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平凡を超えた超越者  作者: 髭猫
第一章 異能の目覚め
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第1話 天使が空から舞い降りる?

お読み下さりありがとうございます。

改稿1:なるべく読みやすく改稿してみました。

あくまでもなるべくです。

   内容は変えておりません。(21年1月26日)

『では、聖賢ひじりさとしさんの願いを叶えてあげましょう。

 願いを言ってください』


「すみませんが、少々お時間を頂けないでしょうか?

 ってこれは願いにはならないですよね?」


『ええ、お待ちしましょう。

 安心して下さい、願いにはなりませんよ』

 目の前の【存在】は、クスッと聞こえそうな微笑を返してくれた。


 よし、考える時間が貰えた...

 驚いたのは俺の名前を知っている事だったが...

 何故に『では』となるのかが分からない...

 

 目の前には魂が吸い込まれそうな美貌の女性顔の【存在】がいた。

 胸には膨らみが有り......

 性別が有れば女性だと言わざるを得ない。

 その【存在】は恐らくは【天使】だと思われる。

 何故に【天使】と思えるのか?簡単だ。


 3メートルは有ろうかと言う身長。

 その全身が黄金色の光に包まれ、絵画にも書かれている様な白い服を着ていて、背には左右6対の白い綺麗な羽が有る...。

 何より心の奥底から湧き上がってくる様な畏怖(いふ)の念が凄まじい。

 まぁ、【悪魔】に騙されているという線もあるんだろうが、どちらも見た事が無い以上そうであると思うしかない。

 【悪魔】だと湧き上がってくるのは恐怖だと思うし...。


 願いを考えようとするが、中々考えられない。


(いきなりは無理です…)


 その代わりに物心付いた頃からの記憶が甦ってくる。


 (()()さえなければ、まだ平凡な人生だったなぁ...。)


 それなりに人生の分岐点はあった筈なのだが、それまでに歩んできた道は平々凡々。


 格好良いでもなく格好悪いでもなく平凡。

 派手でもなく地味でもなく平凡。

 優等生でもなく劣等生でもなく平凡。

 体力、知力、向上心、野心も普通に平凡。

 努力、怠惰もまぁ、半々か。

 人に誇れる自分は無く、それを許容してきた平凡さ。


 けれど、何事も興味を持って趣味としてきたのが、深く悩まずに生活してこれた唯一の救いか。


 ()()()()までの17年間は誰しもが辿る様な平凡な人生。

 自分が選んできた分岐路は(ことごと)く人並であった。


 チャレンジも程々に大学もランクを落として受験をし、授業料無料となる特待生で合格とはなったが、敢えて非凡な選択をし、結果に結び付いたのを挙げるならその程度だ。


 本日3月31日が誕生日で、めでたく18才となったが祝ってくれる人が一人もいない..........。

 ()()()()が原因の一つとも言える。


 俺は去年の誕生日前に家族を亡くしている。

 両親と三才下の妹だ。


 車の運転中に山道で事故を起こし、谷底へ転落、死亡したらしい。

 らしい、と言うのは谷へ落ちた車の中からは遺体が見つかっていないからだ。


 警察が家に来て状況を説明してくれ、現場まで送ってくれた。

 車を確認した後、俺は必死になって周辺を捜し回った。

 当然、遺体も無いのに死んだとは到底考えられない。


 事故が起きてから発見が異常な程早かった事もあり、希望も捨てられなかった。

 陽が落ち、スマートフォンのライトを頼りに何時間も捜し回ったが、電源が切れるまで何も見つからなかった。

 婦人警官が一人、俺に付きあって一緒に捜してくれていた。

 帰りも自宅まで送ってくれたが、車中では絶望と希望が綯交(ないま)ぜになり何も喋る事は出来なかった。


 後日、出血量からして生存は厳しいとの判断から遺体が見つからないまま、事故死と処理された。


 何もかも絶望していた俺に、事故当時付き添ってくれていた婦人警官は親身になって色々と世話をしてくれていた。

 その人が居なかったらその後の俺は大学も辞退して廃人になっていたかもしれない。

 今、普通に生活出来ているのもその人のお陰だと思っている。

 他には、誰も居ない。


 誕生日を一人で過ごすもう一つの原因は、そう...友人や恋人が居ない。


 所謂(いわゆる)、ぼっち......


 平凡過ぎる故か恋人は18年間おらず、告白はしてきたものの返事はいつも「平凡過ぎてちょっと無理」であった。

 好きで平凡しているわけじゃないのになぁ...。


 同じ趣味を持っていた人達が友人とも言えなくはなかったが、事故後一切会うことは無かった。

 何度か誘われてはいたが、そんな気分になれなかった。

 他人と自分の境遇をどうしても比較してしまい、辛くなってしまうのだ。


 今日だって...。


 今日は誕生日と90年振りとなるエクストラ・スーパームーンという天体ショーが重なるという奇跡の日だった。

 趣味の一つが天文だった為、少々興奮気味。

 アルバイト先で同じシフトの女子に「バイト後、近くの公園に見に行かない?」と誕生日である事を隠しつつも聞いてみる。

 誕生日と告げてしまうと、重くて100%断られるだろうしね。


 結果は「ごめん、今日は他に用事があるから」


 軽い感じのお断り。うん、予想通り。

 

 そんな状況を寂しいとも思えない時点で、未だ精神的に病んでいるのかな?

