第37話 さぁ、皆行こっか
ここまで読んで頂き有難うございます。
GOTOトラベルも一時中止となってしまい閉塞感が漂う年末年始となりそうですが...
そんなのぶっ飛ばす位の内容に変えて更新していきます。
お読み下さりありがとうございます。
改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。
あくまでもなるべくです。
内容は変えておりません。(21年2月18日)
「ヒジリ様‼トリセイレ海国の王妃をお連れしました‼」
「アウリさん。お疲れ様です。
初めまして、ヒジリサトシといいます。大変な状況でしたね...」
「お初にお目に掛かります。
トリセイレ海国の王妃を務めております、イオナと申します。」
「妹のイオニと申します」
「末の妹のイオネと申します」
皆、十二単衣みたいに着重ねている。
でも、名前は横文字なんだ...
しかもイオに拘ってるね...
三人共ピンク色の髪...着物とは合わないなぁ。
いや、皆さん綺麗なんですけどね...
正直、日本人の俺から見れば違和感満載だ...
外国観光客が、京都観光で着物を着てるみたい...
異世界なんだから偏見を持って見ちゃ駄目なんだな...
でもなぁ。
俺の友達(龍神様)達はバッチリ似合ってると思うんだ...
にしてもヤバい...
見分けが付かない。
自己紹介してくれた順に水色、紫色、赤色の着物の色が違うだけに見える。
実は三つ子?
何てちょっと言葉にはできない事を考えていると...
「アウリさんからお話を聞かせて頂きました。
この国の窮状を助けて頂き何とお礼を言ってよいのやら...」
三人共頭を下げる。
その背後では、近くの人から両膝を付いて頭を下げ始める。
やっぱり俺の苦手な展開になるのね...
「頭を上げて下さい。
俺、畏まられるのは苦手ですから。
フレンドリーにワイワイやって貰えると有り難いですね。
皆さぁん‼
これまで食べられなかった分、しっかり食べてくださいよぉ‼」
平伏しきってる人達に叫ぶ。
皆、歓声と共に、再び食べ始めてくれる。
皆が元気になってくれるのが一番だ。
「「「
本当に、本当に有り難うございます...
もう、もう生き残りは私達だけで。
...どうする事も出来ず
」」」
三人共、声が震えている。涙声。
毒の結界に飢餓...さぞ怖かったろう...
詰まらない事だか三人共息ぴったりだ。
「もう、安心して下さい。
ここには、俺と...頼もしい友達が沢山居ますから
ここの結界はどうやって?」
「「「
私達三人の最後の力を振り絞って張った結界でございます。あの毒だけはどうしても防がねばならなかったので...
」」」
細かい事を言うようだが...
話す事を打合せしてきたのか?
まさか本当の三身一体とか?
「間に合って良かったですよ。
では、もう少し強い結界を張り直させて貰いますね」
生き残りはこの人達だけ、という事は戦える人はもう居ない。
という事はこの街を離れた時の安全マージンが欲しい。
ここから、巨大イカと戦った地点よりも広い範囲...
知覚を拡げに拡げまくって、悪魔が居ない事を確認し、海岸はあの入口の街まで...
ジアンスロ神国と同じ結界を。
直径20km程度ドーム状の大規模だけど、あの石も有る事だし、いけるでしょ。
「結界は張り終わり。残りは今後の食糧なんだけど...」
近海の生物はあの毒で全滅してるんだよなぁ...
結界外に出ればまだ大きいのは生きているけど、残っている人達であそこまで行って獲るのは大変そう...
涼姫と目が合う。
彼女なら...
「涼姫、この結界内に生物を増やせられる?
一応無害な生物は入れる様にはしたけど。
なるべく大きくないので、獲るの簡単そうな生物とか海藻やらを増やしたいな」
『それじゃ、大きい魚を使って...
あぁ、ヒジリ様が捌いた魚より当然小さい魚ですわ。
それで、この海域に小魚を追い込みますわ。
魚以外は移動が遅くなりますが、そこは勘弁して下さいな
海草類は成長促進させときますね』
彼女がやってくれるんなら間違いは無いな。
「涼姫って魚とかを使役できるの?」
『軽く脅せば直ぐ動いてくれますよ?』
流石、龍神様だな...
何て言っている内に魚が街の結界の外周を泳ぎ始める。
目的が食糧と少し可愛そうだけど、でも良い眺めだ。
元の世界でスキューバーダイビングをやった時の光景を思い出す。
まさか、異世界でも同じ様な光景が見れるとはなぁ。
ボンベとか無しで...
「これで、当面の食糧も出来たでしょう。
俺の結界が張っている内側なら安全ですから、そこまでなら漁に行く事も出来ますよ」
「「「
あの?結界?魚達が戻って?
」」」
少し、説明不足だったか...
『魚人、感謝しなさい?
