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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第54話「人面樹」

 人面樹が何匹も襲い掛かってくるようになった。最初の一匹を倒してから襲い掛

かってくるようになったのは、ブッチが蜂を倒した時と似ている。もしかしてモン

スター共の連帯意識は強いのだろうか。それとも仲間意識なのか。

 とりあえず、狐火で簡単に倒せるのが分かったが、回数が限られているのでなる

べく控えたいという気持ちがあった。火薬草を投げつけるのも勿体ないんだけど。

そこで、電撃鞭でもひたすら打ち続ければ倒せることが分かった。非常に時間がか

かるので沢山戦いたくはないけど。

 ちなみに電撃鞭で倒した時は、木炭は手に入らない。狐火限定だ。火薬草も吹っ

飛ばしてしまうからなのか、やはり何も手に入らなかった。

 

 人面樹を倒しながらも荒れ地を歩く。どっちがどっちなのかよくわかってないが

とにかく一直線に歩き続けた。なんなんだここは。人面樹しかいないのか。何か他

に面白い事は無いのか。似たような景色ばかりなので、ループになってしまってい

るのではないかと疑ったが、そんな事は無かった。

 本当にこんな特徴もない所にいてもつまらないだけなのだが、いまだこの荒れ地

からは抜け出せない。何なんだ。また何かイベントが始めっていて、それを終わら

せるまでは、どうにもできない状態なのか?

 どうせ巨大人面樹だとかいるんだろう。そうなんだろう、私は分かっているぞ。

大体、こういうのってワンパターンなんだよな。


 そこからは、色々考えながら歩いた。ブッチたちは今頃私を探しているんだろう

かとか、草原で草刈りしたいなあとか、いい加減にしろ人面樹なんてことをだ。こ

いつらの顔が怒ったような人の顔なのだ。私はこれに対して恐怖は・・・。一切感

じなかった。むしろなんだかこの怒っている表情が笑えてきてしまうのだ。そのせ

いで戦い中も笑ってしまう。しかも大声で。

 荒れ地で人面樹と笑いながら戦う般若レディは私だ。笑いながら鞭を振るったり

口から火を吐く般若レディだ。どうだ、恐れおののけ。


「ぎぃいいいいいいいいい!!」

 おっとまたでてきたか・・・ん?なんだ?

「キイイイイイイイイイイ!!」

 人面樹の隣に、猿がいた。なんだこいつ。こいつ笑っているように見える。そう

か私の事をバカにしていやがるのかこの猿。

「ギ・・・ギ・・ギイイイ!」

「キイイイイイイイ!」

「んなっ!?」

 一瞬のことだった。人面樹が猿を持ち上げて私に投げつけてきた。そして猿は私

の身体をその鋭利な爪で引き裂いた。

「狐火!」

「ギャアアアアアアアアアアアア」

 まずは、人面樹を燃やす。猿の奴はうまくかわしやがった。そしてこちらを翻弄

するかのように踊り始めた。意味が分からないが、とにかくこいつは敵だというこ

とだけは確かだ。こんな猿がよくもやりやがったな。


「キイイイイイ!」

 猿が雄たけびを上げる。すると、どこからともなく人面樹が3匹ほどやってきた。

なるほど、こいつが人面樹の親分みたいなもんか。そんでもってこいつを倒さない

といつまでも人面樹がやってくるということか。

「くらえよっと!」

 火薬草を投げつけた、しかしうまく当てることができなかった。すばしっこい奴

だなあ。確か現実でも逃げ出した猿を捕獲するのって大変って聞いたことがあるけ

れど、まさかこんな簡単にかわされるとは。

「ほい!そら!くらえ!」

「きっきっき~ききーキキキキキ!」

うわ、当たらねえ。まあ人面樹には当たったけど、面倒くさいなあ。私をからかっ

て楽しんでやがる。悪戯好きの子供みたいな真似をしやがって。

「キイイイイイイイ!」


今度は人面樹が6匹あらわれた。こいつ!人面樹の召喚の能力を持っているってこ

とだよな。こいつを倒せばもしかしてそういう感じのスキルが手に入るかもしれな

いってことだよね。よし、なんとしてもこいつを倒すぞ。私は逃げない!


「火薬草は沢山あるんだよ!オラオラ!死にたい奴はかかってこいやああ!」

「ギイイイイイ!」

 人面樹が向かってきたら即火薬草を投げつける。たまに猿が直接襲い掛かってく

るのが手に負えない。そ人面樹がいなくなると即召喚するので消耗戦になってしま

っている。手痛い出費を出させやがってもう!


「威圧!!!!」

「キイイッ!?」

「ギイイイイ!?」

おっし!人面樹にも猿にも聞いたぞ!動きが止まった!ここで火薬草だっ!オラ!

爆発しろ!

 猿は体が痺れてしまったかのように動けないようなのでこれは当たるな。ふっ。

ねこます様を甘く見てもらっちゃあ困るんだぞ!

 火薬草は見事猿に命中し、爆発が起きた。1個だけじゃない、何個も投げたので

深手を負っているに違いない。


「キッキッキッキ~~!!」

猿は火傷を負っていた。そして私を睨みつけてきた。なんだこいつ生意気だな。私

はなあ!私に手を出してきた奴は許さないのだ!

「キィイイイイ!!!」

猿は私に突進してきた。さっきより早い!くおおおお!なんとか爪の攻撃をかわすが

その後に蹴りを繰り出してきたのでそちらは諸に当たってしまった。怒りでパワーア

ップしているのか。こいつぅ!!!


「調子に乗るな!」

電撃鞭で応戦するがかわされてしまう。動きが早すぎて当たらない。もう1回威圧

やれば、仕留められるか?いや、こういうのは耐性ができてしまうような気がする

し気軽に使ったらっともういいや!えーっと!


「キイイイイイイイ!」

「浮遊!」

「きひゅいいい!」

 ぶわりと、猿の体がぷかぷかと浮かんだ。へっへっへこういう使い方もあるんじ

ゃないかと私はあの時に学んだのだ!これは攻撃に活かせるスキルだってな!

突然浮遊したら驚くよなあ!へっへっへ!よし!

「オラアアアアアア!」

「キッ!?キッキッ!?キッキッ!?」

猿を電撃鞭で思いっきり打ちまくる。かなり刺激があるようで、悲鳴を上げている。

効いてる効いてる。ふっふっふ。お前、私を甘くみるからこうなるんだぞ。


「キイイイイイイ!」

なんだこいつ、まだやる気かよ!って今度は人面樹を十数匹も召喚している!

この野郎!仲間に頼りやがって、私は今一人なんだぞ!許せるか!

「キイイイイイイ!」

思わずイラついて、こいつと同じように叫んでしまった。そしたら…。


ズドドドドドドドドドドドドド。

私の横の地面が盛り上がり、人面樹が十数匹現れた。

「キ!?」

その光景に猿は目を丸くして驚いた。

「アルジドノゴメイレイヲ。」

人面樹は私に向かってそう語り掛けてきた。


え?え?え?なにそれえええええええええええええええ!?

猿真似したらできてしまったというオチでした。

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