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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第2章「般若レディと優雅な目標(仮題)」
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第41話「女王蜂」

「うおおおおおおお!!!」

 光に吸い込まれていくが、すんでのところでブッチは突然逆走し始めた。大体考えは読

めるが。こんな時にそれをやるのか。

「こういうワープゾーン的なのに入ったとき逆走したいって思ってたんだよなあああ!」

 光に吸い込まれないように必死で逆走するブッチ。子供の頃は滑り台を逆から登るとか

やっていたんだろうなあ。

「どうせこの光の先には女王蜂でもいるんだろ!馬鹿野郎お前!お前なんぞに誘われる俺

じゃないぞ!むしろお前がこっちにこおおおおい!」

あっ、それは私も思うな。今更出てきやがってって感じ。遅れてやってくる主人公かっつ

うのって意味では腹が立ってくるな。

「おっし、これでも投げ込んでやるか。」

 私は光に向かって、火薬草を投げつけた。しかし、爆発は起こらなかった。だめか。だっ

たら、今度は、光の近くの地面に向かって投げつけてやるか。

「くらえこの野郎!」

 正直な話、向こう側に何がいるかは分からない。だがここは警戒しておくにこしたこと

はいし、これで先制攻撃ができるならするべきだろう。相手が有利な場所に誘い込もうと

しているのならば、なおさらそうしたほうがいい。

 爆発が起きる。白い光が一瞬揺らぎ、吸い込まれる力が弱くなる。

「これ、もしかしたら爆発でぶっ壊せるんじゃね?」

「どうだろ!光の向こう側にいる奴に当たっているかもしれないし!ぬああああ!」

ブッチは常に走りっぱなしなのできつそうだ。よし、どんどん投げつけてやるか。火薬草

はまだまだあるので、爆発魔にでもなったかのように地面に向かって放り投げていく。

 爆発が起こるたびに吸い込む力が弱くなる。光も消えかかってきた。すると、次の瞬間


「ギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!!!!!!」


 叫び声をあげながら突進してくる大きな黒い影があった。これは、こいつこそが、女王

蜂だ!体長が2メートル以上ある!ブッチよりも少し大きいくらいの、巨大な羽の生えた

女王蜂!鋭い目つきをしてこちらを凝視してくる。

「ギギギギギギギギギギギギギ!!!」

よく見てみると、体中に火傷のような跡がある。ほう。火薬草を食らっていたんだな。や

ったぜ!ざまあみろ!

「よし!ブッチ下ろして!あいつをぶっ倒すよ!」

「あいよぉおおお!たけのこちゃんもほいっと!」

そして私たちは巨大な女王蜂と相対する。私は鎌を持つ。ブッチは、おっと素手か。

「お前の「針」と俺の「張りて」どっちが強いか思い知らせてやる!」

「おお…なんやブッチニキが燃えてるやで・・・。」

「ワタシタチモサポートシマス!」

「んじゃ!だいこんは毒耐性あるんだし一応巨大化して壁になって!」

「またかい!くっそ!ブッチニキいてまうんやああああああ!」


 多分、みんな蜂が嫌いになってきている。いや、私なんかはもともと蜂は嫌いだが。ろ

くにアイテムも手に入らないのに延々と戦わされ続けているのだからむしゃくしゃしても

しょうがない。

 私も、そろそろここらで焼きを入れてやりたいと思っていたところなので、普段ならこ

のでかい女王蜂なんか気持ちが悪くて戦わなかっただろうが、今はぶっ倒したいという気

持ちでいっぱいだ。


「狐火!」

早速だが、火薬草ではなくこちらを使うことにした。爆発でなく火を燃やしたいと思った

ので、近づいて吐いてやった。

「ギギギ!?ギ・・・ギギギギギギッギイ!!!!!」

うぉあっ!あんまり効いてねえ!ってかまずい!女王蜂が針をこちらに向かって突進して

くる!うおおおおおお!

「ねっこちゃんあっぶね!!!うおおおおおおりゃああ!」

 そこへブッチが走ってくる。そして、私が攻撃を食らいそうになる直前に、女王蜂の顔

面へ思いっきり張り手をくらわした。た、助かった!

「ギギギギギギギギギギ!!!」

怒りを露にする女王蜂。

「全力の張り手に耐えるか。まぁでも効いてるようだしなんとかなるか。」

「あー。ありがとブッチ。助かったよ。流石マブダチだ。」

 ここは素直に礼を言っておく。本当にやばかったし。

「おっ!?そうだね俺たちはマブダチだもんな!ははははははははは!おーし!まだまだ

楽しみは終わらんぜ!女王蜂さんよぉ!」

四股を踏むブッチ。やる気十分だ。

「ギイイイイイイイ!」

女王蜂が叫ぶ。すると、どこからともなく、いつもの蜂が数匹姿を表した。やはりこいつ

が蜂を呼び出していやがったのか!許せん!


「うざい!邪魔だ!!!」

数匹程度物ともせず、素手で蹴散らすブッチ。また強くなってないか?

「どうしたこのビビり蜂女王が!かかってこいや!」

「ギイイイイイイイイイ!」

癇癪を起したかのように突撃する女王蜂だった。だったが、そこで驚くべきことが起きた。

女王蜂の腹部から「角」が突き出てきた。それはそのまま腹を突き抜けていく。それは

「た、たけのこおおお!?」

まじかい!なんじゃそれ!たけのこ、お前ちょっとそれやばいだろおい!嘘だろおい!え?

女王蜂どうしたよおい!?

「ギ!!!!?ギギギギ!?」

 何が起こったのか分からないような動きをしている。すると、またたけのこが動き出し、

今後は女王蜂の右目に向かって角を突き刺した。それが終わると左目も突き刺す。た、たけの

こが情け容赦ない。というかなんだこれ、いきなり強すぎじゃない!?


「え。ちょ?え!?たけのこちゃん?えっ!?」

ブッチもあっけにとられている。まさかたけのこが、ここまで動けて女王蜂を一方的に蹂

躙するとまでは思っていなかったのだろう。私も思っていなかったけれど。


「あのわんころやばすぎやで…。」

これは、ただただ、だいこんに同意するしかなかった。


思わぬ伏兵がいたものです。

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