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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第50話「目標決定」

「ここが、世界中にいる沢山のプレイヤーの未到達あるいは未発見領域だとして、

場所が判明した時点でみんな躍起になって来るだろうね。」

 世界中で大人気のゲームの中で、私達だけが知っている特別な場所だが、それは

いつかは破られるだろう。沢山のプレイヤーが日進月歩で成長していくし、冒険を

望んでいるのだから、世界の隅々まで探索し続けるだろう。

「つまり、ここの草原で薬草が沢山手に入るのに誰も来ない理由も、ここが未発見

領域でかつ何らかの力で探せないようになっていると言いたかった。」

「ねっこちゃん、そうなると、どうすんの?ここから脱出したいとか、色々やりた

いことあるって言ってたよね。」


 便宜上、ここをただの大陸とする。この大陸を出るためにはこの大陸のどこかに

いると思われる管理者に頼まなければいけないと推測される。その管理者を探す必

要性があるが、それがこのゲームのプレイヤーなのか、ゲーム世界内にいるノン

プレイヤーキャラクター、すなわちNPCなのかは分からない。

 その管理者を何とかしないと、ずっとこの大陸から出られない。もしかしてここ

って単純に練習用ステージってことはないよな。

「ありえるんじゃないかな。ある程度レベル上げればここから出られるみたいなこ

とがあってもいいと思うし。」

 ということは追い出される可能性もあるといえばあるのか。今の状態で追い出さ

れると、薬草集めができなくなってしまうことが不安だ。ならば、ここには私達だ

けが行き来できるようにしたい。


「んじゃ管理者とやらがいればそいつと交渉かぶっ倒すかだねえ。」

「ブッチが管理者だったっていうオチなら楽なんだけどなあ。」

「洞窟で1か月も引き篭る演技をしているとか怖くない?」

「そうだな。ブッチはそんなことできそうにないしな!」

 疑り深くなっていくのは性格上仕方ないが、とにかく、何もかもが怪しく思えて

しまう。間違い探しで、黒い点みたいなところを、これ間違い!と必死で指摘し続

ける子供のような感じだ。

「でもさあ。ねっこちゃんは、色々考えすぎじゃない?」

「んんー。正直ちょっとありえない事だとは思っているよ。」

 私の考えの通りだなんて言うつもりはない。だけど逆のことを考えてみると意外

としっくりくるというのがある。特になんで世界中で大人気なのに、人と出会わな

いんだおかしいだろうってところだ。

 ここはもう、閉じた空間だとしか思えない。というかそう考えないと。


「もっとほら!般若レディのねこますさん憧れてます!お友達になってください!

みたいなそういう浪漫があるのをイメージしてたんだけど、そんな展開まるっきり

なくて他のプレイヤーは目の前のサイコロプスだけって言うね。」

「はっはっは照れるなあ。んでさ、俺も考えたことあるんだけどさ。」

「ん?」

「ここのどこかに他のプレイヤーもいるんじゃないかな。俺とかねっこちゃんみた

いに、人間じゃない種族を選んだプレイヤーが。」

 可能性は、無きにしも非ずだな。ブッチみたいに洞窟の中に入れられてて、そこ

から出られなくて困っている人もいるかもなあ。それでその状況に飽きてプレイを

辞めてしまう人もいるんじゃないだろうか。


「じゃあとにかく各地を巡ってみて、そういうプレイヤーがいないかを探ってみよ

うよ。まずは仲間探しだよ!」

「1億人くらい集めたいなあ。」

「そんなにいないって!ってかなんで1億人!?」

「もし、ここの管理者みたいな奴が強かったら、そのくらいでいかないと安心して

倒すことできないじゃん。」

 私は、絶対に負けないように戦いたいのだ。強い奴がいたとしても、みんなで力

を合わせれば大体負けないだろう。

「私の戦い方は絶対に安全な位置から、攻撃することなんだ!」

「うわぁ、般若レディらしい鬼畜なやり方だなあ!背後か近づいて、鎌でズバット

斬るんでしょ?」

「やらんやらんってあーもうちょっと脱線してきたのでまとめるぞー。」


 ちなみに、この手のゲーム的な会話をしている時、たけのことだいこんは基本的

に黙っている。ゲームについての話を何か聞いてみても基本的には答えない。こう

いうところに限ってはやはりAIなんだろうなというのが良くわかる。

「まず、とにかく薬草を集めよう。ここもいつまで使えるか分からないから、限界

まで挑戦。あっ当然火薬草にも調合しまくるからその分も差し引いてね。あとはブ

ッチのいた洞窟とか、とにかくこれまでいたところを周るよ。」

 今、入手できそうなものをたくさん集める。それが終わってからが──。

「川下りか川登りかどっちでもなんだけれど、ちょっと川沿いを進んでみようか。

水の確保をしておきたいのと、魚とかいそうだし、みんな納得でしょ?」

「ねこますサマ!ソレハイイカンガエデス!」

「姉御、ワイも魚食いたいんやで!」

「魚は生でも食えそうだからいいよね!」

明るい口調でこちらをじっと見てくるブッチ。そのネタもう古いから。いつまでや

ってるのかなーふっるーい!


「よし、じゃあまずはみんな頑張っていつも通りの草刈りだぞ!」

「よっしゃ!ブッチニキもわんころもやるんやで!絶対に逃がさないんやで!」

「歴史って繰り返すんだよなあ。はぁ。」

「クッ。マダヤルトイウノカ。」

 安心安全を確保するために、今日も私達は頑張るのだ。大きな目標、仲間集め

と管理者探しだ。やっとこさ大きな目標が出来たので良かったな。ただぶらぶら

と彷徨っているだけじゃないってことを証明してやらないとな。

 こうして、私たちは、大きな目標に向かって動き出すことになったのだった。


「ところでねっこちゃん」

「ん?」

「電撃蜂を必ず倒せるとか言ってた作戦あるじゃん。」

「うん。」

「それって何だったの?」

「それはまた今度かな。ヤバイ敵に当たったら実行するからよろしく。それまで

は内緒ね。」

「了解~。」

なんだ、案外素直に引いてくれたな。まぁなんとなくは分かっているからかな。とり

あえず、今持っている切り札みたいなものだ。そういう必殺技も今後増やしていかな

いといけないな。よし、頑張ろう。

ようやく目標らしい目標ができたようです。

そして本日ようやく50話です。このままの勢いで100話まで頑張っていきたいと思います。

お暇な方がいましたら、評価等お願いいたします。


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