表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
469/473

第469話「沢山の金貨」

お待たせして申しわけございません。

仕事が立て込んでいるので、今週更新がきついです。すみません。

前にも書きましたが、自分が死なない限りは必ず完結はさせますので

ヨロシクオネガイイタシマス!

4/9追記しました!


「つまり、獣王君が八の字に移動した時だけ宝箱がでて、しかもその中には毎回必ず大量の金貨が入っていると言う事か」

 羨ましい。だけど羨ましいと思う反面、その金貨があとで消えてしまったりボロボロになってしまったりするのではないかと疑ってしまう。

 獣王君自身こんなに手に入るのはおかしいっすと言っていて、実は大した価値が無いのではないかと思い始めてきたようだった。

「俺、ダンジョンから脱出するとアイテムがゴミだったみたいなゲームやったことあるんすよ。これもそうかもしれないっすね。ぬか喜びしてしまったかもしれないっす。はぁ」

 最後は結局ろくでもないアイテムしか手に入らないかもしれないと考えたら誰でもやる気は無くすもんだろうなあ。正直私だって、同じような気分になるだろうな。

 ここで出現する金貨は、むしろ沢山入手させて、時間を浪費させようとしている罠なんじゃないかと思うし。

「あれ、でも待てよ。獣王君。その金貨手に入れた時メッセージでない?」


「へ? ああ。金貨を入手しましたとかでるっす。正確には金貨を何枚手に入れましたってメッセージっす」

「あれ、そうだとするともしかしたら、その金貨、本物って気がするけれど、うーん。でもやっぱり分からないや。」

「え、どういうことっすか? 気になるっす。」

「メッセージが表示されている場合は確実にアイテムを手に入れたってことだと思うんだよね。あくまで私の予想でしかないけれど」

 アイテムとして認識されていない物は、入手しましたなんてでてこないもんな。その辺の石ころとか拾ってもアイテムインベントリには入れられないし。

 だからといって、入手できたアイテムが偽物じゃないとは言い切れない。手に入ったアイテムが時間差で偽物に変わるなんてこともありそうだ。

「うーん。でも結局ここから脱出したら実は偽物でしたみたいなメッセージが流れるんじゃないっすか」

 どうなんだろうな。これまで手に入れてきたアイテムが別なものに変化したなんてことはなかったので、実際どうなるのかは分からない。


 だけど、もしそうなるとしたら、嫌だなあ。散々集めてきた薬草が、劣化した薬草とかそういうのに変化していくみたいになったら、あぁ嫌だなあ。

 私がプレイしたことがあるゲームでもあったからなあ。手に入れてからきちんと保管しておかないと、どんどん性能が劣化していってしまうという設定のアイテムが。

「その時はその時だよ。というわけで、ここにいるだけじゃ何も始まらないし、そろそろ移動しようと思うんだけれど」

 ここで大量に金貨を沢山集めておくというのは手だと思うけれど、後で無駄になるかもしれないとか色々考えすぎていくと結局先に進めなくなる。というかそういう深く考えすぎるプレイヤーを逆手にとった罠のような気がしてきた。

「うう、金貨…沢山あればこれを現金に替えられれば…」

 というような状況に陥らせることができるというわけだ。まぁ私だったらじっくりここで集めていくけど。後で無駄になったとしても、そんな情報が分からないんだから、ここで集めておくにこしたことはない。


「ねこます先輩だったらどうするんすか?」

「私だったら沢山集めてからどこか行くかな。というわけでここから別行動にする?」

 私は別に金貨を必要としていないし、むしろここから脱出する事が優先なのであまり興味はなかった。

「どこか行くの待っててくれないっすか? 金貨の分け前あげるっす」

「私は数枚もらえれば十分だよ」

「は!? なんでそんなに欲が無いんすか!?」

 欲はありまくりなんだけどね。薬草が一杯欲しいと思っているし。獣王君にしてみれば、現実世界で換金できるかもしれないのにという思いが強いんだろうなあ。でも本当に私は、そこまで必要としていないからなあ。

 一応金貨数枚と言ったのは理由がある。本物の金貨だった場合、<アノニマスターオンライン>で金というものがどういうものなのかが分かるようになるからだ。


 錬金術士はその名が示す通り、錬金、つまり金を作ることが目的だ。であれば金そのものについて知っておきたいと私は思っている。

 そういえば、ナテハ王国の光の錬金術士のトルオだっけ。なんとなく光と金ぴかには関連がありそうなので、金くらい作ってしまいそうな気がするな。

「私は参考資料として欲しいだけだよ。別にこの金貨でがっぽがっぽ稼ごうなんて考えてないから安心して」

「この金貨が何かの役に立つって言うんすか!? だったらなおさらっす! 沢山集めようっす!」

「それで、いつになったらここから出るの?」

「う、それは沢山集まってからで」

 少しばつが悪そうにする獣王君だった。集めたくなるのはしょうがないちは私も思うんだけど私だって草刈りをしたいので早くここから脱出したい。

 マオウペンギンを倒してすぐにここに捕らえられてしまったので、脱出を優先させたいし。

「私はここから早く脱出したいんだよ。獣王君は、ここでじっくりしていきたいのなら、そっちを優先させた方がいいよ」


 話が平行線になってきた。うん。もうなんか面倒くさくなってきたな! もう金貨一枚すらどうでもよくなってきたかもしれない。やっぱり私一人でどこか行くとしようかな。

「ねこます先輩! もしかしたら、もしかしたら現実で超大金持ちになれるかもしれないんすよ!? なんでそんな冷静でいられるんすか!? 俺、これでお金手に入るかもしれないって思ったらなんかこう、もっと集めないとって思い始めてきて」

