第2話 俺は人間で良いしょうか?
お読み下さりありがとうございます。
改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。
あくまでもなるべくです。
内容は変えておりません。(21年1月26日)
(まさかの妖精では?)
目の前には掌サイズの美しい女性?が浮かんでいた。
背にはキラキラと輝く瑠璃色を基調とした蝶の様な羽、服はこれまたキラキラとした綺麗な緑色のドレスに身を包み、頭にはティアラが...
『初めまして、聖様。ルーティアと申します。
ティアとお呼び頂ければ幸いでございます。
とある森で妖精族の長を努めております。
微力ながら、お力添えをさせて頂きますわ』
上品な仕草で上品な微笑で上品な会釈をしてくれる。
(妖精って本当に居たんだなぁ...天使にも会えて...夢みたいだ...)
『夢の方がよろしかったですか?』
まずいわぁ、その笑顔はヤラれる...小さいけど。
「存在は信じていても、なかなか会えないので嬉しいです。
ルー...『ティアと』...」
めっちゃ微笑たけど...笑ってない目で被せられたよ...
「ティア様『ティアと』...」
え〜っ⁉族長してるって事は偉い人なんだよねっ!?
良いのかっ!?
「ティアさん『...』で良いですか?」
『はい、有難うございます』
「ティアさんは族長なのに僕の側に居てもよろしいのでしょうか?」
『森の一族を率いているだけですし、聖様のお側でもそちらに差し支えはありませんわ』
(いえ、身分の問題です...)
『そちらも問題ありません...『私が貴方のサポートにとお声掛けしました。ルーティアが適任と思いまして。
これは失礼しました。私はアリエル、以降お見知りおきを』』
と、噴水の上から神々しくもある私を忘れないでよっ‼と突っ込むかの如く、お言葉が掛かる。
天使様が会釈して名前を...
もっと傲慢かと思ってた...
二人?だけで話を進めてすみません。
まだ、自己紹介もしてないよ...
「こちらこそ、名乗りもせず申し訳有りませんでした、アリエル様。聖賢と申します。
本来なら一人寂しく過ごす筈の誕生日でしたのに、アリエル様、ルー...『ティア』ティアさんに祝って頂きどう表現して良いのか分からない程、感謝しております」
恐らくは誰も経験した事の無い光景を目の当たりにし、興奮気味で仕方無し。
『これはこれはご丁寧に、お気を楽に。
私が貴方に会う為にご用意させて頂いた時間ですから。
どうしても貴方にプレゼント差し上げたかったので...』
(どうしてそこまで僕に気を使ってくれるのだろう?)
『それも追々理解していただけるかと思います。
さて、重要な事なので、もう一度言わさせて頂きます。
本日より貴方に訪れる分岐路は二者から選び、どちらを選んでも新たな道が切り開かれると思ってください。
分岐路の啓示はルーティアよりなされます』
「"新たな道が切り開かれる"というのがよく分からないのですが...
どうお尋ねしていいものかもよく分かりません。
察しが悪くてスミマセン...」
何か漠然とし過ぎてて良く分からないんですよねぇ...
家族や友人で楽しむボードゲームを思い出すなぁ...
あんな感じなんでしょうか?
『貴方の能力が本来の能力に近づく、と思ってください。
所謂、解放です。
そうですね、実際に体験してみたら理解も早いかと思われますが...』
ちらりと林の方に視線が流れる。
『唐突で申し訳ありませんが、私がこの世界に顕現できる時間は限りが有りまして。
もうそろそろ戻る事と致します。
では、次回お会い出来る日を楽しみにしております』
『ルーティア、後を宜しく頼みます』
『はい、アリエル様、後はお任せを。
またお会い出来る日を心待ちにしております』
ルーティアさんの返事を聞き終えると、アリエル様から天空へと光の柱が出来ていく。
天の彼方へ到達したかの様に思えた時、ゆっくりと天へ昇る様にアリエル様が上がっていく。
徐々に昇るスピードが速くなり、それを追う様に光の柱が下方から消えていく。
光の柱が消滅すると共に噴水の音が聞こえてくる。
腕時計を見ると秒針が動いており、時が動くのを実感する。
時を止められる間だけ居られるのかな?
次回って...またお会い出来るのか...
その時、デジタルカメラの撮影音が連続で鳴り響く。
画面に目を向けると黄色く綺麗な丸い月が噴水と共に写っていた。
おぉ、撮影の途中だったんだ...
何か変な感じ、そう言えば左腕と頭位しか動かしてなかったっけ?
余程緊張してたんだな...夜空を見上げる。
只の明るい大きな満月となっていた。
エクストラ•スーパームーンだからね。
今まで目線の位置に居たルーティアさんも居ない...
「白昼夢って奴だったのかな?」
夜空を見上げながら呟くと明るいトーンの声音が聞こえてくる。
『いえ、現実ですよ?』
目線を下げるとティアさんが居た...足元に...
『アリエル様が居られないと長時間の浮遊は疲れますので』
なる程、浮遊ですか...
羽でのホバーリングなのかな?
ハチドリが花の蜜を吸っている光景が思い浮かぶ。
でも、そんなに羽を動かしてる様には、見えないんだよね。
何か特殊な力かな?
人が懸垂してるのと同じ感覚なのかな?
確かに人間でもずっと懸垂は出来ないもんなぁ...
