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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第58話「熱帯雨林を目指して」

 熱帯雨林を目指して荒れ地をひたすら歩き続けている。これだけ歩いて草刈りし

たらどれだけ薬草が手に入るのだろうかなんて想像をしてしまった。事あるごとに

これをやるくらいなら薬草がという考えに至っているが、薬草というのは持ってい

るだけで安心感があるから仕方がない。

 だが、行けども行けども同じような風景なので、これはまた繰り返しが続く場所

なのではないかと疑ってしまう。

「ええ、ですから少しばかり遠いのですよ。ここでまだ半分くらいです。」

 疑問を口にしていたら、そんなことをくろごまに言われてしまった。とぼとぼと

歩いているだけだからなんかこう、面白みがないといったところだ。そりゃあまた

人面樹とかに襲われたら嫌だけれどさあ、こんな荒れ地を歩くだけってねえ。


「マスター!あそこに何かいます!」

「ん?あ?」

見ると、角の生えた動物がいた。あれは鹿だろうか。いや鹿であってるのか?なん

か別な名前があった気がするけれど思い出せない。山羊みたいな感じなのかな。む

あー分からん!もういいや鹿で!鹿っぽいのはもう全部鹿!そうしよう!

「あれは・・・鹿かなぁ?」

「ガゼルかと思いましたが、恐らくムフロンです。」

「あぁムフロンね。うんムフロン。」

何ムフロンって。ごめん知らない。無知でごめんね鞭持っているけど。じゃなくて

この動物ムフロンっていうの!?知らないよ!うん知らない!山羊っぽいけど鹿み

たいにも見えない?もう山羊鹿とかでよくない?だめ?

「角が痛そうだねえ。」

「しかし、なぜ1匹で。あいつは群れて動くはずなのですが。」

知らん。私に聞かれても全く分からん。そのムフロンの生態とか言われても何も分

からないし。いやでも1匹でいるってことははぐれたのか、それともなんかこうそ

ういう時期の奴なんじゃないのかな。


「発情期かもしれないということですな。流石はマスター聡明です。」

「ふっ。」

笑うしかないだろ!下僕とかがこういう勘違いもなぜか慕ってくれるとか誤解した

りってよくあるけど、自分がやられてみろ、こっ恥ずかしいっつーの!くろごまは

もうちょっと私に対する目線を変えようか。

「くろごま。私は単になんとなくとかで言ってるだけだからそういう考えとかは本

当にないので勘違いしないでね!絶対に!」

「マスターは謙虚ですな。そのなんとなくがすごいのですよ!」

 凄くねえから!明日地震くるかも~なんて言ってたまたま当たってみたいな事で

褒められるのは性に合わない!というかそういう誤解で持ち上げられるのは嫌だ!

「違うって言ってるでしょう!!本当に違うんだからね!!マジだからね!」

威圧を込めてくろごまに念を押した。

「は、はい!」

 流石にくろごまも懲りたようで、持ち上げることはなさそうだ。私はそういう自

分がむかつくことは絶対に注意して必ずやめさせるタイプだ。よくある展開なんて

絶対に許してたまるもんか。


「ヴェエエエエ!!」

「ぐえっ!?」

 私は、どてっぱらに一発、攻撃を食らったようだ。こ、こいつムフロン!?いつ

の間に近くに!?くそっ!こういうギャグみたいなことやっている時でもやっぱり

情け容赦なく襲い掛かってくるじゃないか!漫画みたいにうまくいかないよね!

「マスター!」

「薬草があるから大丈夫!ってかこんにゃろう!いい度胸だ!」

「ヴェエエエエエ!」

なんか羊みたいな鳴き声しているなあオイ。この野郎。ってはええ!うぉっと!?

ムフロンの体当たりはすごく早い。なんとか回避するけれど、すぐに戻ってきて攻

撃を繰り返してきた。

「づあっ!」

「ヴェッ!?」

そこへ、くろごまが爪の一撃をくらわせる。おお!すごいな。よし、私も鎌で戦う

とするか。

「ヴェエエエエ!」

攻撃されたことが悔しかったのか、もう一回攻撃しにきた。ここで。

「浮遊!」

ムフロンを一瞬浮かして、体制を崩す!よっし!これはチャンスだ。ここで攻撃を。

「ヴェエエ!」

「なっ!!!?」

んだとぉおお!このムフロン!口から火を吐いてきやがったぞ。なるほどなあ。た

だのムフロンってわけじゃなかったってことか!だったらこっちもなあ!

「狐火!!!」

お返しだよお返し。この野郎!

「ヴェエエエ!」

「キキッ!」

私に攻撃を向けている隙に、くろごまがムフロンを爪で斬り裂く。よしいいぞ。こ

んな感じで連携ができているなら、こいつもそのうち倒せるだろう。くっくっく。

こっちには薬草もあるんだからなあ!勝てる!勝てるぞ!このムフロン野郎!

「ヴェエエエエエエエエエ!」

ムフロンは咆哮を上げた。んだよこれ。動けない!んぐぐぐぐ!くそっ!

「ヴェエエエエエ!」

 そのまま突進してくるムフロンの角に直撃する。くろごまにも同じように攻撃を

 加え

る。私達は突き飛ばされたのだった。そして地面に転がると動けるようになった。こ

こはさっさと薬草を飲み込み、いくつかをくろゴマに渡す。

「それ使って!薬草だから回復できる!」

「かたじけない!」

なんなんだよ。1匹だからなんとかなるって思っていたけど強いじゃないか。

毎回戦闘になると苦労させられるなあ。くやしいが私はまだまだ弱い。だけど。

当然今回も絶対勝利するけどな!


ひつじ?いいえムフロンです。詳しく知りたい方はググってみてください。

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