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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第95話「エレベーター」

「まさか本当にあるとは思わなかった。」

 私は、呆然とした。どうせエレベーターと見せかけた拷問器具とかそういうもの

だと予測してたが、完全に的が外れたようだ。

 鉄の扉の横に三角形のボタンがある。上向の三角系と下向の三角形だ。これはど

こからどう見ても、エレベーターだろう。


「キサマ、オレタチヲ、シンヨウシテイナカッタノカ。」

「絶対に裏切るって方を信用しているよ!」

「クッ。ナンテヤツダ。」


 いやいや、すぐに敵を信用する奴なんてどこにいるんだよ。今まで優しかったキ

ャラクターが突然裏切ったり、実はスパイだったとかよくある話だろう。私も子供

の頃は騙されたが、その経験があって信用しないようにしているだけだ。


「で、ここから1階まで行けるのか?」

「イイヤ、50カイマデダ。」


 ちょうど半分か。そこに何かがあるってことなんだろうが、予想が当たりすぎて

怖くなってきたぞ。

「じゃあそこのイッピキメとニヒキメは何があるか分かる?」


「ソレハ・・・。」

 リザードマンたちは言い淀んだ。何だ、まさかこの塔の動力炉でもあるなんて言

わないよな。よし、ちょっと言ってみるか。


「どうせ、動力炉でもあるってことなんだろ?」

「イヤ、ソンナモノハナイ。」

 あれまあ、はずれたか。じゃあ何があるって言うんだ。

 

