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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
470/473

第470話「金の価値」

近況報告です。

テレワーク対応で毎日残業で疲労しているため、更新が鈍くなります。

PCや端末の手配とWeb会議の手配等です。

精一杯書く時間をとりますが、仕事が優先なのでご理解くださいっ!!

4/16追記しました!


メッセージ:金貨を消費して金の錬成を習得しました。


 大量発生した、金貨がごっそりと消えたことに驚いた。だけどすぐさま更に金貨が大量に流れ込んでくる。

 私が口を開けると、その中にどんどん金貨が流れ込み、そして一瞬のうちに消えていく。


メッセージ:金貨を消費して金の錬成技術が向上しました。


 周囲を埋め尽くすほどの金貨が口の中に一瞬入るだけで、綺麗さっぱり消える。金の錬成をするためには、金自体を大量に消費するというのは、大損じゃないのかと思ったが、最終的に金を錬成するためにはこのくらい投資しなければいけないということなのだろうか。

 体内で大量に金貨が消費されていくが、金の錬成技術を向上するというメッセージは、稀に表示される程度だ。

「ね、ねこます先輩。金貨が一気になくなっていきますよ!」

「ああふぉう! あうあう」

 この大きな広間を埋め尽くそうとしていた金貨が、全部消えた。今も天井から大量に降り注いでくるが、私が口を開けると、物凄い勢いで吸い込まれていくようになっていた。


 どう考えても私の身体に入りきらない金貨だ。それがあっさりと消えていってしまう。私の胃袋の中はどうなっているのだろうかと気になってしまった。

 こんなに大量に金貨を吸い込んでしまって勿体ない気がしてきたが、吸い込まないと周囲が埋め尽くされて圧死するか窒息死してしまう。

 だからひたすら吸い込むしかない。天井から金貨が落ちてくるのは終わりが見えない。一体どうすればいいのか。ああ、そうか。

「獣王君! ふぉあふぉふぁ。出口探して! ふぉあふぉあ」

「はっ!? そ、そうっすね! 頑張ってみるっす!」

 私がここでやれるのは金貨を消していく事だけだ。これはいつまでやれるかも分からない。ずっとやり続けることができるのならいいけれど、そうじゃないかもしれない。

 金貨が落ちてくるのが終わればいいが、これもずっと続きそうだし。これって、元々は罠だったのだと思うけれど、私だからたまたま生き残っているだけなんじゃないのか。


 普通はこの大量の金貨をどうにもできずに死ぬしかないところを、私が生体錬金なんて出来るものだからなんとかなっているだけだろうな。


メッセージ:金貨を消費して金の錬成技術が向上しました。


 これは、一体どんな能力何だろう。何でもかんでも金にすることが出来る能力だったらまたしてもバランス崩壊的な能力になってしまう。現実と同じでこのゲーム内での金も希少価値があって高額商品として取引されていたら、大金持ちになってしまう気がする。

 既に薬草を売れば大金持ちになれるはずだけれど、恐ろしくなってきた。私は、いまだに現実のお金には換金していない。多少のお小遣い稼ぎでもしていいんじゃないかと思ったが、そうなると税金の支払いだのなんだのが面倒になりそうだし。ひょっとしたら、そういう税金の支払いは自動で何かやってくれるのかもしれないけれど、その他も面倒そうなことがあってやる気はなかった。


 お金が手に入るって正直怖いんだよなあ。っとそんなこと気にしている場合じゃない。

(母上…! まだまだ空から降ってきます! 大丈夫ですか!?)

 全然大丈夫じゃない! 金貨の味とかは特にしないけれど、口の中に入ってくる感覚があるので、そこに気持ち悪さを覚える。現実のように吐き気を催すことはないけれど、金貨を口にするというのはあまりしたくないことだ。

 獣王君が頑張って出口を探してくれるはずだ。それで駄目だったらどうするか。これどうすればいいんだろう。ここでログアウトして、もう一回ログインした瞬間に金貨に押し潰されて圧死なんてことになったりするんだろうか。

 なるな。多分なる。だって私がこの迷宮の中に勝手にいれられてしまっていたわけだし。ログインした時の座標に何かが重なっていたら、その影響は受けるってことだろう。つまり、私はここでログアウトすることができないってことだ。正確に言うならログアウトしたら死ぬ可能性が高くなるということだ。


「ぐあー」

 金貨を口の中に入れるのはうんざりしてきた。もうここから無理矢理脱出してしまおうかな。できるか分からないけれど、鎌で次元を斬り裂けばいけるだろう。

 獣王君についてはやっぱり自力で何とかしてもらうしかないだろう。そこまで面倒見切れないし。私がここで頑張っている間に出口を見つけることも出来る気がしない。

 となれば、私がここでなんとかするしかないだろう。


メッセージ:金貨を消費して金の錬成技術が向上しました。


 またメッセージが表示される。そんなものが向上したところで大して意味が無かったじゃないかと思っていたら、金貨が一瞬にして消えた。そう、天井から大量に落ちてきた全ての金貨が一斉に消えた。

おいおい、なんだそれは。全部消えたとか、そんなんでいいのか。


メッセージ:スキル「金生成」及び「金変換」を習得しました。


 なんか、やばそうなスキルを習得したようだけれど、大丈夫なのかこれ。あまり気にしても駄目だとは思うけれど、金を生成できたとして、それが売れるとか言ったら凄い事にならないか。

