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平凡を超えた超越者  作者: 髭猫
第二章 異世界初体験
34/54

第34話 周囲警戒も‼

お読み下さりありがとうございます。

改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。

   あくまでもなるべくです。

   内容は変えておりません。(21年2月18日)

「神様ではないのですが...

 偶然が奇遇となり、奇遇は順当となり、順当ならば必然である...

 俺がこの世界に来たのが偶然ならば、救済するのは必然...でしょう?」


『コホン‼もしもし?お話中申し訳有りませんが...

 興奮されるのも、デレるのも、イチャつくのも、ご自由になさって下さい...

 なのですが、周りを見てからなさってもらえると非常に助かります。』


 カリディアさんのご指摘を受けて、恥ずかしくなって、エイレーネ様から離れる。


 女性の涙には弱い事が判明しました...


『妾も泣こうかの?...およよっ‼』小夜姫、泣き崩れ...

『こうすれば良い?...わーン‼』焔姫、勢い良く...

『こうですよね?...シクシク‼』氷姫、萎れる様に...


 何かのコンテストと勘違いしてないだろうか?...


「皆、ゴメンよ。俺が悪かったから、止めて?

 お願いだから...

 少し臭かった事も謝るから...」


『冗談じゃ、ヒジリは容易いのう?』

『ヒジリは女に気を付けないとネ?』

『雰囲気に()まれ易いです?』


「スミマセンでしたぁ‼調子に乗ってました‼」


 もうとにかく謝っとこう‼...頭を下げまくる‼


 何か、重大な事忘れてる様な...そうだ、エイレーネ様の事だ。

 エイレーネ様が神様だってバレたんじゃぁ?

 二人を見ると、キョトンとしている...


「「何故、いきなり謝ってるんですか???」」


 アウリさんもオウナさんも首を傾げる。


『平和になった世界で、当時の神器を扱える人達は徐々に減り、今ではこうやって使い方も分からず眠っている物も多くあります』


 カリディアさんが喋り出す。

 何事も無かったかの様な口調...

 あぁ、時が止まってたのね...焦ったぁ...


 そして、エイレーネ様、めっちゃ笑顔やわぁ。


『試練を乗り越えた者にしか扱えない神器を使えるなんて、流石、ヒジリさんですわね』

 何事も無かった様に話を繋げるエイレーネ様...

 怖すぎるわ‼さっきのシリアスを返して欲しい...


 それにしても、地図にどんな試練を課したんだ?


 何とか気分を立て直し、マップについて整理する。


 シスターズに、このマップの地形について尋ねてみる。

 シスターズ曰く、古びた地図の様に見える。


 試練を乗り越えていない者が見えるのはここまでで、この地図の真骨頂は次の機能だ。


 一つ目は、注目したい所に集中すると、二次元から三次元に見え方が変化し、更にリアルタイムで可視化出来る。


 二つ目は三次元可視化の後で歩いている人達、風に揺れる草花、海の波の様子等々再現される。


 エイレーネ様曰く、注意しなくてはならないのは、トレース出来るのはこの世界の住人だけで、異界からの来訪者はトレース出来ないとの事。

 従って、俺や三姫、死神、もちろん悪魔も表示されない。ちょっと、残念。


 一見箱庭にも見えるのだが、三次元に見えているだけで地図を触っても現実世界には影響がない。

 まぁ、触れただけでどうにかなってしまうなら、魔王もプチッと潰せちゃう事になるから、そんな便利機能迄は無理だったのだろう。


 実際の現状を把握出来るだけでもこの地図は正直有り難い。


「これも、お借りして宜しいですか?」

 アウリさんに聞いてみる。

 持って行って良いとは言われると思うけど念の為ね。


「そうですね。地図が有った方が話しやすいですし、持って行きましょう‼」


 ...普通の地図じゃあないんですけどね...


 後でシスターズにも見れる様にしよう。


「カリディアさん、有り難うございました。

 とても助かりました。

 北の森に行った際にはまた宜しくお願いします」


『いえいえ、お会い出来て光栄でしたわ。

 いつでもいらっしゃって下さい。

 お一人で来られても大丈夫ですよ?』


 最後、何か変な事を言って消えていく。

 それは、一人で来いっていうフリか?


『はぁ、やっぱりヒジリさんですねぇ。

 駄目ですよ、こちらの世界の精霊さんに手を出しちゃ』

『エイレーネが言えた事でもあるまい?』

『アタシもいちゃつきたいナ‼』

『情に訴える事が大事ですね』


 小っ恥ずかしい事を思い出させないでください...

 話を換えたい...アウリさんに振ろう。


 アウリさん先頭で移動を始めながら打合せの場所を尋ねる。


「ところで、今後の話は何処でします?」

「そうですね、国としてもどう動くか決めておくべきなので、軍議室でどうでしょう?

 陛下もお呼びします。

 それで...精霊さんに手を出すとか、イチャつくとか、何の事です?」


 先頭を歩きながら、爆弾を投げてくるアウリさん...


