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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
442/473

第442話「モンスターの国に乗り込むぞぉ!」

ぐだぐだしていましたが、ようやく戦いに行けます。

明日追記します。

2/10追記しました。

「さて、全員揃ったというわけで、これから作戦について説明しよう」

 私達ももりーずVは、現在、邪馬の森北部にいる。阿修羅との戦いで失われたはずの森が既に復元されていることから、このあたりはゲーム的な設定になっているようだ。現実的な話で行ったら、こんな森が元通りになるなんて考えられないし。

「よっしゃー! 待ってました! ねっこちゃん! ところでそっちのババアは仲間になったの?」

「ババアだけれど、ババアじゃないんだけれどね私ぁ。ああ、せんべいって名前を貰ったからこれからはそっちで呼んどくれ」

 山姥のせんべいが新たな仲間に加わったことをみんなに説明した。ももりーずVのメンバーも随分増えたものだ。

「おうよろしくな。せんべいばーさん」

とまぁブッチはいつもの調子だった。


「えー、何をするのかというと、私がこの鎌を全力で振るって、次元を斬り裂いてモンスターの国へ突入するだけだよ。私がいると警戒されて先に進めないから、強引に行こうってことだね。さっきみんなも体験した通り、ずっと先に進めないままになっちゃうからね」

 今は、同じ所を何度も移動しているということを実際に体験してもらった後の事だ。ここまで来たことのない面子には、この先はどうあがいても進めないということはこうやって説明したほうが手っ取り早いと判断した。


「ねこますさん。質問いいですか?」

「はいどうぞ」

「いつの間に次元を斬り裂くなんてことができるようになったんですか…」

「つい先日」

「そのつい先日に次元を斬り裂く力、というのを手に入れたってことは、この展開を誰かが仕組んだ可能性はありますよね。そのあたりはどう考えてます?」

「マオウペンギンあたりがそういう風に仕向けたんじゃないのかな。あるいはその他の勢力がいれば、だけどね。まぁ今はそれを気にしてもしょうがないから警戒するだけしかないね」


 私、というか魔者という存在を先に進ませるために、何者かか私を成長させるように仕組んだ可能性があると考えている。が、それを今どうこう言ってもしょうがない。警戒できることというかこれまでのゲーム経験でそういう展開があったって記憶を頼りに、あらゆる事態を考えてなおかつぶつかっていくしかない。

「はいはーい。じゃあ俺からも質問。マオウペンギンと戦うのは誰でもいいってこと?」

「いいよ。ここにいる誰が喧嘩を吹っ掛けてもいい。だけど、一対一なんて決まりはつけないよ」

「分かった! やった! 楽しみが増えた!」

 嬉しそうにするブッチだったが、まぁブッチがあいつと当たってくれれば私も楽と言ったら楽なんだよなあ。でもどうせ厄介な敵がごろごろしているだろうから、苦労するのは必然だろうけど。


「ねこますサマ。モンスターノクニヘ、ハイッタアトハドウスルノデスカ?」

「多分敵さんがわんさかでてくるんじゃないかな。そこで私がいきなり全力を出すのでみんなはその後に続いてね。そんで最終目標はあくまでマオウペンギン。こいつさえぶっ倒せば後は退却して構わないのでよろしく」

 他のモンスターは無視してもいいのだが、絶対にこちらの邪魔をしてくるはずなので、必要に応じて戦わなければいけなくなるだろう。

 モンスター達がどんな風に生活しているのか分からないし、私達が攻撃を仕掛けなければ無害なモンスターもいるかもしれないが、そのあたりは既に覚悟を決めている。


「姉御。最初から全力を出すなんてヤバイと思うやで。途中で力つきそうやで」

「そうなるかもしれないので。みんなが全力で私のフォローも頼むよ。いや、一応あくまでも目標はマオウペンギンの討伐だからそっちが優先だけどね」

 私も死にたくはないけれど、マオウペンギンを倒せさえすれば邪魔者が減るのでそちらが優先だ。

「ふ。あははははははは。ねっこちゃん。それは考えなんてなしの作戦じゃないの!?」

「そうだよ。私は今回ストレートに突撃することに決めたから。ごちゃごちゃしてなくて分かりやすいでしょ? やりたいようにやる。それを私は今から実行する!」


 高らかに宣言をして見せた。ここらで私も本気を出し尽くすべきだということを表明だ。

「おっけー! じゃあ俺も何も考えずに突っ走る事にする。逆らう者はみなごろしーだってね」

「ブッチニキはそれいつものことやんか!?」

「おうよ。あ、俺は金棒ぶん回すし、だいこんに乗っけて貰ってもいい?」

「ファッ!? ワイちょっと姉御にくっついていきたいなーって思ってたところやで」

「だいこん。ブッチだけじゃなくて、全員を乗せて私の後ろからついてきて」


 私が突入した後に、だいこんが全員を乗せて突撃する。そして襲い掛かってくる敵を無視して、マオウペンギンがいる場所を目指す。これだな。

「マオウペンギン。多分一番奥にいると思いますね。いきなり出てきてくれたら楽かもしれないですけれど、そんな都合よくいかないでしょうし」

「ねこます様。罠については考慮していますか?」

「罠にかかったら全力で抜け出せ。以上」

 罠にひっかかって全滅する可能性はあるだろう。とあるゲームだとボスの部屋に入った瞬間に身動きがとれなくなり、全滅してしまった展開があったくらいだし。

 だけど、今回はそんなことにはならないと思う。


「私がいつも色々考えているからみんなも考えていてくれるんだろうけれど、今回はほぼ小細工なしで行くしかないからね。死ぬかもしれない覚悟もして欲しい。私は死ぬ気が無いけれど、みんな死なないでね」

