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平凡を超えた超越者  作者: 髭猫
第二章 異世界初体験
35/54

第35話 仕方無いから

若干、敵との遭遇が有りますが、表現控え目で書いております。羨編絆柯を取り出す辺りからご注意ください。


お読み下さりありがとうございます。

改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。

   あくまでもなるべくです。

   内容は変えておりません。(21年2月18日)



「皆、注意して‼これ毒だよ‼周囲警戒も‼」


 俺の後方、半円を描く様に警戒態勢を取る。


 (すく)った海水を解毒のイメージ。

 海水が透明になっていく。


 成程、解毒は可能で、解毒したら毒素は抜けて元通りにはなる訳だ...

 しっかし、広すぎるぞ?見渡す限り赤い。


 どうする?全力で解毒するか?

 それにしても時間が掛かり過ぎるだろう...


 試しに手を浸け、解毒してみる。

 解毒している(はな)から毒素が押し寄せてくる...


 そりゃ、そうだろうな...


『サトシ、うってつけの奴いるヨ‼』

『小(おど)りして現れそうです』

『妾は好かんがな...』


「龍神様だよね?」

『ああ、名前は白龍じゃ。

 神力コスト最悪じゃ。

 呼ばん方が良いぞ?』


『黒龍が言うナ‼』


『まぁ、似た者同士ですね』


『ぬぐぅっ‼』


 小夜姫...ぬぐぅって悔しがる人初めて見たよ...

 どう考えても、早く先に進むには呼んで協力した方が良さそうだ...

 早速呼ぼうか...


「天に座す白き後光を(まと)いし龍神よ‼

 願わくば我が叫びを聞き遂げよ。

 不浄を許さじ御身の御業をもってこの世界を浄化せしめん事を...

 許されざるこの世の不条理に(あらが)う光の導きを...」


 空に雲が多くなっていく。

 曇天ではなく、夏の入道雲の様な感じだ。

 次第に次第に重なり合い、厚くなっていく。


 空一面入道雲が張ったかと思うと、雲間から一筋の光が差す。

 神々しいとは今、見えている光景を言うんだろうな...


 厚い雲に光の輪郭が映し出される。

 相変わらず龍神様はスケール、でかいな...


『全く、いつも大仰(おおぎょう)な奴じゃ...』

『早く出てくれば良いのにネ‼』

『やる事は決まってます』


「皆、そんな身も蓋もない事を言わないでよ‼

 俺が喋るから変な事言わないで⁉」



『我を呼び出したのは主か?』



 因みにまだ雲の向こうだ。


「そうです。既にご存知かと思いますが、この世界は悪魔の手により危機に瀕しております。どうかお力添えを...」


『それにしてもだ...タイミングがおかしくないか?』



「はい?」



『よぉぉぉく、思い出せ?まぁ、一番手は仕方無い。

 相性ってのも有るからな?勝手も分からんだろうからな。

 最初は氷龍でも仕方無かろう‼だが次は⁉』



 一番手は譲るんだ...



「あの...炎龍さん...ですが...」


『そこじゃ‼おかしいと思わなんだか?

 相手は不死者だぞ?そこは()だろう‼』



白龍様?一人称が変わってます...



「いえ、あの、ゾンビって火に弱いってイメージが...すみません...」



 俺は間違えたのか?...



『その次は⁉』


 何か、教師に怒られてる気分になってきた...


「次は、黒龍さんです...」

『何故に⁉』


「あの、死者の魂をしっかり審判の門、冥界の入口へと送って貰いたくて...」

『そこじゃ‼普通は天界に送って欲しいだとか‼魂に安らぎを‼とかになるだろう‼』


「いえ、あの...その辺りは公正に裁きを受けるのが普通なのかなぁって...つい...」


『で、黒龍が呼び出したのは⁉』


「死神さんです...」


『滅茶苦茶黒いじゃないか‼』



 色の問題なんでしょうか?...



 小夜姫の時もそうだったけど、自分なりのストーリーって有るんだろうな...


 ここは強引に話を進めなくては駄目出しされ続けるぞ?


「この海を見て下さい。

 これだけの広範囲、俺だけではとても対処しきれません」


『嘘を付け‼()()()が手元だけしか解毒できん訳無かろう‼』



 白龍様?二人称も変わってしまいました...


