表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
403/473

第403話「邪馬の森の謎を解き明かそう」

明日追記します!

12/30追記しました!

 燃やしてしまいたい、この森を。ゲームでイライラするというのも良くない話だが、魔者の試練に加えてこの赤くなる現象の二重苦で八つ当たりをしたくなってきてしまった。どうも私は、こういう環境に長居していると疲労も蓄積しやすくなってくるようだ。

「ここにある木を全て切り倒すのが条件って可能性もあるんだよなあ。」

 そんな私にとって都合のいい条件ではないと思うが、いっそ全て破壊してしまえばいいと思うようになってきた。

「はぁ…そもそもなんで赤く見えるのか、から考えてみるか。」

 この現象を発生させるモンスターがいる。これが多分最も分かりやすい答えかな。そんな奴がいるとしたらどこかに隠れているって事になるけれど、見当たらない。そうなってくると、とても小さなサイズのモンスターって事になりそうだな。

 次にここにある木のどれか一本がこの現象を発生させているかもしれない。私が百本以上切り倒してきた中にはなくて、まだ切り倒していないどれかが怪しい。


 三つ目、これは私達自身の問題の可能性だ。私達自身が持つ生命力とか何かがこの森では、このような赤いものとして見えるようになってしまうのかもしれない。寒い日に外にでると、吐き出す息が白く見える時がある。それと同じようなことだと思うと分かりやすいかもしれない。これが赤く見える原因だとすると、解決するのは難しくなりそうだ。

 ここまでが、赤くなる現象の方。そしてここからは魔者の試練の方だ。実のところ、魔者の試練ではないのではないかと思い始めてきている。単純にここが迷いの森のようになっているのではないかという考えだ。

 マオウペンギンが、この森の北にモンスターの国があると言っていたが、そう簡単に行けるような場所ではないと考える。もしも、ここが迷いの森になっているのであれば人間達が攻め込んでくる事もないだろうし。私が、今まで何度も魔者の試練を経験してきてしまったので誤解しているということがありえそうだ。

「…この森の攻略を後回しにするって言うのもいいかもしれないなあ。」

「ねこますサマ。ソウナルト、マオウペンギント、タタカエナイコトニ、ナリマセンカ?」


 たけのこの言う通りなんだけれど。別にマオウペンギンと戦わなきゃいけないわけではないしなあ。それに私からわざわざ立ち向かっていかなくても、いずれはあいつが発狂してこちらに向かってくるだろうし。

 ん? 待てよ。それでもあいつは、わざわざ私相手に宣戦布告をしにきたんだよな。別に今すぐ戦わなきゃいけないわけでもなかったのに。なんだ? 何かを見逃している?

「マオウペンギンがわざわざ出てきた理由…?」

 …。考えろ、ここが大事な場面だ。きっと何か理由が…。マオウペンギンが私に唾を付けたとか言ってたから次に戦うことが確定している。いずれは向こうから襲い掛かってくるとして…私は別にモンスターの国に行く必要はない。勝手に襲い掛かってくるあいつを倒せばいい。

 あいつが襲い掛かってくるってことは、色んな物を破壊する。…。もしかしてあいつ、モンスターの国で自分が戦ったらまずいことになるから、自分から私に会いに来たってことか? そんでもってこの森で私が足止めされていれば、やっぱりモンスターの国に入れないので、最悪ここで戦闘になるってことだよな。


 私がここから逃げ出したとしても、あいつはクロウニンであるその衝動から、襲い掛かってくるわけだし。でも待てよ。この迷いの森を攻略できたら、私はあいつの国に行けるようになるはずなんだけれど、それは想定していない? 私がここを攻略できるとは考えていないって事か。だけどもしもそうなったらってあいつだって当然考えるだろう。

 これってもしかして、森が攻略できないようになっているってことじゃないのか? 森が攻略されないようにマオウペンギンの力が働いていて、魔者の試練のような現象を引き起こしている!?

 お、おお~!? これで合っているんじゃないのかもしかして!? 私冴えてない!? もしかしたら誰でも思いつくことかもしれないけれど、なんかこれ爽快な気分だな!

「ねこますサマ。ナニカイイコトアッタンデスカ?」

「え? うん! なんとかなりそうかなぁって。」

「オオ! サスガ、ねこますサマデス!」


 こうやって考えるのは楽しいな。だけど、これはあくまでただの推察だ。本当にこんな風になるわけではないので、もっと深く考えておかないといけないな。とはいえ、結構いいセン言ってるんじゃないのかとは思う。

 いやぁ、これだからゲームってやめられないんだよなぁ。さっきまでイライラしていたのが馬鹿みたいだ。あ、でもやっぱりこの赤いのはむかつくなぁと思うな。でも一歩前進したって思うと気分が良くなってくるな。

 そうだ、ここまでのことをエリーちゃん達にも伝えないとな。


エリーからのメッセージ:あたし達の方では、この森全体を焼き尽くしてしまえばいいんじゃないのかってことで話がまとまっていたんですが…。そっちはしなくていいですか?


