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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
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第405話「観戦」

今年最後の投稿です! いつも読んでくださる方ありがとうございます!

 ここはどこ。私はねこます。数十分間、隕石拳の制御の練習をしたがどうにもなりませんでした。だけど、ようやく効果が終了したので、爆心地のようになった場所にぽつんと一人佇んでおりましたと。

 それにしても、また森か。なんでいつもいつも森なんだ。そりゃ世界はこういう植物で埋め尽くされていると言っても過言ではないと思うけどさ。私が行くところって大体森なんだよなぁ。私もそろそろ火山だとか砂漠だとかそういういかにもな場所に行きたかったんだけど、また森だよ。

 あ、そうだ。転移石だ。転移石に場所を登録すれば、ここが、どこなのか分かるはずだ。よし、早速登録してみよう。


メッセージ:影象の森が登録されました。


 えいぞうのもりと読めばいいんだろうか。影の象ねぇ。ふーん。じゃないよ! ここで象だと!? クロウニンにエレファントボスとか象っぽい名前の奴がいたけれど、それと関わりありそうじゃないか!

ふざけるな! まだマオウペンギンとも出会ったばかりだぞ! これはもう森の名前からして、エレファントボスがいますって流れじゃないのか。そんなの納得できるか! いい加減にしろ!

 あとまだ正体不明なのはタイショウイカだっけ。そいつは名前的には海とかそういうところにいそうな気がするけれど、こういう流れだといきなり遭遇する危険性もあるし気を付けないとな!

 レッドドラゴンがイッピキメとニヒキメが死んだら、出てくる奴で、ドロヌマオロチはサンショウに封印されている。ここまでは分かった。

 運が悪いと、連戦に近い形になってしまうって事だよなこれ。どうしろっていうんだ。今はマオウペンギンの標的にされているけれど、次はここにいるかもしれないエレファントボスが相手か? なんだかなぁ。


 ここは覚悟しておこう。エレファントボスといきなり遭遇して戦うことになってもいいように。一匹くらいは温厚なクロウニンがいてもいいんじゃないかとも思ったけれど、楽観的に考えていると痛い目に遭うのはいつものことだからなぁ。

「気配感知…。」

 ここで、何個かドラゴンフルーツを食べながら気配感知を使ってみる。今の所何も反応はない。だけどクロウニンは突然現れたりするからな。引き締めて行かないと。

「…。普通の森にしか見えないけれど、ここからどうやって出ればいいんだ。あ、ひとまず転移石で戻ってみるか。」

 というわけで、早速使ってみることにした。使えなかった嫌だなぁ。あ。使えた。あっさりと使えて拍子抜けしてしまったけれど、影象の森なんて絶対何かありそうなところを一人でいるのは危険なのでみんながいる時に行くことにしたい。

 といってもまずは私が他の転移石を登録しなきゃいけないんだけれどね。はぁ。ん?



 神殿の近くにいるのだけれど、街というかナテハ王国方面を見ると、大量のモンスターが突撃しているのが見えた。うわぁ、あれはやばそうだなぁ。あれこそまさにスタンピードじゃないか。

 迎え撃とうとしているプレイヤーっぽいのも沢山見えるな。なるほど、ナテハ王国防衛戦ってところか。まっ私は参戦する気はないけれどね。おっと、それについてはみんなにメッセージをしておかないといけないな。


エリーからのメッセージ:ねこますさん。神殿に戻っていたんですね。あたし達もすぐ行きます。


 ということであっさりとみんなと合流できた。だけどブッチからは返事がない。何をしているんだろうか。大体予想はつくけれど。

「えーと。マオウペンギンに会ったんだ。そんでもって、もしかしたらエレファントボスがいるところも突き止めたかもしれない。」

 みんな、ああやっぱりなみたいな顔をしていた。マオウペンギンの話の下りとか流れを思い出せば分かるけれどさぁ。絶対出てくるわけがないって思っていたのに、まさか出るなんてって思ったよ。

「だから言ったじゃないですか! ねこますさんはそういうフラグを立てるのが上手いんです! そういう不運の星の元に生まれてきたんです!」

 それ言いすぎじゃないと言いたくなったけれど、最近どうも悪いことばかり当たる気がしてきたので、確かに不運じゃないのかと思い始めてきた。まぁ私、256分の1の確率でしか発生しないゲームのイベントとか一発目で引き当てるなんてこと多いんだけどね! しかもそのイベントはステータスが下がるようなイベントで何もいいことがないっていうね。


「マスター。拙者はエレファントボスの調査もするべきではないかと思うのですが。」

「ん? あぁ、現状はマオウペンギンに狙われているから、エレファントボスの方を調べればいいってことだね。確かにそれもしたいところだね。」

 クロウニンはまとめて襲い掛かってくる事がない、はず。なので、エレファントボスと出会ったところで襲われることはないので、調べるというのは確かにいいかもしれない。

「その前にあっちのスタンピードの防衛戦に参加しなくていいんですか?」

「薬草が売る場所がなくなったら困るから、敗北が濃厚になったらちょっと参戦しようかな。」


 それはありえないなんて思っているけれど。プレイヤーが沢山いるし、NPCだって多数参戦するだろう。ベテランプレイヤーだって沢山いるんじゃないかと思うし、ああいうイベントは、盛り上げるためにプレイヤーが勝利しやすくなっているはずだ。だから難易度がすごい高いなんて言う事はないと思う

「でも、あんな大群なんて…。勝てる気がしないんですが。」

「いやー大丈夫だと思うよ。プレイヤーって結構強かだと思うしってお!?」

 もう一回スタンピードが発生している場所を見てみたら、さっきの何倍もいるように見える。え、あんなにいたっけ。というかあれ、ナテハ王国全土を埋め尽くせそうな勢いじゃないのか? 大丈夫なのかあれ!?