 何気に誘っただけだったし断られたらしょうがないよね、と諦めも早い。


 バイトが終わった後、一旦自宅に戻ってカメラを持ってこの公園に来た。

 公園を選んだ理由は二つ。

 街灯が少な目であった事と、中央に直径10メートル程の池とその中に噴水が有ったからだ。

 噴水を前景に月を撮ったら幻想的な仕上がりとなり記念になると考えて。


 最大となる時間までは後約10分。


 間に合った...。


 三脚とカメラを接続し、手早くカメラに月撮影用のフィルターを取り付け、画面で明るさを調整する。


 (噴水も満月に照らされて、それなりの明るさだから、いい写真が撮れるよ。

 にしても、他に人が居ないなぁ。

 皆、興味が無いのかなぁ)


 時間は後1分も無い。

 カメラに手を添える。

 画面から見える満月は赤みがかっている...


 ん?月食じゃあないんだから色は変わらないでしょ...


 夜空を見上げると、そこには皆既月食の時に見た月より更に赤みが強い満月が...。

 その時、噴水が眩いばかりの光で照らされた。


(はぁっ⁉誰だ?迷惑な事しやがって‼)

 辺りを見回しても...(誰も居ない?)

 よく見たら、真上から光が当ってる...


 恐る恐る上の方へ目線を移すと光の柱の中を何かが降りてくる。

 段々近付いてきてる筈なのにいつまでも焦点が合わず、輪郭がぼやけている様に見える。


 噴水の真上に留まるその存在。


『ようやくお会いする事ができました』


 耳からというより人の声が脳に直接響いている感じだった。

 感じると共にはっきりしてくる輪郭...と同時に光の柱は粉々に分解される様に消滅していき、光輝く存在のみとなり...あれは⁉


 続く言葉が...


『では、聖賢さんの願いを叶えてあげましょう。

 願いを言ってください』

 

(何故にそうなるっ!?

 ...あぁ、一周したか...

 で、願いを叶えると言われても...

 少し喋りながら考えてみよう...

 未だ怪しさ爆発的だし...)


「今日は僕の誕生日です。

 誕生日のプレゼントとかでしょうか?」


(もし、今の記憶を持って過去に戻ったら現状は同じだろうか?...)


『はい、知ってますよ。

 当然そのつもりです』


(違う選択をしてきたら、違う結果となっていただろうか?...

 ん?知ってる?すっごい綺麗な微笑だ...)


「どうして知ってるのでしょう?」


『知っていたからこそ、この場を設けられたからです。

 今日、この時が最良なのです。

 願いは...今思ってらっしゃる事で良いですか?』


 「っ!?、声に出すまでお待ち頂けると有り難いです」


 焦りながら答える。

 また、クスッと笑われた。

 考えている事まで解るのか...気を付けよう。

 気になる事ばかり聞かされてますが...

 何から聞けば良いかも分からないし...


 記憶を持って過去に戻るという禁断とも言える願いは有りなのか?

 答えが解っている問題をわざわざ間違える人もいない。

 ただ、学問上で問われる事と違って、人が生きていく上で問われる行動には定められた答えが無い。

 複雑に絡み合った答えの結果が現状と理解している。


 故に...


(過去に戻ったとしても、同じ結果なんだろうなぁ...

 だったらそんな事は無意味...)


 これまでの記憶が走馬灯の様に流れる中、結論に辿り着くまでどれ位時間が経っただろうか?

 感覚的には5分程度であるが、あまり待たせるのも恐れ多いと腕時計を見ると...。


 1秒も経っていない。


 凄い出来事のあまり周りが見えていなかった。

 よく見ると噴水の飛沫も宙で止まっている。


(時間が止まっているのか?

 ...成程、時間を止める事も出来るのか。

 ...凄いなぁ。

 ...何でも出来ちゃうんだろうなぁ)


(こうやって直ぐに決められず、色々と考えてしまうのも平凡になっちゃう原因なのだろうか?)


『ではこれは如何でしょうか?

 ...あなたが行動する時に必ず二択から選べれる様にする。

 その選択で新たな道が切り開かれる。』


 僕は息をするのを忘れて見つめてしまう。

 決して平凡に嫌気が刺していた訳ではないが、優柔不断な自分に辟易(へきえき)もしていた。

 丁度良い機会ではないだろうか。

 これからの未来に一歩を踏み出す...

 二択なら選ぶのは簡単だろう。


「自分で意見を言えなかったのは、少々恥ずかしくもありますが...

 その二択は最良と最悪の二択でしょうか?」


(本当にそんな事が可能かどうかはさておき、そうして貰えると非常に分かりやすい....

 なんせ「はい」「いいえ」でも二択と考えられるのだから)


『いえ、どちらを選んでも貴方にとっては最高となるでしょう』


(えっ⁉じゃあ、失敗したなぁって思う事は無くなる?)


『あくまでも貴方ならこうするという選択肢の中から最高の結果に繋がる二つが選ばれますから、その時失敗だと思っても後に正解と思えるでしょう』


(また心を読まれた...

 もう、このまま会話しても変わらないなぁ。

 すんごい貴重な体験だよね、これって。

 人に話せば病院を勧められるだろうけど。

 "是非に及ばず"って言いたくなる位の誕生日プレゼントだよ...)


『では、それに致しましょう。

 ガイド役にこの者を側に付かせましょう。

 この者から選択が示されます。』


 この言葉と同時に目の前に掌サイズの...またもや美しい女性?が浮かんでいた。

 背にはキラキラと輝く瑠璃色を基調とした蝶の様な羽、服はこれまたキラキラとした綺麗な緑色のドレスに身を包み、頭にはティアラが...


(まさかの妖精では?)

初投稿となります。

掲載は不定期とさせて頂きますが、ほぼ1週間程度を予定しております。

今後とも宜しくお願いします。

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