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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第77話「塔を下りよう」

 今回の目的は、塔からの脱出だ。100階以上ありそうな高階層から階段を下り

て出口までいなかければならない。耐久戦になると思うのだが、道中は休憩所

的な場所があるのか気になっている。

 この塔が隠しダンジョン的な扱いだった場合、無情にもそんな休憩所なんて

ないと考えている。

 

 難易度の高いゲームでは、道中セーブポイントなど一切用意せずに、駆け抜

けろというのが当然のようにある。

 だけど、アノニマスターオンラインはVRゲームであるので長時間のプレイに

ついては、限界があるはずだ。現実に影響を及ぼす場合安全機能が稼働するの

で、強制的にログアウトさせられるはずだし。

 だけどその時間ぎりぎりまで使えば攻略できるはずと言われてしまえば、そ

れだけの話というのもある。そういう挑戦者として燃える展開の塔だったら、

ここからは厳しい戦いになるな。


 私達は、塔内部を慎重に歩き回る。罠についてはエリーちゃんが警戒してく

れているのでなんとかなる。強力なモンスターが出て来た場合は、まずは、逃

げようと話をしてある。

 まだまだ先が長いのでこんなところで戦闘を繰り広げたら消耗していつかは

やられてしまうだろうし。薬草を沢山ため込んでいるとはいえ、流石に100階

もあれば使い切ってしまうかもしれない。

 こんなことなら、もっと集めておけばよかったといつも思うが、それが後の

祭りになってしまっている。


「エリーちゃんはこの100階全部回ったってわけじゃないんだよね?」

「私は多分、最上階から下10階くらいを見たという感じです。なので、実は下

に行くほど強いモンスターがでるのではと思っています。」

「うわぁ、となると1階に1番強いモンスターがいるかもしれないってことか。」

 これ詰んでいる気がするのだが大丈夫なのだろうか。これだけ階層があれば

1番下に待ち構えているボスとか超強そうだよ。


「もしかして、マスターが最初に上層部に乗っかったのも、正当なルートだっ

たかもしれませんね。」

「まさか・・・。」

「どういうことですか?」

「この塔を出現させたのはマスターなのです。そして私とマスターは地面から

浮上したこの塔に颯爽と飛び乗りました。」

「えっ? すごい行動力ですね!」

「実は、それが正規の手順の入り方だったのかもしれないってことなんだよ。

塔の出現方法だけれど、北北南南西東西東で武器を振るっていう動きだったよ。」

「えっ? そのコマンドって有名なあの?」

「あれ? エリーちゃん知ってたの?」

「ええ、私も結構ゲーム好きですし。」

 

 最近は、このコマンドを知っている人も少なくなったような気がしていたが仲間

ができたような気がして嬉しかった。

「つまりね、このゲームの製作者にひねくれものがいるかもってことなんだ。」

「ゲーマーにしかクリアさせないっていう気概がある人なのかもしれないですよ。」

「そうかなあ。私、絶対ほくそ笑んでいる気がするよ。」

 薬草を口に含んで火薬草に調合とか絶対笑っているだろうと思う。私の行動を全

部見ていたとしたらぶん殴りたくなるな。


「塔から安全に出られる魔法があればいいんだけどなあ」

「ここだと不思議な力でかき消されそうですよ。」

「あるある。」

「あの、ちょっとよろしいでしょうか。マスター。」

「ん? なあにくろごま。」

「最初にここに来た時の動きをすれば、この塔が沈んだりなんてことはあるのでし

ょうか?」


「はっ!?」

 逆パターンか。いやそれは盲点だった。出すことができたならもう1回それをや

ってみればいいかもしれないよな。とはいえ、ここですぐ試すことができるわけに

はいかないけれど。

「塔の外でやらなきゃだめな気がするのと、今ここでやって生き埋めになる可能性

もあるし。」

「ワタシハモドリタクアリマセン・・・。」

 おおっ。エリーちゃんがたけのこっぽい話し方だ。そういえば早くみんなと再会

 したいのにいつの間にか頑張っちゃってるんだな私。ブッチのふざけた態度もち

ょっとだけ懐かしい気分になっている。

「エリーちゃんってその悪魔の翼で飛べないの?」

「5メートルほどが限界です。ねこますさんはその羽は?」

「ああ、これね。これさあ、私は飛べないんだよね。周りの人を浮かすことができ

るんだけど。ふっふっふ・・・。」

 蜂女王の羽が自分だけ浮けないとかもうね。


「そうだったんですか。残念ですね。」

「ああ、なんか思い出したら悔しくなってきた。もうさっさとここ出ようか!」


「ンモオオオオオオオオオ!!!」

 突如、豪快な唸り声が響き渡る。どうせミノタウロスだろうと思った。定番のモ

ンスターだろう。どうせ斧でも持っていたり怪力だったり、そういう奴だろうよ。今

こっちには3人いるんだし、


「さっさと逃げるよ!みんなあああ!」

「はあああああい!」

「かりこまりました!!!」


私達は、一気に走り出した。後ろをちらりと振り返ると、やっぱりミノタウロスっぽ

い牛の獣人のモンスターが押し迫ってきていた。

ようやく定番のモンスターを出せました!

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