この方は、ここより遥か沖合とこの都市の入口となる寂れた村までの広大な領域に結界をお張りになられました』
言い方怖いし硬いよ、涼姫...
今にも取って食うんじゃないか位の怖さだよ...
ほら、三人もフルフルしてるよ?
龍神様って他の人と話す時は何か怖いんだよねぇ...
「で、魚達はこの龍神様こと涼姫が沖合から用意してくれました...ね?」
笑顔で涼姫にアイコンタクト‼
さっきまで死にかけてた人達を威嚇しない様にね...
恥ずかしそうに俺を見詰める涼姫。
他の人達とのギャップが違いすぎるな...
「「「
私達で張っていた結界は魚達も通しません...
私達が出る事さえも...毒を通さない為に
」」」
「俺達は入る事が出来たんですが...」
「「「
それが不思議で不思議で...
」」」
彼女達の不思議より、彼女達が不思議だ...
何故にそこまで息を揃えて話せるのだろう?
この世の不思議を垣間見た。
「でも、もう俺が結界張ったんで、今のは不要ですよ?」
「「「
それが、解除するにも儀式が必要でして...
」」」
結界の張り方にも色々あるみたいだ...
「じゃあ、俺が結界解除しますね」
右手を上げてフィンガースナップ‼
本当は必要無いけど...
やっぱり格好は付けたいじゃない?
結界が解除され、魚も街の中を泳ぎ回る様になる。
魚と共に生活するなんて...
一見人間に見えてもやっぱり魚人だわ...
徐々に水も塩分濃度が高くなっていく気がする。
街の中だからだろうか、息苦しくはない。
塩っぱいけど...
何て思っていると、魚達も魚肉棒に群がる。
ダイビングしてた時の餌付けの光景みたい。
人に見える魚人達と魚達が同じ空間で同じ食べ物食べてる...
ファンタジーだわぁ...
周りの景色に見惚れていると...
「「「
失礼ですが、ヒジリ様はどの様なお方なのでしょう?
」」」
またもやイオナさん、イオニさん、イオネさんが声を合わせて恐る恐る聞いてくる。
わざわざ三人同時に話さなくても...
因みにそれは聞いちゃ駄目な事だと思うんだ。
だってほら...
『見て分かると思いますが...
龍が描かれている着物を着ている女性は皆、龍神ですよ?
多数の龍神を付き従えて。
一国をいとも簡単に救えるのですよ?
貴方方の様な下々には感じる事ができないのですか?
ヒシヒシと伝わってくるその存在感。
どの様な存在かって⁉そんなの...
「人族ですよ?ちょっと特異な体質なだけです」』
ふっ、インターセプト‼
不満気な涼姫。
と思ったら、アウリさんが続けてしまう。
「昨日の早朝、ジアンスロ王国に顕現され、その日の内にジアンスロ王国をお救いになられました。
トリセイレ海国と同じ様に。
その戦われる御姿を見て、我らが陛下がジアンスロ神国と改名され、神への信仰を深きものとする事を国民に宣言されました」
アウリさんが口早に告げる。
カットインが間に合わない‼
「更にヒジリ様を救国の英雄として讃え、我等ジアンスロ神国は、全面的にご協力をする事を締結しました」
...協力って締結するものなの?
そんな話あったっけ?
まぁ、協力してもらわない事には進めれないからスルーしとこう。
「で、他の国が心配で、ジアンスロ神国と国交の有る国からという事で、このトリセイレ海国に来た、って感じですよ」
カットイン成功か?
「「「
昨日、そして今日ですか...
我等が手も足も出ず、防ぐ事も出来ず、亡国となりかけていたこの国に来て早々...
」」」
「非礼かとは思いますが、兵士の方々はもう?...」
「「「
はい、あのクラーケンとの戦いで...本来の王も王妃も戦いで亡くなりました...
」」」
あいつクラーケンって言うんだ...
イカデビルとかの方が合いそうな位、強そうだったけどな...
「不躾で申し訳ありませんでした。
お悔やみを...」
「「「
いえ、死にゆく我等をお救い下さったヒジリ様に感謝を
」」」
ん?来たな...
結界に無数の魔物や悪魔が取り付いてる。
そろそろ、来る頃だと思った。お〜お、陸の方からも来てるみたいだね。
ひょっとすると、あっちも?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ご報告申し上げます‼」
『どうした?何処かの国が堕ちたか?兆しは...無いが?』
「トリセイレ海国を攻めている第二南方軍より伝令です‼」
『ほう、思ったより早かったな...』
「【要塞】、が落とされました‼」
『...何?』
「クラーケンが、落とされました‼」
『...味方も近付けない程、改良によって狂暴すぎて近付けも出来ずに要塞と名付けたアレが?』
『それで、軍団は?』
「現在は敵の力量が想定外と判断し、軍団は動かさず待機しております‼」
『一国ならず二国目か...