「エイレーネさんと三姫の邪推ですよ。

 何でもないですから‼今後の事の方が重要ですよ?」


「何か引っ掛るのですが、今後の事の方が重要ですよね?」


「そうですよ‼緊張感を持っていきましょう‼」


 握り拳を作り、やる気を全面に押し出す‼

 俺のやる気はアウリさんに届く筈だ‼


「で、では陛下をお呼びしてきますので少々お待ち下さい」


 オウナさんが陛下を呼びに行き、残りは軍議室に入る。


 さ、真面目モードにチェンジだ‼


 宝物庫で得た三つの品を机の上に並べ、今後の行動を頭の中で組み立てる。


 今は敵が先手を取っている。

 敵兵力は数十万から百万オーダー。

 しかも種族は悪魔。

 この世界の残存兵力は既に瓦解寸前。

 悪い条件は揃っている...


 ...だがしかし、この軍議室にいる面子なら...

 攻撃力、守備力、機動力、情報力、全て最強だ。

 加えて、死神様も侵攻中だろう。



 押し返して...押し切ってやる‼



「...リさん、ヒジリさん、陛下がお見えになりました」


 あぁ、考え込んじゃってたか...


「すみません。色々と考え込んでしまって」


「なんの、なんの。

 その(たたず)まいも絵になっておるから、見飽きんわい。

 宝物庫で使えそうなのも見つけられたみたいじゃの?」


 しかも陛下は心が広いと...


「はい、とても有用な品が見つかりました」


「先ずはこの石ですが、俺が少し手を加えたら、面積にしてこの世界の半分程度はこの街と同じ結界が張れるとの事です」


「...この世界の半分?」


「はい、精霊のカリディアさんの見立てではありますが...」


「北の森の聖樹に宿ると云われている精霊、が宝物庫で?」


「はい、宝物の見立てを手伝ってくれました」


「何と言うか、流石じゃな...」


「で、次にこの地図ですが、リアルタイムに地形を表しています。

 過去の魔王退治に使用された地図らしく、見る者が見れば現地の詳細情報を得る事も出来ます」


「そ、その地図は...

 もう使える者が出て来ないとされた地図...

 使えるのかの?」


「ええ、集中すると見たい所の地形が立体的に見えます」


「「えっ??」」


 そっか、シスターズには見えてなかったんだ...


「後でお二人にも見える様に触ってみますよ」


「最後に、この棒です」


「ただの木端(こっぱ)ではないのじゃな?」


「はい、これは聖樹の枝で、俺の思い通りの物に変化してくれます。羨編絆柯(せんぺんばんか)と名付けました」


 神力を注ぎ、長尺の日本刀にする。

 波紋が美しいお気に入りの白金長刀。

 次は、白鷹に変化させ、肩の上に。


「それは神の御業という奴じゃなかろうか?...」


「専用にはなってしまいそうですが、俺の武器としてお借りしたく」


 神云々はスルーで。


「いやいや、使える者が他に居らん以上、それはヒジリ殿の物じゃ。

 と言うか、誰もその様な握り代しかない木端から武器に変化させれんじゃろ?...」


 陛下はシスターズの方を見る。

 シスターズは首を横に振り、苦笑い。


「決まりじゃ、ここにある物は全てヒジリ殿の物じゃ。

 また、宝物庫で良い物が見付かれば、持って行ってくれて構わぬ」


 しかも陛下は気前が良いと...


「それで陛下、今後の戦略ですが...」


「何か策が有ると?」


「はい、この地図と石を使って...良い手が打てます」


 一通り、考えていた事を説明する。


「しかし、それだと、ヒジリ殿に全ての負担が掛かってしまう。

 それは心苦しい...」


「大丈夫です。

 これ以上の被害を出さない覚悟...

 俺はその覚悟を持って挑みます」


「陛下もお持ちになって下さい。

 平和を取り戻した後のこの疲弊した世界を立て直す覚悟を」


「しかしじゃの...」


『お見せしますよ。

 英雄の英雄たる所以を。

 陛下は国王としての責務を』


 ちょっと格好を付けてみました。


『陛下、これはヒジリさんにしか出来ない戦略でしょう。

 そして、恐らくは敵の狙いを看破しております。

 この世界に来て間もなく、少ない情報の中で』


 預言者(神)エイレーネ様からの後押しもあり、国王も頷いている。


 そうそう、多分当たってる。

 そうでなければ敵を掃討するのはもっと容易い。


『それに...こんな柔らかい顔して、一度言い出したら曲げない頑固さはそれはもう硬くて硬くて神でも砕けないでしょう』


 エイレーネ様?その一言は...


『何だ、ヒジリは頑固者か?妾は甲斐甲斐しいぞ?』

 小夜姫さん?いつの間に夫婦(めおと)


『アタシは、遊んであげルー!!』

 焔姫...何か違うよ?


(ほぐ)して欲しい時はご下命を』

 氷姫...肩凝りとは違うから...


『と、言う訳で、ここは一先ずヒジリさんにお任せしましょう』


 エイレーネ様?後半は要らなかったっス...

 さてはシリアスキラーだな?...