「ごめん。あれはやばそう。持ちこたえられるか微妙だね。でも私達にできる事なんてなさそうだしなぁ。」

「え? ねこますさんがあのでっかい岩になるスキルを使えば一網打尽じゃ…。」

「今日一回使ったし、二回目って言うのは…。」

 …なんでみんな私を期待の眼差しで見るんだ。私なら出来る大丈夫だみたいな顔をしている。え。でも私はあの国を守る義務とかそういうのないしさ、別に無理しなくてもいいと思うんだけれど。それにここで隕石拳使っていったら、他のプレイヤーに存在が知れ渡りそうだし嫌だなあ、なんて。

「ねこますさん! 薬草が買い取って貰えなくなったらどうするんですか!」

「また別な国とか探せばいいんじゃ。」

「時間がかかっちゃいます。なので、出来ればあそこの敵を殲滅しましょう。そうすればお金、じゃなくて薬草を買い取って貰えます!」


 お金のことになるとエリーちゃんは厳しくなるなあ。だけど、あの暴走を私が止めるって言っても。私以上のプレイヤーが沢山いるからなんとかしてくれるんじゃないのかね。

「ねこます様。戦闘が始まったようです。」

 魔法やスキルの発生が遠目からでも見える。無数の矢が放たれる一方で、モンスター達も魔法で反撃したり、何か棘のような物を発射したりしている。炎が上がり、雷が轟く。色んな輝きが空を照らしている。うわぁ綺麗だなあなんて思うような気持ちはない。

 これ戦争だな。普通に戦争。というか王国側も何か秘策とかないのか。超高威力の兵器があるとかさぁ。後は、ドーラ先生以外の錬金術士達とかみんな何やっているんだ。

 さっさと迎撃をしてくれよ。このままだと私に出番が回ってきそうな気がするじゃないか。それとブッチ。どうしたんだ。やっぱり沢山のモンスターを相手にしていて余裕がないのか?


「エリーちゃん。悪いけどまだ様子見するよ。このまま私がつっこんだだけで解決するってわけでもなさそうな気がしてきたし。後ろから敵のボスが現れたらそれこそどうしようもない。」

 最初から全力で戦うのは悪くないけれど、ここで私が全力を出し切ったタイミングで敵の増援なんかがきたら非常にまずい。なので今は様子見。

 そして私がこうやって状況を見据えているのと同じように、多分一部の高レベルプレイヤーなんかも様子見をしているんじゃないかと思う。多分ボス狙いだろう。そいつらが出張ってくるまで待っていそうな気がする。

 ボスはレアアイテムを落とすなんてことも多いから、そこで戦うつもりだろう。大して欲しくもないアイテムしか手に入らないのなら相手にするなんてことはないんだろう。


「周りの動きをよく見て動かないといけないってことですね。だけど、明らかにプレイヤー側が劣勢な気がしますけどね。」

「あのままだと、ボスと戦うとか言ってられないと思う。さっさとツッコめばいいのに。」

 四の五の言ってられない状況下だろうが、損をしたくないプレイヤーは前に出ないのだろう。となると今前線で戦っているプレイヤーは経験値稼ぎか、あるいはスタンピードの戦いが初めての参加とかだろうな。

 あー。あんなに頑張っているんだから、サポートくらいしにいけばいいのになぁ全く。私も人の事を言えないけれど、人間側の味方というよりも、どちらかといえば敵対しているほうだからなぁ。

「ねこますサマ。ニンゲンタチガマケソウデスガ。」

「そろそろ出てくるよ。強い奴がね。ほら。」

 ナテハ王国側から、ものすごい衝撃破が発生して、敵の群れを一網打尽にしたようだ。すごいなあれ。あんなスキルがあるのか。あんなのをくらったら私も一撃でやられてしまいそうだなあ。プレイヤーには気を付けないといけないな。

「…やーっとやる気になったか。」

「ですね。安心しました。」


 プレイヤーを舐めてはいけない。プレイヤーは私達と同じ人間なのだから、思考している。だからこそ強敵だ。世の中には沢山のプレイヤーがいるが、その人たちは試行錯誤を繰り返し、あらゆるゲームを攻略してきた。だから私みたいにこうなるのではないかという考えをしていき、確実に攻略するための方法をあらゆる視点から模索する。

 だからこそ手強い。そしてこれが、将来的に私が相手にするかもしれない相手、プレイヤーか。武者震いがしてくるなあ。

「あの中にトッププレイヤーもいるのかもしれないね。いつかは戦ってみたいね。」

 まぁ私はびびりだから、すぐに戦うなんて言えないんだけどね。


お読みいただきありがとうございます。

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