 いやいやいや、なんでそれでまとまっているんだ。この赤くなる現象にイライラしてきていっそ森を燃やしてやるとまで思い至ったんだろうか。ここから一旦引く予定だから別に燃やしても構わないとは思うけれど、ブッチもまだ戻ってきていないしな。あ、そうかブッチにもメッセージを出しておくか。返事は来ないけれど、そのうち読むだろうし。


「たけのこ。一旦エリーちゃん達と合流することにしたよ。とりあえず、私達が動くことになったからのんびり散歩みたいな感じでいこう。」

「カシコマリマシタ。」

 わざわざ人数が多い方を動いてもらって消耗させるのも何なので、ここは私とたけのこがエリーちゃん達を探すことになった。しばらくしても見つからない場合は、転移石で戻ることにした。

「それにしてもこういう赤い木があるってことは、青い木だとか、黄色い木だとかもあるかもしれないってことだよねえ。」

「イッショクダケナノハ、メニキツイデス。」

「だよね…。」

 私は、赤くなるこの現象が、ここだけで起きる現象なんて都合のいい事にはならないと思っている。こういうプレイヤーに対する嫌がらせ的な現象をこれだけのために準備するというようなことはないだろうし、他の場所でも発生させれば難易度なんかも簡単に上げることが出来るだろう。

 だから私は…今後のためにも、この状況に慣れる必要がある。目がきついとか言ってられない。この状況に慣れることができなければ、今後同じ状況になったとき、苦しむことになるから。

 あれ? そうなるとこれっていわば試練みたいなものか。魔者の試練ではないと思うけれど、この赤くなる現象に適応するための試練。


 まさか、この現象を克服すれば試練のクリアってことになるわけじゃ、いやだからそもそもこの状況は魔者の試練じゃないってさっき結論を出したばかりじゃないかってああもう! なんだかこんがらがってきた!

「ねこますサマ。ダイジョウブデスカ?」

「う、うん。ちょっと頭がごちゃごちゃしてきただけ。」

 例えばこの状況を克服したって言えるのは、どういう場合だ? もう何ともないみたいに自然に動けるようになるとかそういうのだろうか。だけどその判定はどこでする? それともこの状況を耐えればそれは克服したってことになるか? だとすれば一定時間この森の中にいればクリアしたってことになるか? つまり。

「赤くなっている現象発生後にこの森の滞在合計時間が規定の時間を超えたら試練をクリア?」

 

 まさかそんなことはないよなぁ。ただこの森の中に長時間いるだけでとか。もしそんなことがあるとしたら、私とたけのこは駄目ってことになりそうだなぁ。連続でこの森にいなければいけないという条件があれば、だけど。一度上空に行ってしまって脱出したからそこから滞在時間がリセットされているというのもありそうだ。

 それにしても…今更こんなこと思いつくなんて私も駄目じゃないか。ここが迷いの森なのか魔者の試練なのかもうどっちなのか分からなくなってきているし。はぁ。やっぱりエリーちゃん達にこの森を燃やすのを待ってもらってから行動しないと駄目そうだな。


「ねこますサマ。オツカレデスカ?」

「まぁちょっと考え事をしていてね。そして今ここで気配感知に大きな反応がでてきたのも気になってきた。」

 でも大きな反応って割には小さい反応もあるし、ボスとその子分が集合しているって事になるのかな。私達の方に来ているってわけでもないからまだ気づかれてはいないんだろうけれど。モンスターの軍隊か何かだろうか。

「! テキデスカ。チュウイシナイトイケマセンネ!」

「そうだね。私達の方を目指しているわけじゃないけれど、気が付いていない振りをしているだけかもしれないし。」

 ここから北に進めばモンスターの国ってことなんだから、そこから来ているんじゃないだろうか。あれ? でも私も一応モンスター扱いされているから別に襲われる事はないんじゃないかな? 魔者ってことがばれていたらそうじゃないかもしれないけれど。マオウペンギンが魔者は悪! みたいに言ってたら、まずい気がするけれど。

「げ。なんかうじゃうじゃしてきた気がする。」

 どんどん増えてくるな。どういうことだろうこれ。まずいんじゃないか。まるで戦争でも仕掛けてくるような感じ。それか、モンスターの大量発生イベント。所謂、スタンピードなんて言われている現象か。群衆事故とかの意味で言われるスタンピードは、オンラインゲームでは定番のイベントだ。

 大量のモンスターが出てくる最中、街や城を防衛するというものが多い。この場合は、もしかしてナテハ王国にでも攻撃を仕掛けるってことなんだろうか? まぁ先生とお店のハーツ以外はどうなってもいいと思っているから攻撃されても構いやしないんだけれど。あ、薬草が買い取られなくなるのは嫌かもしれないな。


「ウォオオー!」

なんか叫び声が聞こえてくるし、まずいな。エリーちゃんにも連絡しておこう。あ、もうこの森にもいっぱいいるみたいだし、放火しちゃってもいいって伝えておこう。そうしよう。


エリーからのメッセージ:早速火を放ってみたんですが、この木! 火耐性があるみたいで燃えませんでした! 撤退します! やっぱりねこますさんじゃないと森林火災はできないってことですね!


 あ、ああああ!? 赤い木だし火属性には耐性があるみたいなそういうノリか!? うわっ! そんな単純な事も考えてなかったよ!? というか私が森林火災の常習犯みたいなこと言うのやめてってば!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