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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第47話「蜂の大群-残党狩りと考察-」

 森の生態系というのがどうなっているのか全く分からない。豚やしまうまや蜂が

出現するというのは、ゲームだからと言えばそれだけの話だと思うが、他の森もこ

のようになっているのか気になっていた。

 <アノニマスターオンライン>は超巨大なゲームなのだからそれくらいあっても

おかしくないとしてしまえば片付くはずなのだが、考察好きな私としては、この場

所は、何かとても重要な物があるのではないかと勘繰ってしまう。

 序盤の街に実は、とても強い武器が隠されていたなんてことがあるので、ここも

同じようなものがあるのではないかと疑惑を持っている。

 もともと、森の入り口あたりでかなり豚狩りはしていたのだから、その時にでも

偶然蜂と遭遇しても良かったと思うが、それまでは一切でなかったことから、この

森の中で何かしらスイッチになるものを踏んでしまったと考えている。

 ところで、なぜ私が今このようなことを考えているのかというと、あの蜂を倒し

た場合、単純に終わることができないかもしれなかったからだ。

あの電撃蜂は相当強い。森の中のモンスターの勢力としてはかなり強い部類に入る

のではないかと思う。

 そこでそんな電撃蜂を撃破した後、縄張りを広げようとするモンスターが出てき

てしまうのではないかということが懸念事項だ。

 ブッチが電撃蜂を撃破した後に、漁夫の利を得るような形で何らかのモンスター

が出てくる可能性がある。


 私は、それを特に警戒していた。もしかしたらブッチもそういうことを意識して

いたかもしれないけれど、電撃蜂との戦いに集中しているだろうから、別な勢力が

いるということに目を向けていられる余裕はないだろう。

 森から帰るとき、豚はいなかった。当然あれから一度も見かけていないしまうま

についてもだ。豚にもボス級となる存在がいるかもしれない。しまうまが何匹も攻

めてくるかもしれない。いつも通り、色々なことを予測する。

 私はとても上手なプレイなどができる天才ゲームプレイヤーではないが、これま

での経験と知識が頼りだ。それはゲームをプレイする上で有利性を確保できるもの

だ。それを使って私は勝てる方法を考えないといけない。

 もしも私が敵だったらと想定する。その場合、絶対にこの光景を見ているはずだ。

そしてブッチが電撃蜂を倒したときに攻撃してくるだろう。私たちに今攻撃をしか

けてこないのは、電撃蜂を倒すまでの間は手を出さないという考えがあるからだ。

 他のプレイヤーがここにモンスターをけしかけている可能性はあるか。それはき

っとないだろう。蜂が現れたのが森からでたタイミングだったし、だとすればそれ

は、そういう風なゲームの仕組みになっていただけの話だ。

 だがそういう仕組みを知っているプレイヤーはいるかもしれないという。つまり

蜂とは一切関わり合いがないが、蜂についての挙動を知っているプレイヤーがここ

にいるかもしれないということだ。


 では、私の考えだ。私達がログインしている空間は、あるプレイヤーの支配領域

である可能性が高いということだ。私達と同じような、他のプレイヤーもこの領域

内部のどこかに隔離されてしまっている可能性もあるだろう。

 だが、支配領域といえどその領域全土に対して何でもかんでもできるわけじゃな

さそうだし、このゲームを始めたプレイヤーが一切何もできなくなるような状態に

まで追い込んだらそれはそれで、運営妨害にもなるので、そのぎりぎりの線で何か

やっているのではないかと思う。

 で、だ。そいつは、この状況を楽しんでいると思う。どこかからか傍観している

だけかもしれないというのが一番の予想だ。

 こういうことを考えていると、それはお前の妄想のし過ぎだと今までのゲーム人

生で散々言われてきた。私も流石にここまでいくとちょっと酷いとは自覚している。

ありえもしない事を、起こりもしない事をこうだと決めつけるというのは、確かに

ちょっと極端な思考だろう。

 だから、そこまで考えついたところで、いったん考えを止めておくというのを毎

回やっている。考察は好きだけれど、深みにはまりすぎると暴走しすぎるから、ど

こかで静止しないとだな。


 さて、こんなことを考えつつ、蜂共は適切に処理していく。思考は止めないし動

きも止めない。やらなきゃいけないことは、勝つことだ。そして、安全を確保して

からログアウトしたい。

 ゲームではよく安全地帯という場所があるのだが、そこがあればいいんだけど。

そこにだいこんやたけのこを置いていくことが出来れば助かる。この二匹は、私が

ログアウトしている時もこの世界で動き続けることになるが、私がいない間にいな

くなっていたという状態にはしたくない。プレイする際にはデメリットなんてこと

になっているかもしれないが、それ以上にこの二匹は大切だ。

 ああくそ、なんかいつもよりも考えてばかりだ。私はさっさと草刈りがしたいだ

けなのに邪魔しくさる奴らばかり出やがって。私は執念深いんだ。私の邪魔をした

モンスターには、薬草が集まるような手伝いをさせ、それをしないなら倒す。

 もしもプレイヤーだったら、徹底的に痛めつけてやって、延々と薬草集めを手伝

わせてやるんだ。何があろうとな。


「姉御!多分これでほぼ全部やないか?もっと遠くまで行くとブッチニキから大分

離れてしまうで。」

 だいこんが話しかけてきてはっと気が付いた。

「むっ。そうか。一匹も残らず倒すっていうのは多分難しいから、ブッチのところ

に戻ろう。援護だ援護。」

「ねこますサマ。ブッチドノハ、ヒトリデアノハチヲタオシタイノデハ?」

「そうかもしれないけど、何が起こるか分からないからね、そのあたりは必要に応

じてやっていくよ。」

 というか、ブッチ本当に大丈夫か?まさかこんな話をしていてやられていました

なんてオチじゃないよな。ごっめーん。やられちゃったー。なんて突然言われても

ありえなくない気がするし。

「とにかく、ブッチのところに急ごう。電撃蜂がまた仲間を呼ぶ可能性があるし!」

こうして、私たちはブッチの元に急ぐのであった。

こうじゃないの?ああじゃないの?って悩むのが好きです。

それが失敗しても成功しても、色んな経験ができるゲームが大好きです。



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