 未だ私達、ももりーずVの誰もやられたことがないというのがすごい状況だが、今回はもしかしたら犠牲がでるかもしれない。

 絶対大丈夫だ! という気持ちでは戦う。だが戦いには犠牲がつきものだ。それについて今回私は覚悟をしている。

「さて、それじゃあ、もうちょっと前に進んでいくとするか。みんなはだいこんに乗ってね」


 私以外の全員が、だいこんに乗り込んでいく。ふぅ。緊張してきたなあ。でもこの感じ悪くないな。絶対に上手く行くなんて保証はない。必然なんてことは何一つない。この先どうなるのかなんて全く分からない。だからこそ、そうだ、だからこそわくわくしてくる。あぁ武者震いしてしまっているな私。

「第一ご主人。大丈夫チウ?」

「あ、あー。大丈夫だよ。久々の挑戦だからね。」

 これは駄目だな。リーダーの私がこんな調子じゃ、みんなが安心して突撃出来ないだろう。私が一番やれるところを見せつけてやらなきゃいけない。

「ねこますサマ。ねこますサマナラ、デキマス!」

「おうよ!」


 私は、ゆっくりと前に歩いていく。邪馬の森北部の、どのあたりにいるのかは分からない。だけど、ここにモンスターの国があるはずなんだ。絶対にあるはず。

 鎌を取り出して持つ。深呼吸をする。

「それじゃあみんな行くよ! 覚悟は良いか! ももりーずV!」

「ウォオオオオ!」

 全員が勢いづいた叫び声を上げた。いいね! やっぱりこうじゃないといけないな!


「黒薔薇の型!!!」

 鎌から、赤黒い光が放たれたと同時に、漆黒の電撃があたりにほとばしった。バリバリという音を立てている。だいこんは、これに巻き込まれないように少し後ろに下がったようだ。

 かなり広範囲に渡って影響がでているようだ。私が制御できていないわけではないと思う。これは自然に発生してしまうものなのだろう。

「よおおおし! 全てを斬り裂けええええええええ!」

 目の前の、何も無い場所に向かって、思いっきり鎌を振り落とした。それを何度も何度も繰り返す。 次元すらを斬り裂けるかどうかなんて分からないが、これが出来なきゃ先に進めない。

 だけど、阿修羅がアノマスの鎌といったこの鎌ならきっとできないわけがないだろう。山姥のせんべいだってこの鎌ならできるだろうということを言っている。だからきっと!


「出てこいモンスターの国いいいい!」

 擬音が、轟音が、破裂音が、様々な音が鳴り響く。目の前にあった空間に亀裂が入る。そして空間が崩壊し、空間をつなぐ穴のようなものになった。私はそのまま一直線に突き進む。この穴がすぐに閉じてしまう事も考えられたからだ。

「行くぞおおおお! 突撃いいい!」

 このまま一直線に突撃していく。第一関門を突破したような感じだが、敵が待ち受けているかもしれないので、私は鎌を振り回しながら前に進んだ。

「グォオオオオ!」

 …本当に沢山のモンスターが待ち受けていた。獅子や熊のモンスター。猛禽類や不気味な仮面をつけた戦士。ゾンビのような奴らもいるな。

「どけどけえええ!」

 私が鎌を振りかざしていくと、モンスター達を簡単に斬り刻んでいく。そしてある程度周囲にモンスターがいなくなったところで、鎌をしまった。


「後は任せたよみんなあああ! ダブル隕石拳!」

 そう、私はいきなり全力を出すことに決めていた。そして今までまともに使ってこなかった、両手での隕石拳を発動させる事にした。失敗するかもしれないとは思ったが、無事に両手がどんどん大きくなっていく。すると、最後は両方の手にあった隕石がくっついて、一つの大きな隕石になった。

 二つ分が別な方向にのびるものだと思っていたが、そうじゃなかったようだ。まぁこれはいいや。これから起こるのは、絶対に止められない大暴走だ。


「うっは! ねっこちゃん最高! よっしゃいけえええ!」

「ねこますさん! 後で迎えにいきますから頑張ってくださいね!」

「あぁ! 頑張るから見とけよおおお!」

 そして、ダブル隕石拳が動き出す。地面をえぐりながら、徐々に速度を上げて突進していく。

「うおりゃあああああ!」

「グォオオオ!?」

「ヴォアアアア!?」

 私の前に立ちはだかるモンスターは、みなダブル隕石拳に押しつぶされていく。凶悪なモンスターは、これぐらい簡単に防いでしまうと思っていたが、そうでもないらしい。やはりこのスキルは、とてつもない破壊力なのだと、改めて思った。


「潰れろおおおお!」

 私の目の前には何があるのかさっぱり分からない。隕石拳が大きすぎるからだ。かろうじて横は見えるので国の様子は探る事ができるのだが、どうもナテハ王国と同じような街並みがあったかのように見える。

 私はそれを無慈悲にぶち壊していく、悪魔のような存在だろう。でも私は正義の味方プレイをしていないからこれで正解なんだよね! おらおらぁ! マオウペンギン! さっさと姿を現せ! このまま国民がどうなってもいいのかー! ふははー! という悪人具合だからな! このままこの道を突き進んでやる!


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