「これだけの範囲だと、時間が掛かり過ぎて...この中に居るであろう魚人族を一刻も早く助けたいと思いまして...」


『その気持ちは大切だな...』


 おっ?口調が変わった?


「それに多分、この毒を出してる奴が潜んでると思いましたので、毒の浄化をお願いしつつ、始末しようかと...」


『ふむ、毒の結界内にはそれらしいのが居るな...』


 押し切れる?


「そこで、共同作戦を思い付いたのですが、どうでしょう?」


『まぁ、やってやらんこともないぞ?

 決して最初からその気だったとかそんな訳ではないからな‼』



 まさかのツンデレ⁉



 雲間から差す光に乗って巨大な白く輝く龍が舞う様に降りてくる。

 白光を放ちながら全長100mは越えている龍神...

 神々しさが半端ない。



 俺が神力の(さじ)加減を間違えているのか?



『全く白龍は面倒臭い奴じゃ...』

 小夜姫も変わらなかったと思います...


『サトシは底無しだナ‼』

 焔姫、口癖になってる?


『黒龍も大概面倒臭かったです』

 やっぱり、良き理解者、氷姫‼


「あ...あ...」

 アウリさんは(ひざまず)き、両手を胸の前で組合わしている。

 うん、間違ってはいない。

 俺もそうしたい気分だ...


『では、派手に行くか⁉』


 ドラゴンのブレス‼白金のブレスが海面に当たる。

 まさしく神の後光に照らされている様だ...


 ブレスが照射された所は瞬く間にエメラルドグリーンとなる。

 やっぱり、海って言ったらこの色だよね。


 絶え間なく続くライトニングブレス...

 もう視界が捉えてる範囲はキレイな海に。


 敵は沖合か...


「氷姫、お願い‼」


『了解です‼』


 瞬時に海面が凍り付き、桟橋の様に伸びる。

 その上を走る‼俺の踏み込みにも耐えてくれる。


 流石、氷姫‼


「白龍‼怪しい位置は⁉」

『氷龍に手引する‼そのまま氷の上を走れ‼』


 言われた通り走ってるんだが、もう10kmは走ったか?


 海って広いな、大きいな...


『そこから100m程先、その真下‼深度は...500m‼』


 白龍の声で知覚を拡げる。居た‼ナビ通りだ‼


 敵は、脚の本数がおかしい巨大な...イカ⁉


 これだけの広範囲に毒を吐くだけあって大きい‼

 白龍と同じ位の大きさか⁉


「イカは普通、毒吐かないだろ‼」


 ふっ、決った。俺が毒吐いてやったぜ‼


 次元収納から羨編絆柯(せんぺんばんか)を取り出す。

 敵は巨大だ。

 でもやっぱり扱い易い日本刀に。


 続いて、転移。

 巨大イカの目と目の間、眉間‼距離は10m‼。


 中段の構えから柄を腰横に引く。


 更に神力を、更に、更に...


 剣先に神力を溜める。


 巨大イカも俺に気付く。

 イカスミの様に毒を吐きながら両サイドから巨大な脚で襲ってくる。

 だが...



 俺の方が速い‼



 眉間目掛けて、剣先を突き出す。

 前方に放出された神力が刃となり、眉間に伸びていく。

 伸長した剣が眉間に突き刺さる。



『覇‼』



 そこからさらに神力を込め、斬撃を放つ。



「ドォン!!!!」



 一瞬、巨大いかの両目が爆ぜた様に見えると同時に動きを止まる。

 普通にイカなら死んでくれるだろうが...念の為。


 刃を上に向け、神力を注いで切り上げる。



『覇‼』



 振り抜いた所で、海中で揺られながら腹部は左右に別れていく。

 溢れ出る濃い毒素...海がまた赤黒くなっていく。


 このまま、毒出しながら死んで貰っても一手間掛かるし。


 最後の仕上げは...


 失敗したら白龍様に事後処理をお願いしよう...


 巨大イカを標的に一切の不浄を許さない光を。


 加えて熱量を持った光を。


 リッパーを倒した時より更に巨大な光の環をイメージする。


 眼前に現れたのは...


 直径10m程の三個の光と周回する10m程の五個の光。

 それが円状に8セット。


 白い炎が揺らめいている。


 イカの大きさを考えてたら、このサイズになったけど、やり過ぎか?