何人かが一列になって鉄棒にぶら下がりながらプルプルしてる映像を思い出す。
このままだと話し辛いのもあるので、立膝の姿勢となってティアさんの足下に指を閉じて右手を差し出す。
「お乗り下さい。まだ話したい事もありますので」
『あら、よろしいので?有難うございます』
これまた綺麗な所作で、ドレスの両脇をつまみ上げ階段を上がる様にぼくの手の平に乗る。
重さを感じない...
『失礼な事をお考えになられませんでしたか?』
「イエ、ナニモカンガエテマセンヨ」
なる程、重さを感じなければ浮かび上がれるのも普通の事か...
いやいや、存在自体が普通じゃないからっ‼
軽く自分に突込みを入れつつ立ち上がり、噴水前のベンチに腰掛ける。
両膝を揃え、両腿の間に右手を置き、安定させてみた。
ティアさんはやはり綺麗な所作で座り込み、手の平の端から両足の膝下を下ろし楽な姿勢を取った。
僕の左脚に揃えた足を乗せ、両膝が広がらない様に膝も揃えて足を横斜めにして膝高さを下げる。
ドレスが捲れない座り方だよね。上品だぁ...
『落ち着かれましたか?』
何と、心安らぐ声なんだろうか...
「はい、有難うございます」
高揚していた気持ちが落ち着きを取り戻す。
『早速、最初の選択肢です。
気楽に考えてお答え下さい』
...いきなりですか...また緊張してきた...
『生物の気配を感じ取りますか?』
...声音が変わった...
気配を発する何かが居るんだろうか?
取り敢えず...
「はい」と答えてみる...
(うん⁉何だこの感覚はっ⁉
頭の中で球状に視野が広がった感覚?
意識の有る存在を立体的に感じ取ってる?)
『正確には感覚の範囲内にいるあらゆる存在を感じ取っております』
情報量多すぎて鼻血出しそうだよ...
しっくりする表現をするとしたら、脳内投影型全方位眼、といったところか。
(絶えずこれだと疲れるよなぁ...
視覚と重なってる様にも視えるし...)
『安心して下さい。その内に息をするのと同じ位に自然となりますわ』
これ、そんなに慣れるものかなぁ...と横手の林に顔を向ける。
あぁ、アリエル様が見た方向だ。
10メートル程入った所の木の裏に一人居るんだよねぇ...
(アリエル様も分かっていたんだなぁ。
ひょっとして、早く帰ったのもこの人が居たからかな?)
体をそちらに向けつつ、いいえと答えた場合どうなっていたのか考えてみる。
あの気配を感知しなかったら...(うむ、よく分からん‼)
『敵意を感じ取りますか?』...更に上乗せ?
感じ取れるに越した事はないだろう。
敵意って襲われるって事だよね?
いきなり襲われるのも嫌だし...
「はい」
(おやっ?何も変化は無い?...)
『相手に敵意が無い場合は感覚に変化は有りません』
とすると、襲おうとかは考えてない訳ね。
ガサッと音がするのと同時に気配がゆっくり遠ざかっていく。
見てる事がバレたみたい。
まぁ、今日は世紀の天体ショーだし、人が居てもおかしくはない。
わざわざ誰何する必要もない。
『気配感知の距離を拡げますか?』
えっ⁉今でも半径20メートル位は感じてると思うのだけど、狭いのかな?
何か疲れそうだからそれ以上はねぇ...
「いいえ」
...そんないきなり感覚を超人化しなくても良いと思う...
気配は完全に無くなり、二人の世界となる。
(相変わらず、違う方の答えが気になるなぁ。
それはそうと...
時間停止中の天使様は無理だろうけどティアさんは見られた?)
『ご安心を。普通の人間では私を視る事は出来ませんの』
(...僕、視えてるんですけど...)
『聖様は特別でありますから』
(あぁ、俺が手の平を見てブツブツ言ってる変な人に見られてただけってことね...)
ガックリ...
にしても...本当に微笑が似合う人だ。
でも、様付けはくすぐった過ぎ。
いきなり名前呼びをお願いして拒否られても気まずいので...
「僕の事もさん付けで呼んで頂けると助かります。
後は丁寧な言葉使いも要らないですから」
少々馴れ馴れしかったかな?
『では、聖さんとお呼びさせて頂きます。
喋り方は生来のものですから、変える事は難しいですわ』
...高貴な人なんだなぁ...
「特別というのと、先程から凄い能力が身についている様な気がする事とは関係有るのでしょうか?」
『私とお話する時も言葉遣いはお気楽にどうぞ。
長いお付き合いになりますしね。
お答えですが...ご自身では平凡に人生を送ってきたとお思いでしょうが、何も突出していない、何も埋没していない平凡な人生を選んで過ごすというのは相当に特別です。
今、感じていらっしゃる感覚は本来、聖さんが持ちうる筈だった能力となります』
...何だか軽くディスられてる気がする...突っ込み処満載で、満載過ぎて何から聞いていいのか分かりませんっ‼気楽に出来る筈もないしっ!!
「こんな類の力が他にも有るんですか?」
『全て得られるまではかなり長い時間が必要になるとは思いますが...』
「何故このタイミングなんです?」
『そのお答えは本格的にお力を解放された時にでもお話させて頂きますわ』
なる程、返しが上手い...さすが族長?女王様?だね...
(...でも、これだけは聞いておかないといけないな...)
「ティアさん、俺は人間で良いでしょうか?」
ここ迄お読み頂き有難うございます。
更新ペースが遅くて申し訳有りません。
頑張ります。