「私も協力したいです‼」

「わ、私も微力ながら...」


 シスターズも手伝ってくれると言うが、この国の戦力だし...


「そう言うだろうと思っとった。

 ヒジリ殿、この二人も存分に働かせてやってくれ」


 しかも陛下は懐が深いときた...


「では、アウリさんには、俺達と一緒に各国に行った際の橋渡しをお願いします。」


「橋渡し?」


「ええ、面識の無い人間がいきなり訪ねても信頼されないでしょうから。

 アウリさんが居るだけで全然違うでしょう?」


 アウリさん、何回も頷く。


「オウナさんは、この地図を見て変化が有ったら連絡して下さい。細かな変化はずっと見てないと捉えられませんから」


「変化...ですか?」


 地図に施してある神威を改変してシスターズにも立体的に見える様にする。


「例えば、ジアストロ神国に注目して。

 立体的に見えてきませんか?」


「「見えました‼凄いです‼」」


「で、白の円形で囲まれてるでしょう?これは俺の結界です」


「残念ながら、悪魔は確認できませんが。

 悪魔、敵が動けば、地形も変わるかもしれないので、細かい変化でも情報が欲しいです」


 元々、三次元じゃなくても拡大しても見れるこの地図の精度は高いし。


「ああ、連絡は念話でしましょう。

 そのペンダントが有れば出来ますよ」


「分かりました‼お任せ下さい‼」


 よし、準備は整った。


「あの、アウリさん...出発しますので、もうそろそろ鎧と剣の装備の方を...」


 展開が早すぎたのか、実はインナーのままだったりもした訳で...

 最初は身体の線がしっかり出るインナー姿にドギマギしていたのだが...


 慣れって怖いね...


「失礼しました‼直ぐ用意致します‼」


 走って出ていくアウリさん。


 何ていうか...うん、後姿もイイね。

 なんて見惚れている場合じゃないな。


 再び地図に目を落とす。

 この国に指を落とし、南に滑らす。

 話からすると、この辺りなのだが海岸沿いどころか海の中に入ってるし...


 海の色も気になる。


「トリセイレ海国はほぼ海中です。

 魚人族で形成された国家となります。

 海産物はこの国から仕入れているのが殆どなんですよ」


 魚人...


 頭に浮かぶのは緑の身体に鱗が有って、顔が魚で頬骨がエラで...


 言葉、通じるのか?


 そう言えば、五カ国で不戦協定結んだって言ってたから、言葉は通じるのか...


 パーティーや朝食で海の幸が無かったのは、行き来できなくなったからか。

 そう言えば...海鮮の刺し身食べたいなぁ...


「お待たせしました‼」


 ん?いや、確かに着替えを頼みましたが...

 何ていうか...それは鎧?


 妙に守備面積の少ない鎧なのだが...


 いっその事水着と言ってしまっても良いような?

 胸当て、小手、脛しか無いよ?インナー脱いでるし...


「あっ、これはトリセイレ海国に行く上で邪魔にならない軽鎧です。

 フルプレートだと溺れてしまいますので...」



 ...成程、泳げる様にね...



 都市はやっぱり海中か...

 地図を指し示しながら聞いてみる。


「この辺りから海に入って、海国に?」

「はい、その辺りに街があって、海産物の買い付けが出来る様になってます」


 三次元で、街を確認する。

 商品を置く台のある店構えの建物が何軒もある。

 本来なら、台に採れたての海産物を並べて売っていたのだろう。

 生物の姿はやはり見えない。

 念の為、転移は街の入口の所にしよう。

 場所の三次元イメージをしっかり掴む。


「よし、三姫、アウリさん、転移で行くよ?エイレーネさん、オウナさんは監視をお願いします。

 では、陛下、行ってきます」


「流石じゃな‼気を付けての‼」


 視界が一瞬ブラックアウトし、景色が変わる。

 軍議室から屋外へ。

 今回は自分の知覚感知ではなく地図を見ての転移だったが、精度はバッチリ。

 あの地図はやっぱり使える。


 ジアンスロ神国の様に大きな街門とかは無く、ウェルカム状態の開放的な街なのだが、やはり人が一人も居ない。

 いや、半魚人だったか...


 一通り散策し、誰も居ない事を確認する。

 皆、海の中に避難していて欲しい...


「海底都市へはこちらからになるのですが...」


 アウリさんの歯切れが悪い。嫌でも目立つな、赤い海...


「こちらの世界の海は赤いの?」

「いえ、透き通る様な綺麗な青色をしておりましたが...」


 今では、赤く濁っている...


 水を(すく)う様に手を入れてみる。



 これは...毒だ‼



 (ただ)し、人間大の生物なら即死にはならない程度の効果とみる。

 徐々に弱らせるタイプだ...

 飲み続ければ話は別だが、半魚人にとっては致命傷か?


「皆、注意して‼これ毒だよ‼周囲警戒も‼」



ここまでお読み下さり有り難うございます‼

新しい武器とアイテムを手に入れ、準備万端?で次国に乗り込見ましたが...

悪魔って姑息な事をするんですね...

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