流石に後回しには出来んな...』
『第二南方軍を動かす。残存兵力は?』
「20万強となります」
『将軍と5万を街より北方で待機。
残りを半分に割って海側と別れて陸地側から攻め立てよ。
将軍には敵の正体を掴む事に専念しろと伝えよ。
落とせるなら落とせ』
『...ジアンスロと同じ敵と思うか?』
「恐らくは...」
『引かせた第三北方軍を出撃させよ。
全軍だ。落とせ』
「はっ、了解しました‼続けて報告致します‼」
『まだ、何か有るのか?』
「アンデッド化させた街や村が浄化されております」
『損害規模は?』
「既に五割は落とされたかと...」
『そっちは奴の領分だ...
捨て置け、と言いたい所だが...』
「如何致します?」
『第三北方軍は訂正だ。
将軍に村や街を攻撃してる奴を調べさせろ。
隠行に徹して絶対に接触するな、正体を見極めて帰還させろ。
奴なら適任の筈だ』
「了解致しました‼」
『ふむ、下がれ...各軍団長に急ぎ伝えよ』
「はっ‼」
『さて、どう出るか?
敵の総数、強さは不明。
相当に腕が立つのは間違いない。
だがしかし、流石に二国同時は防ぎようもあるまい?』
~〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『(ヒジリさん?
敵が動き出したみたいですよ?
少なく見積っても20万は居るかと。
後、十キロメートルといったところね)』
「(エイレーネ様、取り敢えずはオルトロスを街の中に入れる様に陛下に依頼して)」
『(分かったわ。で、どう?そちらは?)』
「(攻めてきてます。
広めに張った結界で先陣は立ち往生してますね。)」
「(オウナさん?
地図に変わった所有りますか?
トリセイレとジアンスロの周りで)」
「(地形的には今の所変化が有りません)」
「(五大国の中央辺りの大平原からジアンスロへ向けては?)」
「(地図が一部滲んでいる様に見えます。
結構広い範囲です。
ジアンスロに向けて動いている様に見えますが...)」
「(それが敵の移動跡だよ。)」
「(でしたら、トリセイレの方にも滲みが移動してます‼
海の方も染みの様に黒くなってます‼)」
「(敵の狙いは二カ国同時攻め。
俺をこちらに足止めしてジアンスロを落とす作戦だろうね。
だけど、皆には慌てないでと伝えて。
その結界内には入れないから。
そっちにも早く行けるように様にするから待っててね)」
「(はい‼お待ちしております‼)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「どうやら敵も動き出したみたいだから、こっちも行くよ。
今、敵は二箇所同時攻撃で俺達を足止めして、ジアンスロを落としに来ようとしてる狙いだね。
トリセイレには陸と海からの包囲攻撃、ジアンスロへは総攻撃で展開中かな」
「ちょっと待ってね...」
結界端を起点に知覚を拡げる。
結界を感じ取れるんならその先から知覚を拡げると楽なんじゃないかと思ってやってみたが...成功だ。
ウジャウジャ居る魔物やら悪魔を抜けると、明らかに他とは違う悪魔を見つける。
陸地のかなり後方に位置してる。
直接戦闘する意志は無いんだろう...
ガブロより強いな...
ガブロが中級としたらこいつは上級になるか...
こいつを残して前線から崩すと戦況次第では離脱する可能性もあるな...
でもね、させないよ?
「皆には三手に別れて貰うよ」
『待ってたヨ‼』
『やっとですね』
『妾は初陣か...派手にゆくぞ?』
『聞いてあげるから、言ってみなさいよ』
『なんなりと...』
皆にも敵の規模が分かってる筈だけど頼もしい限りだ。
「炎姫と小夜姫はジアンスロで敵が街に辿り着く前に止めて欲しい。あぁ、オルトロスの森から離れた所でお願いね。
氷姫と涼姫はこっちの海中を。結界で入ってこれないけど、油断はしないでね。
聖姫は地上をお願い。手が足りないと思ったら無理をせず眷属呼び出して。
あぁ、皆もね。
俺は、陸地にいる軍団長っぽいのを先にやるよ。
その後は皆の所に行くからね」
一通り指示が出し終わった所でイオナさん達が申し出てくる。
「「「
あの、私達にもお手伝い出来る事が有れば...
」」」
その気持ちは非常に有り難いが...
「取り敢えずは、しっかり食べて体力付けて、出来ればここにいる人達の側に付いてあげていて下さい。
防衛後の事も有りますから、それが先決です。」
「何もお力になれず、申し訳ありません。
ご武運を...」
やっぱり、ここは日本か?しかも昔の...
何て思いつつ、笑顔を返す。
『さぁ、皆行こっか‼反撃だよ‼』
涼姫も出てきてそうそう大活躍でした。
次回は総出でバトルシーンとなります。
敵の数からしたら派手な事になりそうですが、ヒジリさんは何処まで活躍してくれるでしょうか?
楽しみです。




