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平凡を超えた超越者  作者: 髭猫
第一章 異能の目覚め
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第11話 手を下ろして下さい...

お読み下さりありがとうございます。

改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。

   あくまでもなるべくです。

   内容は変えておりません。(21年1月27日)

「降参...参ったね。さすが(あおい)さん。どうやってかは詳しく説明出来ないけども...」


 ...手の平を下にして、次元収納からあの男が持っていたナイフを皆から見えない様に出現させ、すっと手の平を返し、見える様に出してみる。

 やっぱ一流の手品師が出来るな。

 刃に付着している、血糊が事件性を物語っている。

 一同は驚きの表情となる。


「あの男に取り付いていたのは、ぼんやり黒くて痩せぎすで指?爪?が異様に長い奴でしたよ。

 切り刻むのが趣味っぽい印象を受けました。

 何かキレッキレで話が通じなさそうだから、戦闘態勢になって、何とか倒せたみたいです。

 あっ、塵のように粉々になったからそう見えただけかもしれませんが...」


 ナイフを|蒼さんに渡す。


「事件発生が確認出来ず、誤報という事で処理されましたのでナイフは必要ありませんが...

 お話から推測すると『リッパー』辺りが候補となりますが、そうなりますと事件等級が一階級上がり、被害想定数百人規模の一級事件となり、分家への応援要請を出さなければいけない事案でした...詳しくはお話聞かせて頂けませんか?」


「話せる範囲でなら...」


ティアさんが居る事、別世界を展開させて倒した事以外は大概は説明した。

 目立ちたくはないので控え目に話してみる。

 皆、息を呑みながら聞いている...


「私も目を離したつもりは無かったんですけど...

 有っても瞬き(まばた)程度です...

 その間でリッパー撃破、治療、痕跡削除ですか...」


 (あけみ)さんは感心した様子、と。

 ...痕跡を消したのはティアさんだけどね...


「私は分かる気がする。

 私が昨日の夜から用意した人払いの結界を、解除ではなく破壊されましたし」


 (はるか)さんは納得している様子。


「魔力の発動を感じさせず、これ程見事な結界を即座に構築出来るんだから何でも有りよね」


 (あきら)さん、店長は...軽いね...


(一度見させてもらったらアレンジでも上手くいくようだ)


『知力も上がってますから、聖さんならこの程度は片手間でできますわね』


(ティアさん、持ち上げ過ぎです。

 にしてもティアさんが居る事はバレませんね...)


『元々、妖精は隠れる事が得意ですのよ。

 彼女達が本気を出して見ようとすれば、()()()()()()()()()()()とすれば見えますわね』


 ...霊獣、ね。神格が与えられた霊獣...

 確かに俺の事も分かってそうだ...


「私は...聖様には危険な事をして欲しくはない...と思っております。

 例え、偶然であったとしても...

 対処できるお力を持っていたとしても。

 今後は私達に任せてもらいたいと思っております。

 聖様は、ご自分が考えられている以上に大切なお方なのです」


 一同、頷く。

 そこ迄言われると勘違いしそうで怖いです...

 照れ隠しっぽくなってはしまうけれど...


「皆さんお腹空いてません?

 俺はちょっと腹減ってきましたよ。

 取り敢えずは、白さんと蒼さんのコーヒーと皆でサンドイッチでも食べながら話しません?

 玄さん、お願いできるかな?」


 玄さんがハッとなって立ち上がる。


「申し訳ありません。すぐにご用意してきます」


 慌てて、厨房の方へ駆け出す。

 奥の方で何やら魔力を感じる。

 調理に使う魔法って何なんだろう?


 俺にも出来るかな?

 今度、見させてもらおう...


「皆からの話、聖様のお話、今この店に張られている結界、どれを取っても信じられない様なお力なのですが...

 私達の事もやはり判っておられますか?」


 蒼さんがスプーンから俺の方へ視線を戻し訊ねる。


「お待たせしました‼当店自慢のサンドイッチです‼」



「早っ!!!」


 やっぱり魔法を使った調理も今度見させてもらおう...


