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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第83話「扉の前で」

 ボスの部屋の前に集う私達。扉は鋼鉄製のようだ。一度入れば閉じ込めらてしま

いそうな雰囲気だ。エリーちゃんによると、中に入ると強敵、すなわちボスが出現

するとのことだがどんなのが出てきたんだろうか。

「私が入ったときは、動きが素早く、1メートルくらいの火蜥蜴でした。火の息を

何発も撃ってくるのでかなり厄介でした。」


 盗賊であるエリーちゃんを翻弄する動きをするとは、なかなかの強敵だな。自分

と相性の悪い敵でもでてくるのかな。

「2回目に入ったときは、巨大な熊でした。特殊能力などは一切なかったんですが

体力が高くて、延々と攻撃し続けてようやく倒しました。」


 耐久力が高い敵って辛いよなあ。単純作業のように攻撃できたとしても、それを

何度も繰り返さないといけないんだから。敵の攻撃は1回でも食らえば致命傷だった

りするから追い詰められている気分になるんだよね。


「どっちとも戦いたくないなあ。」

「いえ、その二匹がまだマシだったんです。最後に戦ったのが大きな蜻蛉だったん

ですが、その蜻蛉がミサイルを撃ってくるのですが、これがかわしてもずっと

追いかけてくるので大変でした。時間がたつたびに少しずつ増えていきますし。


 追尾機能付きのミサイルとか嫌だなあ。こっちが使う分にはいいけどさあ。延々

と追いかけてくるとか逃げながら戦わないといけなくなるから負担が大きくなるな。

「でもなんで3回も入ったの?」

「1回目ですごいレベルアップしたんですよ。それから、ここなら楽してレベルア

ップできるかもしれないって思ってもう1回来たら、その時も一気にレベルアップ

しました。ただ、流石に3回目でこりました。」


 そりゃあ何度もやれば嫌になってくるっていうのはあるよね。毎回違う敵が出て

くるなら苦労するだろうし。

「それにしても蜥蜴に熊に蜻蛉かあ。一貫性がないなあ。でも虫系が出やすいとか

ありそうだね。」

「3匹まとめて出てくるかもしれませんね。」

「そんときゃ私が、蜻蛉担当だな。火薬草で応戦できるし。」

「マスターは、火蜥蜴のほうがよろしいのでは? 火耐性をお持ちですよね?」

「あー。そうだね。火蜥蜴もいいね。」

「じゃあ、ねこますさんは、火蜥蜴と蜻蛉の2匹をお願いします!私達は残りの熊

を倒します!」

 

「待ってよ! 今のは仮にそいつらが出てきたらって時の話でしょ!? 毎回違う

モンスターが出てくるのだとしたら意味ないよ。」

 そもそも私一人に二匹も任せないで欲しい。か弱い般若レディなんだから。


「えっ? ねこますさんって強そうなので余裕なのかと思っていました。」

「そんなわけないがない。なんでそんな強そうに見えるのかが不思議なんだけど。」

「その、顔とか。」

 顔、顔って言われてもねえ。般若レディの顔を見ても強そうではないはず。なん

か困ってそうな顔をしているじゃないか。


「まぁそれは置いといて。この扉をくぐれば、ボスだろうけどすぐに部屋から出れ

ば逃げられる?」

「扉が勝手に閉じるのと、開かなくなるので無理ですね。」

「一人の時はだよね。私達が閉じないように抑えてればいいんじゃ」

「そういう狡いことは許さないようになっている気がします。」

 狡くは無いと思うんだけどなあ。なんかつっかえ棒的なのあってもだめなのかな。

「余計なことをすると罰がありそうな気がします。」


 くろごまが黒如意棒を伸ばして、私がそれにしがみついて、ボスが出現したと同

時に元に戻してもらって部屋のの外まで出るなんてことができればいいと思ったん

だけど、できなかったときの事を考えたらやめておいた方がいいのかもなあ。


「それじゃあ、みんな、これを扉に入る直前に口の中にいれておいてね。」

 薬草を口の中に含んでおくことについて説明しておく。こうすることで、何かあ

った時に飲み込んですぐ回復できるからだ。

「後はこれもか。ドラゴンフルーツ!これを食べればスキルを使うエネルギーが回

復するっぽいから食べるんだ。」


 今、なんかこの瞬間が好きだって気持ちが湧いた。嵐の前の静けさというか、何

かに挑戦するときってわくわくするんだよなあ。戦闘狂ではないんだけど。


「ふふっ。」

「ん? どうしたのエリーちゃん。」

「なんかようやく人並みのゲームプレイをしているなあって嬉しくなって。」


 こんなところに一人でずっと篭っていたらそりゃあ悲しくもなるよね。仲間と一

緒に強敵に立ち向かうっていうのもオンラインゲームならではの楽しみだし、それ

がようやくできるようになったんだから喜びもひとしおだろうね。


「私も今楽しい気持ちになっているよ。まぁここで勝てばもっと楽しいから、頑張

っていこうよ!」

「はい!」

「頑張るチウ」

「どんな敵が来てもマスターをお守りします。」

 全員やる気十分のようだ。よし、それじゃあ頑張るとするか!


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