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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第91話「隠し部屋を探そう」

「くっ。美味しい! オークの癖に!」

 エリーちゃんは、オークの肉をがつがつと食べていた。かなり美味しそうな匂い

が漂ってきたので我慢しきれなくなったようだ。私も、こんがりと焼けたオークの

肉を食べたが、素直に美味しいと思った。うんまい!


「そうだ。エリーちゃん。この槍はいらないの?」

「オークの持ち物なんていらないので、ねこますさん。よろしかったらどうぞ。」

 というわけで、オークが持っていた槍は私が貰うことにした。アイテムインベン

トリに入るかなあ?


メッセージ:オークの槍を手に入れました。


 おっ。やったやった。これなら、アイテムインベントリに入るな。どれ、何かス

キルがあるかもしれないし装備してみるか。

 

「特に何も起こらない。はずれかな。」

「オークの槍なんて所詮そんなものなんですよ! オークなんてゴミクズです!」

 その肉を巧そうに食べているというのに辛辣だなあ。オークって意外とメジャー

なモンスターなはずなので、世界中のオークファンがいたら悲しむだろうな。どこ

までいるか知らないけれど。

 

「エリーちゃん。とりあえず、これも食べよっか。」

「う。すみません。ありがとうございます・・・!」

 ドラゴンフルーツを食べて魔力を回復してもらうことにした。あれだけ無駄撃ち

してしまったのだから仕方がない。そんな状況でばつが悪かったようで、申し訳な

さそうに食べるエリーちゃんだった。


「まだまだ先は長いからねえ。でも早くこの塔から出たいなあ。」

「私も早く外にでたいです。正確にはここじゃないどこかに行きたいだけですが。」

 そりゃ篭りっぱなしだと出たくなるのはよく分かる。


「夢を壊すようで申し訳ないですが、この下には荒れ地が広がっていますよ。」

「荒れ地でもどこでもいいよー。 ここから外に出られるなら。ふふふ。」

「僕も出てみたいチウ。」


 閉鎖的な所にずっといると気が滅入ってしまうっていうのはあるよね。私として

もエリーちゃんやねずおを早く外に出してあげたいという気持ちはある。この塔が

ここまで高くなければ良かったのになあ。


「この塔なあ。高くてすごいっていってもなあ。」

 高くて見晴らしがいいと言えばそうかもしれないけれど、そんなのは最初のうち

だけだ。第一、ここまで登るのも時間がかかるくらいだし、何度も来たくなる場所

ではないだろうし。エレベーターでもあれば別だけれど、いちいち登るのは面倒く

さいだけだ。


「タワーマンションの最上階の人って大変そうだなあ。。」

「ということは、ねこますさんは、最上階に住んでいるセレブではないってことで

すね!」

「うん。そんなんじゃないね。」


 セレブだったら仕事もしないで毎日ゲーム三昧だっただろうなあ。まぁ今でも結

構ゲームをしているけど。


「エレベーターでもあれば簡単に移動できるんですけどねえ。ないんですかね。」

 おっと、エリーちゃんも私と同じことを思っていたようだ。これだけ高い塔なん

だからそういうのがあってもおかしくないんだろうけど。


「どこかに隠れていてもいいとは思うけど、エリーちゃんは盗賊だしそういうの

探せるんじゃないかな?」

「んーここまでで何かないか探してみてますが今のところはないですね。脱出ゲーム

みたいに、あらゆるところを見て回ればあるいは違っていたかもしれません。」


「チウ? 怪しい部屋を探しているチウ?」

「おっ!? その様子は知っているのかねずお!」

「ねずおちゃん。知っていたら教えて。」


「僕もちゃんと覚えてないチウ。もう死んだけど僕の親分だった奴が、階段の近く

に隠された部屋があるって言ってたチウ。でもどこなのかは分からないチウ。」

「重要情報じゃん! これからは、階段降りるときだけ徹底的に調べよう!」

「そうですね! そこに実はエレベーターがあったら最高ですし!」


「マスター。えれべーたーとは何のことなのでしょうか?」

「僕も知りたいチウ。」

 というわけで、二匹にざっくりと自動で塔内を昇降する箱みたいな物と説明して

おいた。


「そんな便利なものがあるとは。それは探さないわけにはいきませんな。」

くろごまは感心していたのと同時に草の根分けてでも探すような態度になった。こ

こに薬草は無いけど。


「ただ、私ならそのような箱の中に入ったら罠ではないのかと思いますね。」

「ああー。そうだね。エレベーターが罠っていうのもあるかもね。」

「いきなりボスのところに直行とかいうゲームをやったことがあります。」

「ああそれ私もやったことあるな。」


エリーちゃんとは一度ゲーム談義をやりたいもんだなあ。意外とマニアックな所も

知っていそうなので話に花が咲きそうだよ。


「ブヒイイ!」

で、またお前かオーク。急に現れるなよ。今ここで話していただけなんだからちょ

っと後にしてくれよ。

「ファイアボルト!ファイ・・・!」

「それもういいから!」


 エリーちゃんがまだやってしまったようだがとりあえず、この1体を食べるのは

置いといて先を進むことにした。さっさと階段周りを探すのと下の階層に行きたい。

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