 一瞬躊躇したが、腹部から溢れ出す濃い毒素を見たら...即実行‼



『覇‼』


「ドドドォォォォォォ!!!!!」



 水が瞬時に爆発し、爆発しながらも光の奔流が巨大イカに届く。

 毒素が漂うとかどうとか言う前に爆発四散した様にも見えるが...


 辺りを確認する。

 水泡だらけで何も見えないが、あの広範囲の白光だったらきっと浄化されているだろう...

 気泡に当たって白光が乱反射していたから、四方八方浄化されてる筈だ。


 一段落して、冷静に考える。

 そういや、500m程潜ってる筈だけど、潰れるぅ‼とか、息が出来ないぃ‼とか無いな...

 特技に素潜りを追加しとこう。


 周り真っ暗だけど、キレイな海は気持ち良いな、なんてゆっくり浮上していると...

 上方より白龍様が近付いてくる...


 結構猛烈な勢い?


『(な、何をしたぁ‼大丈夫かっ⁉)』


 そんなに急いで...もう戦闘は終わったよ?


「(白龍様、お疲れ様‼無事に巨大イカ倒したよっ‼)」


 サムズアップでご挨拶。


『(倒したよっ...では無いわぁ‼怪我は⁉怪我は無いか⁉)』


 そんなに慌てちゃって、心配症だなぁ。


 受験の時の親を思い出す。

 学力も平均並みだったから、尋常じゃない位心配してくれてたなぁ...


 白龍様の光で俺の体が照らされる。

 うん、服も破れてない。


 メイドインサトシは丈夫が命‼


「(照らしてくれて有り難う。怪我一つ無いみたいだよ‼)」


『ほら、掴まれ‼』


 巨大だった体が程良い大きさに縮み、白金色の角を寄せてくれる。


 白龍様も優しいなぁ...


 両角に掴まらせて貰って、浮上。

 途中、拳大の巨大イカの肉塊が散見されたが、毒も無い事だし、魚の餌にはなるんだろうな。


 一気に水面を飛び出した。


「凄いよっ⁉

 イルカにも乗った事が無いのに、龍に乗って海面から飛び出したよ‼

 これ、世界初じゃない⁉」


『...喜ぶポイントがよく分からない...』


 白龍様は、皆の居る海岸の方へ海面付近を飛ぶ。

 下を見ると...

 おぉ、風圧で水飛沫が...格好良い‼


「乗ったことないけど、高速艇より速いよ‼

 白龍様は凄いね‼」


『...称賛されるポイントもよく分からない...』


 陸からの敵部隊が来てないか知覚を拡げると...

 うん?氷の壁が結構な高さで出来ている...

 100mは有るよな...


 あっ...ひょっとして?


『海中火山の噴火、体験した事有るか?

 あれより凄かったぞ。

 火柱が突き上がり、辺り一面は霧がかり、津波も発生したから壁を作りおったわ。

 しかし、壁が高いな...』


「大丈夫。近付けば焔姫が溶かしてくれるから」


 ...


 ほらね‼丁度俺達が通る位置を溶かしてくれる。


「皆、敵は来てないようだね」


 氷の門をくぐり皆の様子を見る。


『サトシ、お帰リ。やったネ‼』

『と言うかやり過ぎです』

「................」


 アウリさんは青()めている。


『全く、ヒジリは加減ってのを知らんのか?』


 白龍様は龍型から人型へと変化する。

 近くに太陽が有るかの様な輝きだ。

 龍神様は小さくなる時、エネルギーも凝縮されるんだな...


「いや、イカがでかくて、浄化と焼却を同時にイメージしたら、あんな感じに...

 一応は成功したけど...」


『成程な。先ず、水の中で焼却とか考えるな。

 あの熱量半端ないぞ?

 炎龍より熱量持つっておかしくないか?』


『まぁ、サトシだしナ‼仕方無シ‼』


 焔姫も大概熱いと思うんだけどなぁ...


『しかも、多発的に爆発してたけど、あんな海中深くからどうしたらあんな柱が上がる?』


「毒持ったイカなんて、浄化しても皆、食べたくないだろうし。

 浄化の光だけだと寄生虫とかわんさか居たら心配だから、念の為加熱付き。

 だけど下に海中都市が有ったら大変だから海面方向に放出を...」


『付け足しもう一つな。

 あんなの食べようと思うな?

 少なくとも私は食わん‼

 避けなかったら、私もただ事では無かったぞ?』


 だから、食べたくないだろうしって...


