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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
441/473

第441話「魔者ねこますの決意」

※明日追記します!

2/9追記しました!

 当初、マオウペンギンを倒す予定が、私がモンスターの国へほぼ行けないことが発覚したので私以外の皆に行って貰う事にした。

 では、モンスターの国へはいけない私はどうするべきなのか。エレファントボスがいると思われる影象の森か、邪馬台国方面にいる、タイショウイカのどちらかを倒しに行こうと考えている。

 折角、これまでマオウペンギン討伐に向けて頑張ってきたのが水の泡になったのだが、そこはもうしょうがないので切り替えないといけない。

 だけど、ここで気になっていることがある。それはマオウペンギンが私に目をつけているので、基本的には他のクロウニンは私と戦う必要性が無いということだ。私としてはさっさとこんな連中をあの世送りにしてやりたいところなので、私から喧嘩をふっかけるしかない。


 気になっているのは、エレファントボスだ。象なのは確実だとして、割と象って穏やかな性格だった気がするので、そんな奴にいきなり攻撃を仕掛けるのはどうなんだろうと言う事だ。

 結局、私が将来的にクロウニン達全員から襲われるのは分かるのだが、実は私とは戦いたくなかったなんて奴もいるのではないかと思っている。クロウニンとしての本能が私と戦うようになっている時ならばまだしも、別に敵意も何もないのだったら、わざわざ相手をする必要はない気もしている。


 こんなことを考えていると、マオウペンギンの事が頭によぎった。あいつ、まさかここまで考えて私に喧嘩を吹っ掛けてきたんじゃないのだろうか、と。なんだかこう、上手くいかない私がいるので、思うようにゲームがプレイできなくてイライラしてしまった気がする。

 うーん。余計なしがらみが増えてきたなあと実感している。なんだかこう、もっと私は色々割り切っていた気がするんだけれどなあ。なんだろうなこれ。

 この間は自分の身をずっと隠して行動していたし、このままこんな自分が望まない形でゲームをプレイする事を強いられるのはちょっと違うよなあ。


 今後のプレイスタイルをなんとかしないといけないな。もういっそ、街に行くとき以外は、ずっと般若レディの姿で活動してもいいのかもしれないし。

 ずっとびくびく怯えながらゲームをプレイしているような状態が気に入らない。それに比べてブッチは好き放題やっている気がする。あんな感じに私もできたらいいんだけれどと考えている。

 こういう時は本当に覚悟がいる、今まで隠れて行動してきたのにそれを辞めると言うのは、本当に嫌になってくる。折角頑張ってきたのにという気持ちがあって、勿体なく思ってしまう。

 でも、それが今のこの状況を作り出しているのだから、いい加減踏ん切りをつけなければいけない。


「ねこますサマ。ドウシタンデスカ?」

「いやぁ、ちょっとみんなに相談したいことがあってね」

 ブッチとエリーちゃんはいないが私が考えていることを他の皆に伝える事にした。

「マオウペンギンとモンスターの国、ぶっ潰すことにした」

 この発言と同時に私はブッチとエリーちゃんにも用意していたメッセージを送った。うん。まぁ結局こういうことなんだよね。


 先日ログアウトしてからじっくり考えていた。今の私は<アノニマスターオンライン>をプレイすることが窮屈になってきている、と。

 魔者の存在、般若レディの存在。そして死んで欲しくない仲間達。それらを背負っているような感じでゲームをプレイしているものだからとても重く感じていた。

 始めた頃はもっと気楽だったって言うのに、なんだかすごくつまらないことになってきたと感じている。全力を出せていない。全力で立ち向かっていない。知らない何かにずっと怯え続けて、過去のことを引きずってずっと前に進んでいない。


 このゲームは凄く楽しい。だというのに制限がある中でプレイしたらつまらなくなる。だったら、制限なんてもういい加減とっぱらってしまえというのが私の下した決断だ。

「たけのこと出会った頃の私はもうちょっとがむしゃらだったと思うし、みんなと戦ってきたのもずっと全力だったと思う。だけど、ここ最近はなんかこう違うなって思っている所があってね。だからさ、もういい加減、初心に帰って何も考えず突っ走ってみようって思ったんだ」


「ねこますサマ! ワタシハ、ねこますサマノイケンニサンセイデス!」

 たけのこが即座に反応する。続いて他の皆も発言していく。

「ワイも、最近の姉御は後ろ向き過ぎたと思うやで! だからもっと強引に攻め込むべきやと思うやで!」

「マスター。マスターはやりたいことを押し通す力を持っているでござる。拙者はそれに協力したいでござる!」

「そうだよね!? 私もっとやれるよね! もっとこうさぁ! 必死になっていけば、なんかこうボスとかボコボコにできそうな気がしない!?」

 こうして応援して貰えると、なんだか自分が強くなってきたしてくる。うん。私ならできる。絶対できるって気分になってきた。


「ねこますドノハ、ジュウブンツヨイデス!」

「ソノトオリ! ワレラノナカデサイキョウデス!」

 おお、イッピキメとニヒキメもそこまで言ってくれるか! 嬉しくなってきたな! へへへ。でも最強はどちらかというとブッチだけどね!

