表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
428/473

第428話「強い、台風に今立ち向かっていく2」

明日、前話含めて加筆修正します。

申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。

1/24加筆修正しました。この話を読んだ方は427話も修正していますので先にそちらをお読みください。

「ドロヌマオロチ、ね」

 サンショウに封印されているんだよな。そんでもってあの湿地帯というかあのあたりに本体があるんじゃないかと思ったんだけれど、そのあたりもうちょっと詳しくサンショウから聞かなきゃいけないかなって思っていたんだけれど、特に問題もなかったのでそのままにしちゃってたな。

 はぁ、今回ここにサンショウが来ていなくてよかった。もし来ていたらかなりまずかったな。いきなりサンショウが狙われてドロヌマオロチが復活なんてことになったらまずかっただろう。

 それにしても、クロウニンの名前がまた出てきたのか! 何なの一体!? ほぼ全部でてきたも同然じゃないか! クロウニンのオンパレードというか、これは酷すぎる! 誰だよこんな脚本を考えたのは!

「ありえない話じゃないよね?」

「そうだね」


 私達がいるあたりに阿修羅がいたのも偶然じゃないってことなのかもしれないな。サンショウがドロヌマオロチを封印しているのだから、その封印の近くにいた私達に何か感じ取ってここまで来たってことも考えられそうだし。あれ、なんだろう。つまり私達がここにきたからあいつらここで暴れだしたって事になるのか。うわぁ迷惑な連中だな。

 今こうしてブッチと一緒に逃げなきゃいけなくなったのも…あいつらぁぁああ!

「もう出過ぎな気がするんだけど」

「全員まとめてぶっ倒して野郎よ! あははは!」

 本当にもうね!? すごいよこの展開! マオウペンギンに出会って、エレファントボスがいるかもしれないことが分かって、その上ドロヌマオロチだぁ!? クロウニンが三匹も何しているんだよ! お前らそういうとこだぞ!


「運命みたいなものだと思うよ!」

「嫌な運命過ぎる!」

 少女漫画的な運命の出会いとかならまだしも、そんなことは全くなく、恐ろしいモンスター達と出会わなければいけないとかホラーゲームみたいなものじゃないか。

「で、今更だけど! もう北上しているよ!」

「お? おおお? そういえば!」

 こうやって戦いの最中でもブッチは会話しながらひたすら走ってしかもさっき竜巻が飛んできていたのにそれもかわしながら進んでいた。おかしな動きをするのはいつものことだけれど、やっぱりやることはきちんとやるんだな。

「後はひたすら真っ直ぐ進めばいいかな!?」

「いいよ! それであとはあの竜巻がこのあたり一帯を吹っ飛ばしてしまえば最高だ!」


 ひょっとしたらモンスターの国にたどり着けるかもしれないし、駄目だったとしても、ただ木々を吹っ飛ばすだけじゃだめというのが分かるから収穫はある。

 すぐにマオウペンギンに襲われるかもしれないけれど、ひとまずモンスターの国を転移石に登録出来ればそれでいい。その後はこちらから自由に攻め込むことができるようになるし。

「一直線に走るだけなら超余裕!!!」

「おおおっとっと!」

 ブッチは、ただ真っ直ぐ、ひたすらまっすぐ走り続ける。この赤く燃え上がるような森の中を。

「さぁてと! どこまでこの森林をぶっ壊してくれるのかなあの竜巻は! 森林火災レベルやってくれるかなあ!?」

 うっ。毎回森林火災を起こしてきたけれど、あれ一応災害というかあまりよくないことだから、なんだか悪い気がしてきたな。といってもゲームだから割とすぐに復活するみたいなんだけれど。毎回燃やしまくっていたせいでどうもなぁ。


「グァハハア!! オヌシラハ、ココデシヌノダ!」

「やべえ! 寿司ちゃん! 俺、幻聴が聞こえてきたぜ!」

「幻聴じゃないから! 本当に聞こえているよ!?」

「竜巻が喋るわけないじゃん!」

「そういう冗談は良いから!」

 喋る竜巻とか面白いかもしれないけれど、ここでそれを言っても面白くはない。何しろ後ろから迫ってきているのだから。向こうもただ一直線に進めだけのこちらを追いかけるのは楽なのかどんどん速度が上がってきている気がする。これ、追い付かれないよね?


「マジャノチカラ! トクトミセテモラッタゾ! オヌシハ、ココデカナラズコロス!」

 なんか言われているんだけれど、これブッチと言うよりは私の事を言ってる気がするな。私に執着しないで欲しい。もうお前との関係は終わっただろうに。

「私、あの阿修羅との関係が終わったのにストーカーされて困っているんだけれど。ブッチ警察さんなんとかしてください」

「モテ期じゃん。ひゅーひゅー!」

「全く嬉しくないんだけど!!」

 モンスターにモテても嬉しくもなんともない。それに元々クロウニン達から恨みを買っているせいか最初からモテモテで、嫌になっちゃってるし。いやぁモてる女は辛いなあ。つ、辛いなあ。はぁ。ため息まででてしまうよ。幸せが逃げていくよ。ぐすん。