「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだよ?

 それに白龍様は強そうだから、あの程度なら...」


『十分、死ねるわ‼死んだら大変なんだよ?

 復活する迄にどれだけ掛かると思ってるの‼』



 口調が変わった?



「死んでも復活出来るなんて龍神様って凄いね‼」


『いや、龍神でも死ぬのは結構、嫌なものよ?』



 変わったね、口調...



「でも、自力でしょ?普通は無理だもんね。やっぱり凄いよ?」


『まぁ、自力だな。

 他の神よりも早く復活出来る自信はあるしね...

 じゃなくて‼

 この海岸も、氷龍が居なかったら大変だったよ?

 街、潰れてるよ?』


「だって、氷姫の氷を作る精度と強度は抜群だし。

 ほら、氷の桟橋も俺の速さに合わせてくれてたし、阿吽(あうん)の呼吸?信頼の賜物(たまもの)?」


『ヒジリの底が見えない以上、私達が戦うか、世界を護るかの二択。どっちにしても働けます』


 ちょっと信頼とは違った...

 良い言葉で言うと使命感だな...


『大体ね...自分が同じ範囲に居るのに、あんなに派手にぶっ放すとか、あり得ないでしょ⁉』


「何かね、エイレーネ様曰く、この服が良いみたい。

 結構防御力高いみたいだよ?

 それはそうと、心配して見に来てくれて有り難う‼

 家族の事思い出しちゃったよ?」


『べ、別にヒジリが心配で助けに行った訳じゃないからね‼

 イカが生きてたら、倒さなきゃって思っただけだから‼』



 ...やっぱりツンデレ...か?

 キャラ設定は俺のせいか?...


『ヒジリよ?妾よりも面倒じゃろ?』

『黒よりはマシでしょうよ‼』


『どっちもどっちだと思うナ...』

『で、これから白龍はどうします?』


 頼れる氷姫さんに感謝。


『フ、フン‼こんな危なっかしいの、ちゃんと見てなかったら世界を救う前に壊れちゃうわ‼

 仕方無いから付いてってあげる...』


 最後は語勢も弱くなり、チラッと俺の方を見る。

 狙ってやってたら大したものだ。


 ツンデレ好きじゃなくても、普通にやられるわ...


「宜しくね、白龍...」


 俺が言い終わる前に、そして右手を出す前に、背中の方に回り、抱きついて来る。

 脇下から胸に回された手が何だか恥ずかしい。

 後ろに回り込むのは龍神様共通なのだろうか?謎だ...


 手を眺めていると...あれ?コートが脱げてる?

 ん?次は上着?ん?シャツもだ...


 上半身裸になってるし...

 そして、背中にキスされる...


 こ、これは...痺れる?

 物凄い高揚感に襲われる。

 歓喜が突き抜ける。

 ゾワゾワ、ゾワゾワってなってる。



『名前、私の名前は?』



 モゾモゾっと聞かれる。

 ...何処まで反則技を駆使する⁉


聖姫(せいひめ)ってどうかな⁉」


 本当にドギマギするよ...


『あら、意外とヒネリが無いわね...』


「そう言わないでよ。

 (せい)の字は別の読み方でヒジリ、俺の名前だよ?」


『...本当に?...その名前を私にくれるの?』


「それ以上にピッタリ来る名前が有るなら逆に教えて欲しいよ?」


 抱きしめる腕に力が入る。

 これ、普通の人間なら圧死してるよな...


『私、ずっと一緒だからね。嫌われても付いていくから』


 何か...ラブコメになってないかい?


「有り難う、聖姫...」


 くるっと反転する。


 背は俺の目線と同じ位か。

 髪色は黒色、髪型は何かお洒落だぞ?

 軽くウェーブが掛かって肩くらいの長さ。前髪はフワッフワしてる。

 服はやっぱり着物だ。白地に薄墨で雲を描きその間を舞う白金の龍。

 同系色なのに輝き一つで龍の姿が浮き立っている。

 胸は着物の柄を邪魔しない程度の膨らみ。


「これから、宜しく。聖姫」


『仕方無いから、しっかり見てて上げる‼』



ここまでお読み下さり有り難うございます。

ヒジリさんがまたまた、龍神様を友達としました。まだまだ賑やかになる予感がします。

そして、海中国家はどうなってるんでしょう?気になる所です。


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