「ねこます様。我は、魔者ねこます様ならば、この世界を牛耳る事くらい容易いと思っています。ねこます様には無理なことなどございません!」

「よおおし! 言ったなサンショウ! 私はその通りやってやるからね!?」

「ええ。よろしくお願いします。」


 なんか急に行ける様な気分になってきたな。ノリに乗ってきたような気がする。最近はこういう勢いが足りなかったな私! うんうん!

「第一ご主人、僕も協力するチウ!」

「マスター。俺は…この大陸から出られないみたいだけれど、協力するよ!」

「ありがとう!」

 もうこの勢いで私はやっていくしかないな! なんか最終回的な流れだな!

「…あぁえーとねこます殿っていうのかい名前は。私はまだ新参だけれど協力するよ。まぁ魔者と言えばあらゆることが出来ると言われている超越者なのだから、できないことはないさ」

「おうよ! や、や…。せんべい!」

「はい?」

「山姥の名前だよ! 今日からせんべいな!」


「と、唐突だね。まぁ別に構わないが」

 山姥の名前は、今日からせんべいにすることにした。うんいいね。せんべい。ぴったりな気がする。これからよろしくって感じだね。

 他の皆は種族名で呼んではいないので、違和感があったけれど、これなら仲間になったっぽくていいな。

「で、早速全員で人間の大陸に行って、マオウペンギンをぶちのめそうじゃないか!」

「え!?」

「え!? じゃない!! この勢いを失くしたらまた私は後ろ向きになる気がするから、なんとしても行くんだよ! 今から!」


 そう、私はこういう勢いがないと駄目なのだ。いざやると決めたらすぐにやる。有言実行だ。このまま勢いに乗ってやっていくのだ! ふはははは!

「ビスケットは残念ながら連れていけないけれど、必ず連れていく方法を探すから待っててね」

「はい! 俺もそのうちワープとかできるようになったらついていきますのでよろしくお願いします!」

 ワープかぁ。それが出来るようになったら、ビスケットとどこでも冒険ができるようになって面白くなる、かな。


マブダチからのメッセージ:面白そうなので俺は乗った! やっぱりねっこちゃんはそうでなくちゃ! 問答無用で殴り込みに行くとか分かりやすくていいじゃん!


エリーからのメッセージ:行きましょうか。何も、こそこそする必要はないはずです! 挑戦を恐れてばかりいたら、何もできませんし! 行きましょう!


 よし、これで全員の同意を貰ったということで、いざ攻め込むことが決まった。二人とも結構ノリが良かったりするんだよなあ。好き勝手言ったつもりはあるんだけれど、面白そうって思ったら絶対ついてきてくれるあたりがいいな!

「ブッチやエリーちゃんも来るって。そんでまぁやることなんだけれど、それは全員揃った時点で説明するね」

 私の中では、どうやって攻め込むのかはもう決まっている。というかまずは私が攻め込まなければ駄目なので、私が率先して出向くことになる。

 リーダーが先頭に立つって、どうなのと思われそうだが、私はリーダーであっても軍師だとかそういうのにはあまり向かないタイプだと思うので、このまま一気に攻め込もうと思っただけだ。

「ところで姉御。敵がどれだけいるのか分かっとるんか?」

「そういうことはもう考えない事にした。」

「ファッ!? 姉御らしくないんやないか!?」

「そうだね。だけどいい加減、この状況をぶっ壊したいからねえ」


 本来は敵の数がどれだけいて、攻め込んだらどういう風な状況に追い込まれるのかなんてことはしっかり準備をしていくことが必要だろう。

 私は、それらをこの戦いから、辞める事にした。今後もその戦いをやっていたらそれをやっていたらクロウニンを全て倒すのに、何年かかるんだというような話になってきてしまうから。

 このゲームは面白い。だけど、ずっと前に進めないままぐだぐだしているのはつまらない。だから今ここで余計なしがらみというか、禍根を断ってしまいたい。


 <アノニマスターオンライン>がサービス終了する日だっていつかは来ると思う。それまでに後悔の無いようなプレイをしていかないと駄目だろう。

 それに、私もいつまでこのゲームを続けていられるのかだって分からない。今は健康だし、遊べる時間が確保できているけれど、それが終わるときはいつだってくる。

 それを意識したら、このままじゃいけないと思った。じっくり、ゆっくりと堅実なプレイは好きだけれど、ようやくこれからだって時にサービスが終了なんてことになったらやってられない。

 過去にプレイしていたオンラインゲームではそんなものがあったのを覚えているが、喪失感が半端なかった。

 時間を散々浪費して、強敵のボスに挑戦しようとしたその時にサービスが終了。終了間際になんとかある程度のボスを倒すことができたけれど、ほとんど倒せずに終わってしまった。


 つまり、明日があると思うなよというのがオンラインゲームだ。勿論、サービスの終了発表から実際の終了までは結構な時間があると思うが、時間は有限だ。

 やれることを今やってしまわないと、勿体ない。挑戦ができないまま終わるのは絶対に嫌だ。そんな想いから私は、今からモンスターの王国に攻め入る事を、決意した。


まだ終わりません。続きます。

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