神力を消費してるって事なんですけど?
皆、遠慮も少しは入ってると信じたいけど、黒龍のあの死龍族の数は無いわ。相当焦ってるわね。
水龍の一万は領域効果で氷竜と同じ位の神力で済んでるけど、そんなに呼ばなくても良いじゃん...
にしても、サトシは戦いの最中なのに緊張感無いな...
絶対の自信?
確かにこの結界は凄いけど...
結界能力の高い神はバックにいる事は確定として...
まさか?戦の神?天使?も?
これだけの規模の戦いを前に嬉々として対処できているのだから、それも当然か。
『サトシ...ところであの結界、悪魔が触ったら浄化する的なのに出来なかったの?』
ここは聖属性推しでいこう。
私の属性に寄せ。
「えっ?そんなのできるの?」
...マジっすか。
神威覚えて幾日しか経ってないんだから仕方無いと言えば仕方無いけど。
ここ迄の事が出来てるなら、普通出来るでしょうに。
『結界のイメージがね。
防御、閉鎖、隔壁、そんなイメージに偏りすぎてるのよ。
例えばこんな感じに張れば、どうなるかっていうと...』
ヒジリが作った結界の外側にもう一つ結界を張る。
当然狭い範囲ね。
神力を使い過ぎるとバテちゃうから。
まぁ、バテてもサトシから貰えるけど。
私が張った結界に触った悪魔は光に包まれて白煙を上げてボロボロと崩れていく。
悪魔がぶつかっても結界は解けてないし、次に触った悪魔も同じ様に崩れていく。
その次も、またその次も。
『これが、聖属性の結界って奴。
神力から聖属性の神気に変えて攻撃するでしょ?
それを結界にするだけね。神気量、範囲によってその威力、神威が変わるけどね。
但し、保持するのに絶えず聖属性の神気が必要とされて、結界が弱まっちゃう。
だから、神力を使って聖属性の神気を維持していかないと...』
バリンッ‼
当然、私の張った結界だけが壊されてサトシの結界だけが残る。
『どう?やってみる?』
何かちょっと師匠チックな事が出来て嬉しいかな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「凄っ‼凄すぎるよ‼
今まで、何々を通す、通さないとか、何々に耐えられるとか、壁と扉的なイメージしかして来なかった。
そのイメージが強くて、属性なんて全然考えてなかったよ。
例えば、聖属性の結界張ってさ。小夜姫とか死神様が触ったらどうなるの?」
『強度にもよりますけど、サトシなら間違いなく療養所送りになりますわね...』
口調が変わった...
かなりの確率でそうなっちゃうんだ...
そして、神様が行く病院みたいな所って有るんだ...
っていうか、それだったら...
「駄目じゃん‼」
『だから結界は見境なく張る物じゃないのよ?』
むぅ、ドンドン駄目出しされる。
でも、狭い範囲で手応えを感じてみるのも有りかな。
例えば、群がっているあそことか。
試しに聖属性の結界をイメージして張ってみる。
聖光の攻撃が出来るんだから結界も何とかなるよね?
10m角位の大きさをイメージして...やぁっ‼
おぉっ‼蒸発する様に悪魔が次々に消えていく‼
あっ、アニメとか漫画ではこういう絵面よく有るわ。
後、触って苦しむとか。黒焦げになるとか...
バリエーション一杯ある筈なんだけど、消えていくだけだな...
やり方は何となく分かった気がするけど、火属性とどう違うんだ?
今度はその横に火属性結界を張ってみよう。
これも蒸発する様に悪魔が次々に消えていく...
なるほど...違いが分からん...
効果の違いが分からないから、その横に氷属性の結界を張ってみよう。
触った悪魔が瞬間冷凍され、それに触った悪魔も瞬間冷凍され、次々と凍って悪魔の冷凍層が出来る...
何か本で見た地獄の最下層っていうイメージに見えてきた。
四種類の結界、上手く使いこなせているんだろう...多分。
『待たんかいっ‼』
「ん?聖姫?どうしたの?」
『どうしたもこうしたもあるかいな‼
貼っ付けタイプと考えればまぁ出来なくもないさ‼
あぁ‼出来なくもないっ‼』
ちょっと興奮気味で怖い‼
...キャラも崩壊してるよ?