「この塔の主、がいるのではないか?」

くろごまが指摘する。ああうん。ボスはいるだろうね。


「・・・。トウノアルジハ、オソロシクキョウボウダ。」

「オイ、イッピキメ。」

「イヤ、コノサイダ。ココデハナシテシマオウ。」

何だこいつら。突然同情して欲しそうな雰囲気を出してきたぞ。やめろ。


「うわー。私、こういう話嫌いなんですよ。お涙頂戴な話が始まるならさっさと結

論だけ言ってください。」

 エリーちゃんが文句を言ってくれたおかげで、リザードマンたちはしかめっつら

をしながらも話し始めた。


「「トラゴン」サマ。ソレガコノトウノアルジダ。」


はい? ドラゴンじゃなくてトラゴン? なんか気が抜ける名前だなあ。虎のこと

を言ってるのか実はドラゴンなのか意味が分からないよ。


「ドラゴンじゃないチウ?」

「トラゴンサマダ。」

「ドラゴンなのか?」

「トラダ。」


 結局虎かい。なんなんだそのネーミングセンスはと思ったが、名前を持っている

と言うモンスターは初めてだな。虎のトラゴンねえ。だめだ。こいつ名前間違って

いるんじゃないのかとツッコミを入れたくなる。


「トラゴンサマヲ「ドラゴン」トイッテハナランゾ。イカリデアバレダス。」

 それはいいことを聞いたな。相手を怒らせるというのもある意味では役に立つこ

とがあるわけだし。怒りで尋常じゃなく強化されたらそれどころじゃないけど。


「暴れるって言うけど、どんなもんなの?」

「ミサカイナクコウゲキシニクルゾ。オレタチモコロサレカケタコトガアル。」

 生きてるならまあ平気だな。トラゴンっていうのがどんなものなのかは分からな

いけれど、この塔のボスで戦わなければいけないのならやるしかないよな。


「50階に行こう。そんでそのボスを倒せばまたエレベーターがあるの?」

「ナンダト? マサカトラゴンサマをタオソウトイウノカ?」

「この塔からでたいんですよ。だからそんな奴はさっさとぶちのめすんです!」


「コノトウカラ・・・デル・・・。」

 リザードマン達が、何か遠い目をしている。おい、そういうのは後にしてくれ。

私達はこの塔からでて、薬草狩りにいくのが目的なんだからな。いつまでもこの塔

の中に篭っているわけにはいかないんだよ。


「私達は、必ずそのトラゴンという奴を倒さねばならぬのだ。恐らく私達の邪魔を

するであろうからな。」

 50階にいくけどはいそこ通してってことにはならないだろう。それは間違いない。

それにしても虎のモンスターかあ。こいつらは龍だとすると、やっぱり十二支が関

係しているのかなあ。


「ねこますさん。ため息ついてどうしたんですか?」

「いやあ。面倒くさい奴と戦わなければいけないってことがね。」

「そうですよね。ここの主ってことはあの蟷螂よりも強いってことでしょうしきっ

と苦戦しますよね。」


ああ、そういえばそうか。あいつよりも強いとかいよいよやばいかもしれない。で

もここを通り抜けられないってことは未来永劫閉じ込められているようなことにな

ってしまうからなあ。


「大丈夫ですよ私達なら! この塔を出るためなら、トラゴンなんて奴は必ず倒し

ます! ええ、絶対に出ますよ。」

なんだかなあ。エリーちゃんのノリがたまによく分からなくなるな。ここから脱出

したいという勢いは分かるけど。


「それじゃあ、とにかくエレベーターに乗るか。このエレベーター乗ってボタンで

も押せばそのトラゴンって奴のとこまでいけるの?」

「ソウダ。ダガイイノカ? トラゴンサマニサカラッテイキテイタモノナドイママ

デダレモイナイノダゾ。」


「じゃあ私が生き残り第一号になってやるよ。」

「では私が二号で。」

「あっずるいですよ~! 私が三号ですか。」

「僕は四号チウ?」


 今気づいたが、一人称で私が多いな。くろごまとか某とか拙者でもいいんじゃな

いかな。あとエリーちゃんは「あたし」とか。


「どうしました。マスター?」

私はくろごまを凝視する。うん。やっぱり似合うだろう。

「くろごまは一人称拙者とかいいかも。どう?」

「ど、どうと言われましても。」

「あってるかもしれないですね!」

「エリーちゃんは私じゃなくてあたしがいいかも。」

「そうですか?」

「はい! じゃあ二人は一人称を変えよう! イェイ! 異論は認めんぞ!」


「わかりました。って話が脱線してますよ! トラゴンを倒すって話です!」

「今から行くよ。」


 ここでそいつを倒さない限りはどうにもならないってことなんだし、やるしかな

い。それができないならこの塔で延々と過ごさなきゃいけないってことになるし、

それは嫌だ。


「ぽちっとな。」

エレベーターの下向の三角を押すと歯車が回る音が聞こえる。


「ホントウニ、トラゴンサマヲタオセルトオモッテイルノカ。」

「オマエラ、スゴイナ。」


褒めても何もでないが悪い気はしない。それにしてもトラゴンはそこまで恐ろしい

相手何だろうか。


「あっ。この流れで言うのもなんだけれど、私達がこのエレベーターに乗った後お

前らは引っかかったな!とかいうと思っているからよろしく。」

「オイ。ソンナコトハシナイゾ。」

「ソウダ。トラゴンサマヲタオストイウノナラ、オレラハトメナイ。」


なんだよ、様とか言ってるくせに嫌いなんじゃないか。クソ上司ってことか。する

となんだ、こいつらにとってみれば目の上のたんこぶがなくなって幸運ってことに

なるのか、うわ。なんかくやしいな。


「お前ら、覚えてろよ。」

「アア、、オマエタチノコトハワスレナイ。」

「タッシャデナ。」


 私達はエレベーターに乗り込む。○いボタンが沢山あるがその中で50と書いて

あ るものがあったのでそれを押す。


「じゃあみんな行くよ。」

「絶対にトラゴンを倒しましょう!」

「ええ。やりましょう。」

「僕、トラゴン倒したら、また蟷螂食べたいチウ。」

 おっと、ねずおだけフラグがたったな。エリーちゃんが、ダメだよそういうこと

を言っちゃと注意するがもう遅いだろう。


そして扉が閉じる瞬間。


「ヒッカカカッタ、ナ。」

「噛むなよ。」

「スマン。」

「ああ。」


こんなやり取りがあった。うん。まぁなんかリザードマンの馬鹿二匹はちょっとだ

け面白かったな。みんな笑っているよ。

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