「それで、もう金貨は…振ってこない?」

 広間を埋め尽くそうとしていたあの金貨が全て消えてしまった。今は全く落ちてこない。ということは、私は全ての金貨を食いつくしてしまったということなのか。

 あれだけ大量にあったのに。なんて都合のいい展開なんだ。大体こういう時は、後で悪いことが起こる物なので、警戒してしまう。

「ひじき召喚。天井ってもう何も降ってこないかな?」

「魔力の残滓のようなものが感じられますので、何かが出てくるかもしれません」

 うわっ。結局面倒くさい状況には変わりないんじゃないか! くそー、なんてことだ。ひとまず危機は去ったと考えればいい感じではあるけれど。

「いい加減ここから出たくなってきたから、もう次元を斬り裂いてでることにするよ」

「かしこまりました。あの方はどうするのですか?」


 あれ、そう遠くには行ってないと思うけれど。あ、ひょっとして出口を見つけたとかかな。あるいは、出口を見つけたと思ったら強敵に遭遇してやられてしまったなんてこともありえるな。

「久し振りだな魔者」

「エレファントボスがいきなり話しかけてくるとかあるかもしれないけれど、こういう時返事をしたりすると、いきなり瓢箪に吸い込まれたりする都市伝説があるから返事しないようにしないと」

「我を無視するとは相変わらずだな」

「いきなり姿を現してくる敵には警戒しないとねえひじき?」

「母上、途轍もない魔力を感じるのですが」

 ひじきの声は隣から。そしてもう一つの声は私の背後から聞こえてきた。私は後ろを振り向いた。そこには、一匹の象が立っていた。いや、象ではない、二足歩行の象。人間型の、いわば象人間と言われるような姿だった。

「さようなら」

「まだ別れは早い」

 私は、象人間に突進して鎌でその体を斬り刻んでやろうとした。だが象の鼻によってそれが防がれてしまった。こいつの鼻、滅茶苦茶硬いのか!? 鎌とぶつかって鈍い音が聞こえたけれど。どれだけの強度を保っているんだよ。


「魔者、貴様は既に三匹ものクロウニンを葬りさっているな」

 軽々と攻撃を防いだ上で、偉そうな話し方をしてくる象人間。なんか腹立つなあこいつ。こいつと同じような奴があと六匹もいるとかげんなりしてくる。倒せればあと五匹になるので大分楽になるんだけどなあ。こいつ、逃げたりはしないよな。逃げられたらそれこそこいつを追いかけるのが面倒くさくなる。

「貴様は、我々クロウニンをどうするつもりだ。殺すつもりならなぜ我々を作った」

 知らないし。私はこいつらの製造者でもなんでもない。魔者と言う称号を勝手に与えられて今に至っているだけだ。

「ふーっ。おい。出てこい」

 私は錬金術士の杖を取り出した。そろそろこいつの正体について知りたい。この錬金術士の杖の中にいる、魔者についてだ。

(おいおい、もう俺に語りかける力を身に着けたのか。お前すげーな)


 褒めても何も出ないので、エレファントボスやクロウニンについて知っていることを洗いざらい話せ。

(お前も薄々気が付いているんだろ。)

 いや、何も分からんし。クロウニンってなんなんだよ。

(嘘をつくな。じゃあ聞くぞ。クロウニン達の種族を言ってみろ)

 レッドドラゴンが龍、ドロヌマオロチが蛇、ゴーストロガノフが幽霊、タイショウイカが一応魚系、ジャガーコートは猫だよな虎ではないはず、エレファントボスが象、グローリーアントが蟻、ネガティブータが猪、マオウペンギンが鳥。でもこれだけだと関連性がないだろ。

(お前の仲間がいるだろ)

 …。いや待て。お前、ひょっとしてそうなのか? いやいや待て待て。それはないだろ。いや。えーっと。たけのこが狼というか犬、だいこんが蛇、くろごまが猿、ねずおが鼠、イッピキメとニヒキメが一応竜、サンショウがゾンビ、ひじきが蛾、ビスケットがゴーレム。


 おい、やっぱりおかしいだろ。十二支だとして、このままだと、兎、牛、馬、羊が足りないぞ。

(羊はサキュバスがいるだろう。あいつの角がそれにあたる)

 はぁああああ!? 強引なこじつけ! じゃあその他は!?

(お前はソルジャーゼブラという奴と戦ったはずだぞ。あれが馬だ)

 …あぁぁぁあ!? あの懐かしき強敵! 薬草を食わせまくって窒息死させた! ってなんでそんな事知っているんだ?

(お前が倒したと言う奴の事は知っているだけだ。それにしてもクックック。まさか窒息死させるとは、面白い奴だな)

 うるさい黙れ。それで、兎と牛は?

(牛は牛魔王とか言うのがどこかにいるはずだな。そんで兎ってのは)

 おう。

(お前だ)

 は? なんで私が兎? 意味が分からない。

(そりゃあ、分かってしまわれたら困るからな。だから偽装してきたわけだ。)

 よく分からないがそういうことにしておいてやろう。つまり十二支に関係ない奴もいるというのはそういうことだろう。いや待て、牛魔王ってもしかしてブッチの事なんじゃないのか? でもサイコロプスって言うのが分かっているだけだし。違うか。


(牛みたいなパワーを持っているみたいなこじつけすればいけるんじゃないか)

 もうお前そういういい加減なこじつけをやめろ! それで、今さらだけど、そろそろ、魔者とそれにまつわる話を聞かせろ!

(話してもいいけど長いぞ。先にそこの象の話を聞いた方がよくね?)

 あ、そういえばそうだった。ああ、一応言っておく、私はこういうお預けが大嫌いだから、終わったらさっさと話すから逃げるなよ。

(もう逃げられないしなー)

 やれやれ、何を言ってるのかさっぱりだな。


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