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『次元融合』〜ゲームに侵食された世界【不屈の冒険魂ISAO外伝】  作者: 漂鳥
第3章 行進

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26 果敢

 


 新月まではしばらくある。


 各自パワーレベリングの続行と、スキルレベル上げに励もうということになった。クウォントから一緒に来た人たちとレオは、ミースの部隊と合流して、パワーレベリングに臨む。


 俺?


 仲間外れにされたわけじゃないよ。俺は、ギルド訓練所を利用して積極的にスキルレベル上げをする予定だ。




 今回の攻略における問題点は、魔法職の少なさにある。


 敵は全てアンデッド。


 本来なら光魔法か火魔法で雑魚を一斉掃討できたはずだ。だが、現状では、人材不足からそれができない。そうなると、魔法以外に対抗できるのは、闇特効武器による攻撃になる……でも、それもそう簡単な話じゃなかった。



不死者(アンデッド)()行進(パニック)


 イベント名で分かるように、パニックになるくらい、大量に各種アンデッドが湧き出てくる。


 一体一体、刀で切っているんじゃ間に合わないってことだ。



 だけど、俺とレオはゲーム経験者で、かつSR種族。先陣を切るのはほぼ確実。ここで是非とも欲しくなるのが、範囲攻撃スキルになる。


 ところが、SR種族は本ゲームから導入されたので、βテストでの情報がない。だから、次にどんな種族スキルが来るかは、似たようなR種族を参考に推測するしかなかった。


 その種族スキルだが、レオは、レベル30になった時に範囲攻撃スキルが出てくる可能性があるので、レベリングを優先。


 俺は、先日レベル41になった時に、刀術の範囲攻撃を取れたので、その威力を上げるのを優先。ギルド訓練所でスキルレベルを上げることにした。ちなみに、ギルドランクは「ゴールド」に上がっている。



「レオ、また後でな」


「おう。源次郎も頑張れよ」



 朝食後、レオや父、他のメンバーと別れた。


 早速その足でハンティングギルドに向かう。さて、ここの訓練所の教官は、どんな人(NPC)なのかな? 



 *

 *

 *




「貴殿が修行を希望する者か。早速かかってくるがよい」



 うわー。二刀流かよ。それに見るからに侍。


 いかにも剣術指南役っていう感じの教官が出てきて、その両手には刀。


 二刀流は、以前動画でその動きを観たことはある。だけど、対戦するのは初めてだ。二刀流相手って、どう動けばいいんだったっけ?



 教官は、左手に大刀を片手上段、右手に小刀を中段にとっている。「逆二刀」ってやつだな。


 うーん。打ち込める場所が……ないわ。


 二刀流は「防御が固い」って聞いたことがあるけど、固いどころか鉄壁じゃん。


 間合いもはかるのが難しい。自分の間合いは大刀なのに、相手の間合いは小刀だからだ。


 中段で中心を取ってみるが、なんか違う。そして、小刀が邪魔。


 ……対上段と思えばいいのかな?



 剣先を少し開いて、ちょい右上に外してみる。


 おりゃ! 打ち込み!


 ガツッ! お互いの刀身と鍔が激しくぶつかる。


 鍔迫り合いだ……そりゃあ、こうなるよな。


 チッ!


 足を使って崩すか。


 一旦離れ、反時計回りに回り込みながら、攻撃を入れる隙を伺う。


 突きだ! 外された。


 左から!


 ……と見せて、右!


 〈ガシッ!〉


 防がれたか。


 攻め合いが続くが、なかなか崩せない。


 クソッ!


 こうなったら、攻めて攻めて攻め続けるぞ!


 何事も経験だ!



 *



 ……で、初日はボッコボコにされた。


 教官、マジ半端ない強さ。


 オルレインの教官みたいなゲーム的トリッキーさじゃなくて、隙のない強さっていうの?


 何を仕掛けても返されちゃう。守備力高過ぎ。


 そして、大刀と小刀の連携が凄い。小刀に気をとられて、こっちが隙を見せると、すかさず片手上段がパーン!って飛んでくるし。


「もっと果敢に攻めて来い!」って何度も言われて頑張ったけど、まだまだ力及ばずだ。


 うーん。


 もっとスピードがいるな。


 俺が付け入る隙があるとすれば、フットワークと剣速、つまり振りの速さだ。


 思い切りよく間合いを詰めるのも大事。


 ……突きを磨くのも有効かな。しつこくやってたら、嫌がってる感じがしたもんな。


 迷ってたらアウトだ。


 あとは実戦経験を積んでいくしかないか。


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