『しかしだな、おかし過ぎる‼
何で三属性別々の領域を張れる⁉
そこは同一領域に三属性付与だろう⁉
常識的に‼いや、それも出来たら凄いんだけどな⁉
ヒジリは埒外で?どれだけ神力コスト上げても目眩もしない、もう何かヒジリが神界なんじゃね?的な事にも目を瞑ろう‼』
褒められてるのか貶されているのか、よく分からなくってきた...
『しかし、三属性別々の領域を張るのだけはおかし過ぎる‼』
「ん〜?
その辺りの仕組みがよく分かってないから教えて?」
『良かろう‼
サトシも色々な属性の神威を同時に放出する事は出来るな。
そこで問題‼その時、神気の状態はどうだ?』
「例えば、クラーケン?と戦った時は聖光と炎をイメージして聖光弾を作り出したから?
熱を持った聖光弾になった、みたいな?...」
『その聖光弾、聖光のみと熱のみに別れたか?』
「ならなかったね...」
『薄っすら、言いたい事が分かってきたか?』
「何となくは...」
『悪魔が次々瞬間消滅していくあの結界で、神気が消耗して壊れる事もない。
強大な神威を保ったまま。
四属性でどれも破壊される様子もない』
「それは良い事では?」
『それは良い事なんだけど‼
良い事なんだけどね‼』
「つまり?」
『今有る結界の数を数えると、五張り。
街単位で張ってる奴は二つ共無属性だから一纏めにできたとしても、四張りとなるわ...』
あっ、落ち着いてきた...
『簡単に神威のイメージを教えるわね。
神力を粘土。
神気は粘土を着色、加工した粘土だと思って。
加工される場所ではサトシのイメージを元に粘土を捏ねて形を作っているの。
色んな属性をイメージしても粘土は一つ。
粘土の大きさは使う神力の量。
加工された粘土を外に出した物が神威...』
「とすると?
別々の領域に同時に別々の神気を送れる筈が無い...
という事?」
『そう、私が見てるから間違いないわ。
この四張りの結界は同時に神威力を維持してる。
本人は無自覚みたいだけど?
同時に別々の粘土を作れるって事になってしまうわね?
手が何本あるのよっていう話と同じよ?』
「俺の中ってどういう仕組みなんだろうね?」
『気になるわね。
因みに次新しい結界張るとしたら?』
「雷。強感電も有りかなって思ってるんだけど?」
『じゃあ、景気良くいってみましょうか‼』
...何か吹っ切れた?
「んじゃ、行くよ‼ほいっ‼」
四つ目の結界が張り終わり、田んぼの田の字の様な異属性結界が出来上がる。
4エリア共になかなか派手な倒しっぷりだった。
氷エリアを除いて、白煙がもうもうと立ち込めている。
その内氷エリアで凍り付いた悪魔が迫り出して他のエリアの結界に触れ、爆発する。
「何か出来てるね...」
『うん、出来てる...
どう表現すれば良いのかしら?
これ例えれば小さい地獄っぽくも見えるわね。
やっぱり貴方の中に神気を練る領域が複数あると考えた方が良いかしら。
そして、その領域は統合する事も分割する事も可能。
当然、神気を解放する領域も同期して複数存在してる。
勿論、二次元的な意味ではなく高次元的な意味で...
これは...遍在?何となく分かってきたわ』
「それって特殊な事?」
『私達、単一事象を司る神からすれば、やっぱ特異な事。
でもサトシは違う。
私達みたいな高次元的な存在の、その複数の加護がある。
神が神を加護ってのもおかしな話だから、サトシにしか出来ない。
しっかり意識しては居ないだろうけど、個々の事象、つまり神の領域をしっかり大切にしている。
それぞれの神を大切に思うからこその変幻自在ってとこかな』
「俺は人間だよ。
特殊な事情が有るだけなんだよ。
その事情を知ってる神様達が応援してくれている。
例え俺がその神様達の事を詳しく知らなくても。
何ができるか分からないけども、期待には応えたいよね」
『そんな性格になったからこその奇跡かな。
良かったわね。
色んな神に愛されて』
今回は戦闘中のレクチャー回でした。
結界に自信があったからこそ出来る事でしょう。
自分もそんな結界が有れば生活楽になるのに...なんて羨ましく思ってみたり。