「なんか、赤いもや? みたいなの薄くなってきた気がする」

「やっぱり木だったのかなぁ。でも沢山倒してもあまり意味が無かったし。あぁ、数が足りなかったのかな」

 竜巻になった阿修羅と邪竜が、沢山の木々を吹き飛ばしていくうちに、ここで真っ赤に映って見えていたものが薄れていくのが分かった。やっぱり、この木々がなくなれば、ここから先に行けるんじゃないかな。本当にどうなるかはまだ分からないので、期待だけしておくことにする。

「ゴールがあれば本当にレースしてるみたいで面白いんだけどな! レースになってくれないかな!」

 突然レースゲームになったらなったでどうなのかと思うけれど。レースゲームで竜巻に追い回されるなんて嫌だし。

「このまま完全独走してよ」

「おう! 一位は渡さないぜ! 俺の前に立ちふさがる奴は誰だろうとぶっ飛ばす! 俺の後ろから追い越そうとしてくる奴もぶっ飛ばす! つまり俺ブッチがナンバーワン! うおおお! 絶対に勝つぞ!」

 勝負事には本当に熱くなるんだからなぁ。そのあたりが男子だよなーブッチは。最強とかに浪漫を感じているみたいだし。


「…そうだ! 確かにずっと同じ所繰り返しているような気になってくるけど、これって全部別な場所じゃないのかな」

 え。マジで!? ということはひょっとしてひょっとすると、いや、考えないようにしていたわけじゃないけれど。ありえる、な。

「もしかして、とんでもなく遠い所にモンスターの国があるってこと?」

「多分そうなんじゃないかな!!」

 1時間以上は歩いたというか2時間はあるいてみたような気がする。え、それじゃあもしかしてここから先のモンスターの国に行くためには、2時間以上は軽くかかって、何十時間も頑張らないとたどり着けないってことになるのかな? それは、辛すぎないか!?

「このゲームならあり得るじゃん。もう寿司ちゃんってば。そんな甘いゲームじゃないってもう理解していたはずじゃないか。」


 分かっている。分かっているけれど、まさかそこまでやるなんて。ひょっとして、転移石でも登録が不可能になっているなんてことはないだろうか。そうなってくると、かなりまずいことになる気がしてきた。

 突然モンスターの国の入り口を前にしてしまって、そのまま入ったら、いきなりマオウペンギンに襲われるなんてこともありそうだ。最悪のパターンだな。

 RPGだと階段を下りたその先でいきなり敵と遭遇する、0歩エンカウントなんてものもあったっけ。いきなり出てくるものだから注意しないといけないんだよな。

「今度からもうちょっと根性出すことにするよ」

「あ、じゃあここから一人で走るのも頑張ってみる?」

「このタイミングはダメダメ! いいから一直線に頼むよ!」

 後ろから竜巻が追いかけてきているのに鈍足な私が逃げ切れるわけないだろう。逃げたとしても、すぐに追いつかれて戦わなきゃいけなくなる。

「なんであいつ勢力が落ちないの! おかしいよ! 狡い! 狡くない!?」

「気持ちは分かるけれど、これが厳しい世の中ってことだよ。同じ魔法でも何故か敵が使った方が強かったなんてゲームやったことあるでしょ?」


 あるよ、何故かこちらが使うのと同じ名前なのに敵の方が優秀な性能を誇っていることがあって、そういうときは辛酸をなめさせられたものだった。あいつら容赦なく魔法を叩きこんでくるとか最悪だし。

「あの竜巻はふざけてる! 絶対とっちめてやる! あ、威力が落ちたらね。」

 このままツッコんだら柔道着の男の二の舞になるのでまだ攻撃を仕掛けない。勢力が弱まった時は、こいつを全力で倒しに行く。今、怖いのはこの竜巻だけだ。吸い込まれたら一巻の終わりだし。

「あ、そうだブッチ。ここらの木を斬るから、その斬った木を投げつけてくれる?」

「いい案だね。肩車したままでもいいの?」

「いいよ。投げる時はブッチが大変そうだけれど」

「そのくらい余裕だって! おしじゃあ頼んだよ!」


 ブッチはかなりの速度を誇っているので竜巻に追い付かれる心配は今のところない。だから、ここで私が黒薔薇の型を使って鎌を振るって木を斬り倒して、それをブッチにあの竜巻目掛けて投げつけてもらう。竜巻はこのあたり一帯の木々を吸い込んでいるけれど、投げつけたら意外といい感じで削っていけるのではないかと思った。

「おりゃああ! っとブッチ!」

「おっけええ! いけえええ!」

 大きな木をそのまま投げつけるブッチは凄いなあ、両腕で持つことができるなんておかしいよ。だけど、ブッチが投げつけた木は、あっという間に粉々になってしまった。やっぱり微妙なのかな。


「何もしないよりは何かした方がいいし、寿司ちゃんはずっとその鎌使える?」

「多分いけるとは思う」

 今まで黒薔薇の型を限界まで使い込んだことは無かったけれど、いけるんじゃないかなあ。まぁ上手く使えなくなったらその時はその時で考えよう。今は集中集中!

「コノテイドナンテコトハナイゾオ!」

 なんであんないちいち威張り散らしているんだろう。なんか弱そうに見えてきたよ。

「なんであんないちいち威張り散らしているんだろう。なんか弱そうに見えてきたよ」

「私が思っていることをそっくりそのまま口に出すなあ!」


 エスパーなのかブッチは!? 違うだろうけれど言いたくなった。はぁ、とにかく木を斬って投げる作業ゲーの開始だ。頑張ろう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