 玄さんがトレイにコーヒーと大きな皿に山盛りのサンドイッチを載せてパタパタと戻って来た。

 ...魔法って凄いね...

 コーヒーとサンドイッチをテーブルに置き、席に着く。


「ありがとう。

 凄いね、この量を短時間で作れるなんて。

 今度魔法を使った調理を見させてよ」


「仰って頂ければいつでも構いません。

 今からでも」


「「今はないでしょ...」」


 白さんと朱さんが突っ込む。


「まぁ、今度お店に来た時でも。

 って、丁度良かった。

 蒼さんからの質問で皆さんの事が「判ってるか?」の答えですが...

 朱さんが朱雀、玄さんが玄武、白さんが白虎、そして蒼さんが青龍。

 四神とされる霊獣から守護されているのが分かりますね。

 判ったのは今日ですが...今でも見えていますよ。

 ...えっと、頂きます」


 サンドイッチを一つ手に取り、齧り付く。

 ここのサンドイッチが美味いんだな〜。


「やはり、聖霊眼もお持ちなのですね。

 私達でも守護霊獣を通してしか見れないのですけど...

 守護霊獣の力を使うのも魔力が必要なので、必要のある時しか使いませんが...」


...へぇ、聖霊眼って言うんだ...


『聖さんの場合は神眼となりますね』


 ...そう言われる予感もしてましたよ。

 ...顔に出ない様に心の中で呟くと、ティアさんもニッコリ笑顔を返してくれる。


「今日、バイト中も凄かったんですけど...

 何をされていたんですか?

 魔力よりももっと凄い何かを感じたのですが...」


 朱さんがバイト中に練習していた時の事を訊ねてくる。


「魔法って便利だなって思って、皿洗いが出来るかどうか練習してたよ。

 後落としそうになった食器を受け止めたりとか」


 少し、論点をずらして話をする。

 聞きたい事は神威だろうけど...


「これからは食器を割る事も有りませんわね。

 どんどん練習して下さい」


 クスクス笑いながら白さんが茶化してくる。


 ...今までチョクチョク割っちゃってすみません、店長...


 それとちょっとズレてます...


「いや、出来るかな〜って確認の為ですからね。

 盛大にはしませんからね。

 後、折角作ってもらったサンドイッチ、食べましょうよ。

 美味しいですよ」


 こんなに大勢で食べたのは家族と食事をしていた時以来かな?

 ワイワイやりながら食べるのも良いかも。


 もう一つ取りながら口元に持っていきつつ、少量をティアさんの手元に転移、上手くいったかな?


『あら、ありがとうございます。

 かなりの精度で制御出来る様になりましたね。

 流石ですわ』


 どうやら、ティアさんから合格点をもらえた様だ。


「で、あの話は賢様にはしたの?」

 蒼さんが女性陣に問いかける。


「いえ、まだです...」

 玄さんが歯切れ悪く答える。


「その手前のご説明で一杯一杯でして」

 朱さんは苦笑い。


「蒼への態度を見てる限りでは私にもチャンスが有るわね」

 店長は肉食っぽい事を言っている...


「「「説明お願いします!蒼さんから!」」」


 ...そんなに力んで何を?...


「はぁ、仕方無いわね」


 ...蒼さんが渋々話し出す。


「賢様、

 先ずはご家族の件ですが私達も賢様と同様に思っております。

 何も手掛かりが無い状況ではありますが、手掛かりが見付かった場合は一族総出で捜索致します。

 我々一族は家族同様に結束が硬いのです。

 私が賢様のお世話をさせて頂いていたのも、仕事だったからではなく、家族と感じていたからです」


「「「私もです‼」」」


 ん?

 皆の話を聞く限りでは、これまで気を遣ってくれていたんだなぁって思ったのは間違いないけど、この力の入り具合はさっきと何か違う様な?


