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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第94話「案内をするんだ」

「しっかり案内しろよ! ほれ、きりきり歩かんか! また鞭で打たれたいか!」

 というわけで、リザードマン二匹を前方に立たせて、道案内をさせることにした

のであった。

 一度こういうキャラを演じてみたかったので、なかなか楽しい。新鮮な気持ちに

なって楽しめている。


「グググ。キサマオボエテイロヨ。」

「無駄口を叩くな!オラッ!」

「ギアーッ!」

「ナ、ナゼオレヲネラワナイ!?」

「こういう時は仲間を狙う方がより効果的だからなあ。フフフ。」


「ねこますさん。悪役がよく似合っていますね。」

 エリーちゃんが唖然としてこちらを見てくる。だって楽しいし。今までゲームで

プレイしてきた悪役キャラなんかもこういうセリフを沢山吐いていたのをよく覚え

ている。


「ゲドウメ。」

「そんなんいいからさー。さっさと隠し部屋に案内してくんない?」

「グググ。」


 こいつらをとっちめたときに、隠し部屋、すなわちエレベーターのある場所を吐

かせることに成功したのだった。なに、ちょっと電撃の鞭でひたすら叩き続けただ

けなんだけどね。


「マスター。こやつらが本当に案内するとは限りませんが。」

「あぁそのあたりも大丈夫。こいつらが裏切ったらきちんと制裁を与えるから。」

 ちなみに今は、リザードマン二匹が裏切る事前提で動いている。どうせこいつ

ら罠のある場所まで誘い込んで攻撃しようって魂胆だろうからな。それが発覚し

た後で、二匹まとめて仲良くあの世に送ってやるということだ。


 私に逆らう奴には容赦しないのだ。

 

「さっきから同じ所をぐるぐる回っている気がするチウ。」

「そうですね。嘘ついているんじゃないですか?」

「何か仕掛けてきそうですね。」


 ある道順通りに移動すると、隠し部屋に行けるようになるということなんだろう

か。いや、この二匹は馬鹿っぽいしそんなことを覚えていられそうな気がしない。


「ココヲ、コッチダナ。」

「アア、コッチダコッチダ。グフフ。」


 私達が後ろから見ているってのに、この馬鹿リザードマン二匹が下種な笑いをし

ているんだもんなあ。明らかに騙そうとしている。実はこれがわざとだったりした

ら策士だとは思うが。


「サイゴニ、ココダ。」

二匹が動きを止め、一方のリザードマンが、壁に前に立ち、

「ヒラケーゴマァ!」

「安直ううううう!」

「うわああああ。定番過ぎて逆に感動します!」


まさかそれが隠し部屋に行くためのキーワードだったのか。あまりに定番過ぎる。


「む? 壁が。」

 壁が少しずつ左右に開いていく。おうおう。どうせここに猛獣がいたり極悪な罠

があったりするんだろう。この般若レディことねこます様を騙そうったってそう

はいかないぞ。


「先に一匹入れ、そして私とくろごまが入る。」

「ナンダト・・・。ググ。マアイイダロウ。」

 人質分断作戦だ。私達に何かあれば、ここに残った奴をエリーちゃんが雷の魔法

で処分するだろう。


「中が暗いけど明るくできないの?」

「ソウイウバショナノダ。」

「ほー。じゃあこれならどうだ。照眼!」


 ライトコンタクトレンズのスキルである照眼を使ってみることにした。おっ。見

えるな。私の目が照明になって辺りを照らす。これは、私自身が眩しくて見えない

というのがないぞ!

 どうせ、自分も眩しくなって使えくなるだろうなんて考えたいたらこれは意外だ

ったな。


「これ、すごいな。」

「圧巻ですな。」

「コノヨウニナッテイタノカ・・・。」


 その部屋の中では、沢山の歯車が動いていた。何がどういう風になっているのか

よく分からないが、とにかく圧倒される数の歯車が動いている。エレベーターがあ

るというのは信憑性をが高くなってきたぞ。


 あと、これは恐らく塔が地底から浮上するにあたって使われた機関でもあるだろ

う。こんなすごい構造物になっていたとは恐れ入った。

「コノオクニ、オマエノイウ、エレベータートイウノガアル。ツイテコイ。」

 そっけない態度のリザードマンだった。いやあ。嘘だと疑っていたのはちょっと

だけ悪かったと反省しないとな。とはいえ襲い掛かられたんだからこれくらいで信

用しないけどね。


「ねこますさーん。私達もいきます?」

「おう、安全そうだから、二匹目連れてこっちきて」

「ム。ニヒキメトイウノハオレノコトカ?」

「そうだよ。」

「ニヒキメ。イイナマエダ。ヨシ。コンドカラオレハニヒキメトナノロウ。」


 なんじゃそりゃ。こいつらのセンスはどうなっているんだ。馬鹿と天才は紙一重

というがそういうもんなのだろうか。


「オッ。オイ。オレハナンテヨバレタライインダ!?」

え、じゃあイッピキメにしておくか?


「イッピキメ。ウウム。イイナマエダ。トキメクゾ。」

 ときめくなよ。なんでときめくんだよ。お前らなんなんだやめろよ。私を笑い死

にさせるつもりなのか。なんでリザードマンがときめくとか言うんだ。やめろお前。


「ヨシ、デハイクゾ。ニヒキメ。」

「アア、イッピキメ。イコウジャナイカ。」

お前ら普段なんて呼び合っていたんだよ。やれやれ。なんか気が抜けてくるが、す

ごい勢いでエレベーターを発見できることになったようだぞ。

あと10階くらいは降りることを覚悟していたのに、すごい幸運だな。


「なんか、調子よく進み過ぎて怖いですね。」

「私もそう思う。こういう時悪いことが起きるから、みんな気を引き締めてね。」

とんとん拍子で事が進む時こそ注意が必要だ。さて、本当の本当にエレベーターが

あるのか分からないが、今は期待して進むとしよう。

敵に捕まって捕虜にされてきりきり歩かんか!ってイベントはよくやりましたが

逆に敵を捕まえてきりきり歩かんか!ってやったことがないのでこういう話にしてみました。

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