 なんか予想通り過ぎることを言われてため息が出てくるな。ここは私がおかしいのかもしれないけれど。獣王君は恐らく若い学生だからなあ。一方私は社会人。この差が大きいんだろうなあ。獣王君としてはここで稼げば、ひょっとしたら一生遊んで暮らせるお金が手に入るかもしれないみたいに思っていそうだ。

「獣王君。そこまでがっつりやる気ならやっぱり私と別行動をとって欲しい。私はさっさとここから脱出したい。お金を沢山手に入れたいって気持ちは分かるんだけれど、私にも目的があるし」


 薬草を売ってお金を稼げる私が言えたもんじゃないけれど、ここで獣王君に付き合う必要性を感じない。だからここで獣王君には自分がやりたいようにやっててもらった方がいい。

「ねこます先輩。なんでそんなに急いでるんすか?」

「ここがモンスターの体内の中だから、いつでも命を狙われているような状態ってのが嫌だからね。」

 エレファントボスに常時狙われているような状況が気に入らない。いつでも攻撃を仕掛けて来られるはずなのにそれをしないというのは、つまり私がこの状況でストレスを感じていることを楽しんでいるということだ。

 絶対にそうに決まっている。向こうは絶対に私の位置を知っている。それでいながら泳がせておこうとしている。クロウニンは性格が最悪な連中の集まりだと思っているのでそれくらいするであろうことを想定している。

「より正確に言うと、多分私は、ここのボスに命を狙われているから嫌なんだよ」


「ねこます先輩ってなんかヤバイプレイヤーなんすね。その仮面と言い。やばそうっすよね。なんか割と面白いキャラはしている気がするっすけど」

 やばいプレイヤーってなんだ。勝手に魔者とか魔王にされてしまった可哀想なプレイヤーの間違いじゃないのか。ってん? なんだ?

「おっおっ。ん?」

 頭に何か落ちてきた。あ、金貨だ。なんだこれ。じゃらじゃら落ちてきているな。はは。頭上から金貨が落ちてくるなんて色々バグっているんじゃないか。

「獣王君。なんか落ちてきているんだけれど、これって金貨だよね」

「な、なんでねこます先輩の頭の上から落ちてくるんすか!? はっ!? もしかして俺の事を罠にはめようとかしたんすか!?」

「するわけないでしょ!? そういう能力があったら真っ先に自慢しているし!」

 金を生み出すことができる能力なんて私にはまだない! いつか錬金術士で生み出すつもりだけれどって。なんだこれ、どんどん落ちてきているな。


「金貨が大量に降ってきてこれ、ダメージになっているかもしれない! というかここにいるのがやばいのかも。ここから離れよう!」

「こ、これは偽物じゃないっすか!? 触れてもメッセージが流れ…あれ流れた!?」


メッセージ:金貨を手に入れました×100枚


 あ、私にも出てきたぞ。一気に100枚が手に入ったってこんなに落ちてこないんで欲しいんだけれど。あ、また手に入っている。なんだこれ、何もしなくてもお金が入ってくる!? 不労収入じゃないか! こんなの人間が駄目になる堕落だよ堕落!

「何もしなくても金貨が手に入るのはいいとして、むこうからガンガン落ちてきて、このままじゃこの広間全体が、金貨で埋め尽くされるよ!」

「げぇーっ!? これで死んだらそれこそ金の亡者じゃないっすか!?」

「誰が上手いことを言えと言った!?」

 全く、出口がなくて困っている状態だってのに、どうすればいいんだこれ。沢山触れまくって、アイテムインベントリに入れて行けばいい気もするけれど。


「よーし! 獣王君があの金貨に埋もれて来ればどんどん金貨が手に入るだろうから、突撃していこうよ!」

「死ぬかもしれないじゃないっすか!」

「金が欲しかったんじゃないの!」

「死にたくはないっす!」

「我儘すぎる! ああもう、どうするよもう! こんな金貨が大量に出てくるなんてふざけているのか!」

(母上、この金貨、母上の吸収か、錬金術でなんとかできると思いますよ)

「え!? マジで!? どうすんの!?」

「何でいきなり独り言なんすか!? ついにボケたっすか!?」

「はいはいちょっと黙ってて!」

 ひじき、錬金術でなんとかできるって?どういうこと?

(吸収はもしかしたら物理的なものなので上手くいかないかもしれませんが、錬金術なら、母上がいつも口の中に入れるその…)

 生体錬金ね! で、それが何かできるの?

(金貨を別なものに変換してしまえばいいと思います)


 いきなり別な物とか言われてもピンとこないっての! ええーと…っていうかそんなんでなんとかなる!? そして金貨を口の中にいれるとか嫌なんだけどお!

(母上ならできます! 頑張って下さい!)

「えええい! よく分からないけれど、こうすればいいんでしょ!」

 私は落ちて流れてくる金貨を口の中にいれてみた。

「何やってるんすか!? か、金食い虫!? いや金食い人間!?」

「うるふぁい!」

ええい、どうなるか分からないけれど、沢山食いまくってやる! 何が出来上がるかはお楽しみだ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