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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第60話「情報共有って大事」

 くろごまがムフロンを食べ終わったので、熱帯雨林までの移動を再開しようとし

たら、突然メッセージが出てきた。


メッセージ:ファイアームフロンの首飾りを手に入れました。


新しくアイテムが手に入ったようだ。早速装備をしてみると、普通に首飾り、つま

りペンダントが装備された。ムフロンの角みたいなのがついているけれどかなり小

さい。うん。デザイン的には悪くない気がするんだけれど、これもしかして・・。

「ヴェエエ~」

うん。ホイッスルか。ジャージに似合っているといえばそうだけれどなんだか複雑

な気分だった。まぁ手に入ったのは嬉しい。


メッセージ:ファイアームフロンの首飾りにより「火の耐性」が向上しました。

メッセージ:スキル「狐火」の射程が向上しました。


おっ!地味に強化がきたようだ!これは嬉しい。よし、狐火の射程はどれくらいに

なったか確かめてみるか。

「狐火!」

まぁ相変わらず口からでるのはあれとして、3メートルくらいに伸びたようだ。これ

は使い勝手がよくなったな。ふっふっふ。火の耐性もあるから、自分の放った火で

ダメージを受けることも少なくなるんだろうな。良かった。

 ところで、気になったのが、普通のムフロンじゃなくてファイアームフロンって

奴だったってところだ。特殊な個体だったんだろうな。だからこそ、こういうアイテ

ムが手に入ったってことか。こっちは火薬石弾を2個失っていたからこれは良かった。


「よし、気分も乗ってきたし、早く熱帯雨林に行こうか!」

「マスター、一旦休憩にしませんか?消耗したら少し休みをいれませんと。」

「む、まぁそうか。」

 ちょっと浮かれすぎだったようだ。とりあえず、くろごまと一緒に薬草を食べて

回復した。その後、そこらへんに手ごろな石ころがあったので、火薬石弾を2個補

充しておいた。よし、これでオーケイだ。あとは少し座って休むことにした。


「まだまだかかるんだっけ?」

「あと半分ぐらいだと思います。今回のような邪魔だてがなければ早いですよ。」

 ムフロンみたいな強い奴は勘弁して欲しいかな。とにかく熱帯雨林にはさっさと

たどり着きたいし。

 こういう何か目的があるときに、その途中で邪魔が入るとうっとおしく感じる時

がある。あるイベントを達成するためにはその前に別なイベントを達成しろなんて

いうときは、たらい回しに腹が立ったものだ。そんな面倒くさいことやってられな

いって何度思ったか分からない。なので、今は熱帯雨林を目指しているのだからさ

っさと行きたい。

 ここで熱帯雨林に入るためにはアイテムが必要とかなんとか言われたら私は多分

ブチ切れて暴れるだろう。ふっふっふ。イベント進行なんて知ったことか。

必ずこうしろみたいなイベントをぶち壊せるようになっているのかは分からないが

そういうことを試してみるのが私だし。そうなったときは色々やってやるんだ。


「よし休憩もそろそろいいかな?」

「はい。では参りましょう!」

 くろごまとの旅を再開する。とりあえず、熱帯雨林手前まで行って、安全そうな

場所を確保したらログアウトかな。あまり長時間<アノニマスターオンライン>を

プレイしているのも問題があるといえばあるし。

 私生活を台無しにするようなことがあってはならないのでメリハリはつけておか

ないとだめだね。最近は、ゲーム中毒になっている人が多いと聞くんだけれど、そ

れが社会に悪影響だとか言わてしまうので私もそうならないように注意しないと。

飲まず食わずでゲームプレイなんてもってのほかだからね。

 そんな人がこのゲームにいるかもしれないっていうのはあるんだけれど、それは

それでどんな人なのか気になったりはしている。きっとものすごい効率を求めてい

て、仲間でいたいなら会社を辞めろとか言われるかもしれないな。やばいな。


 私は、がっつりやり込むというわけじゃなくて、ある程度プレイしたらそこで終

わりってなるタイプだな。ある程度っていうのは全イベントとか見られるものとか

そういうのを集め終わったらって意味で。そこから極限までやっていくというよう

な根性はないなあ。だって色々なゲームがやりたいからね。

「あっと、一応聞いておくけど、熱帯雨林ってモンスターが出る?」

「私のような猿もいますし、鰐や怪鳥などもおりますよ。」

 むっ。ちょっと強そうな奴がいるんじゃないのか。でも危険を承知で行ってみる

から冒険って言うし、まぁ最悪燃やせばいいよね理論で行くから大丈夫かな。雨が

沢山降るから熱帯雨林ってわけだし、火もすぐに鎮火するだろうし。

 森のときもなんとかなったし多分大丈夫と思う、いや思いたいだけだけれど。念

のため最悪のケースなども考慮しておかないといけないからね。

「植物とかは何かいる?」

「襲い掛かってくる植物がいました。他にも大きな亀やリスなども…。」

 とにかく何でもいるので気をつけろってことか。魔境みたいなものかなあ。でも

そういうところに何か秘密が隠されているとかありそうだし期待もできるな!

 盗賊が隠した宝の山があるとかそういうのがあってもおかしくないよね。そうい

うのはやっぱりわくわくするなあ。未知への遭遇って楽しいね。

 今の私は何かの調査団みたいになった気分だ。その先遣隊みたいな感じ。ふっふ

世紀の大発見をこのねこますが見つけるのだって感じ。


「美味しい食べ物があるかもしれないよね。バナナとか。」

「熱帯雨林最高の食べ物ですな!ぜひ見つけたいところです!キキッ!」

おおー。やっぱりバナナが好きか。猿だもんな。私も結構好きだし手に入れたいな

あ。ああっくそっ遠いなあ。結構歩いているのになあ。なんか移動スキルとかあれ

ば欲しいなあ。あとそういうアイテムが欲しい。

 ああたけのこにだいこにやブッチたちは今頃何をしているのかなあ。私の事を心

配していてくれるのかなあ。それとも大丈夫大丈夫とかお気楽にしているのかなあ。

浮遊でなんとかなっていそうな気がするし、3人一緒だから楽しくやっていそうな

気もするけれど。

 

「あとは、ここから元の場所に帰る方法とかも探さないとなあ。」

「マスターはどこから来たのですか?」

「川が流れているところから来たんだけれど、崖から落ちてね。」

「でしたら、熱帯雨林からは逆方向に行かなければ戻れませんよ。」

「なっ!?えっ!?くろごま知ってるの!?」

「はい。川のほうでは魚が取れましたから。」


な、な、なんてことだああああ。情報共有って基本なのに、くろごまはどうせ荒れ

地のあたりにいたし知らないだろうななんて思っていたのが馬鹿だったよ!基本が

できていないというか、こういうケアレスミスを連発してどうするよ!ああもう私

ってばおっちょこちょいだなあくそう。こんなのブッチがいたら絶対からかわれて

いるところだよ全く。

 それと、逆方向かよ!なんとなく分かっていたけどさあ!もうこのまま突き進ん

じゃえって感じできちゃったよ!ああもう!いいよ!とりあえず戻り方が分かった

んだから熱帯雨林を楽しんでいくよ!


ああもうくやしい!

相手が既にそれを知っているだろうなあと思っていると知りませんでしたってことが

あるものです。でもそんなこと知っているよなんて言われてしまうこともありますね。

でも敢えて聞くのが重要です。

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