「もう、変な横槍を入れないで。

 じゃあ、そういう事にしておいて...本題です。

 なるべくなら、賢様には分家から嫁を取って頂きたいのですが...」


 あぁ、そういう話ですか...


「何か決まり事とかあってそうしなければならないのですか?」


 俺は、蒼さんに聞き返す。


「一つは一族の秘匿の為。

 もう一つは現代において異能の血の拡散を防ぐ為。

 最後に一族の結束を固める為。

 昔は強制力の強い掟()()()


...過去形...


「聖様の場合は場合が場合だけに何と申しましょうか...

 強制的に従わせる人が居ないのです...

 今の所、決まり事は分家会で話し合われて決定されていますが、本来分家会での決定事項は本家に意見を上申するまでの権限しかなく、あくまで本家が最終決定権を持ちます」


 ...なる程、親父は大変な仕事してたんだな...


「そして、現時点でご健在なのは、賢様お一人です」


 ...蒼さんの説得もあって大学には通っているけども、本当ならすぐにでも手掛かりを探しに行きたいんだけどな。

 それにしても将来が危ない決まり事なのでは?


「遺伝的に近い人と子供ができた時、遺伝的に問題が生じると聞いた覚えがあるのですが...」


「ご安心下さい。

 現在の法律と照らし合わせて、3親等以内は除外されております。

 現在、該当する分家はございません。

 そして、重要な事なのですが...

 私達には表の戸籍が有りません。

 影が表に出る事はない...そういう事です」


...おう?それはびっくりだ...もしかして?


「当然、賢様にも表の戸籍は有りません。

 ですが無秩序状態とは違います。

 我々の世界として裏の戸籍が存在しその身元を保証しております。

 その保証が表の世界で適用されております」


 ...どれだけ、深く影に潜んでるの?

 そして融通効きすぎてるよ...


「古来より、世間が信じる、信じないに関わらず霊障、霊災は発生します。

 最大規模で国家潰滅まで予想される特級事案というのも存在します。

 過去発動されたのは一度ですが。

 そういった事案に対処出来るのは『(ひじり)の一族』のみ。

 超常の存在に軍隊は通用しません。

 しかし、我々が表に出れば世界が混乱する...

 古来より国と一族との間で取り交わされた約定となります」


...なる程、特殊部隊とか諜報部みたいなものか...


「話を戻しますと...

 家督を継がれるにしても継がれないにしても一族の中でご婚姻して頂きたく...

 というのが私達のお願いであります」


「この人でないと駄目って感じで決まっては居ないんですか?」


「昔は決まっておりましたが、現在では次期頭首のご意見を尊重する形となっております」


「父の守ってきた事はなるべく自分も守りたいとは思いますが、お付き合いもしていないのにいきなり結婚というのは自分的には少々無理ですね」


「私の知っている賢様ならそうお答えすると思っておりました。

 成人されるまでにお相手を決められれば問題はありません。

 あと、特例もございますが...」


 ここで、蒼さんは皆の顔を見渡す。

 皆は揃って首を横に振る。


 言えないってことか?


「特例に関しては、分家衆にここ数日間の報告をして判断を仰いでからと致します」


「秘密が多い一族だったんですね。

 寝耳に水な事ばかりです」


 苦笑いしつつ、サンドイッチをもう一つ、そしてティアさんにも小さい欠片を渡す。

 小さいサイズでモグモグしてるのも可愛い。

 あまり眺めすぎるとバレちゃうから駄目だね。

 意識を皆に戻し、気になっていた事を一つ聞いてみる。


「で、一族の女性の方で結婚とか婚約されていない方って居るんですか?」


「「「「はいっ‼」」」」


 皆して手を上げる。

 店長、蒼さん...ハリキリすぎです。

 でも、これまでの皆の様子を見てれば何となく分かるか...


「分かりましたから、手を下ろして下さい。

 今までそんな素振りなかったじゃないですか...」

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